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ドラゴンフライ  作者: マサラ
第二章 甲子園編
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第十三話 ガレア式を決意

「やあ、こんばんわ。

 今日も話をしようか」


「うん」


 確か昨日は凛子さんの家に泊る所までだったね。



 ###

 ###



 凛子さんにからかわれた後、リビングに戻るとガレアとカンナちゃんが丸まってくっついて寝ていた。


「すぅー……

 すぅー」


【むむむ……

 カンナー】


 そんな寝言を言うガレアを見て、ダメだこりゃって思ったね。


「クスクス、この二人すっかり仲良しね」


 凛子さんは優しく笑っていた。

 僕は案内で二階の客室に通された。


「じゃあ竜司君。

 この部屋を好きに使ってね」


「ありがとうございます」


「じゃあ、おやすみなさい」


 風呂を頂いた後、僕は布団の中で今日の一日の事を考えていた。


 旅はまだ一日目。

 何日旅をするかも決まっていない本当にあての無い旅だ。


 今日一日を思い出すと自然と笑みがこぼれた。


 ガレアとの初電車。

 凛子さんとの出会い。


 東雲(しののめ)さんとアレレとの草野球。

 そして、その後の打ち上げ。


 僕はニヤニヤしながら眠りについた。


 朝、目覚めの良い朝だ。

 時間は午前七時。


 僕は喉が渇いたので下に降りて行った。

 コップに水を入れグビッと飲む。


 その時……


「ふぁあ~、竜司君……

 おはよう……

 早いのね」


 凛子さんが起きてきた。

 おもむろにそちらに向いた瞬間。


 ブーーッッ!!


 僕は思い切り口の水を吐いてしまった。


「どうしたの……?

 竜司君……」


 何がびっくりしたって凛子さんの格好だ。


 大きめのワイシャツ一枚で前をはだけていた。

 寝起きのせいかアンニュイな感じがまたセクシーさを誘う。


「ちょちょっ!?

 ちょっと!

 凛子さん前々ッッ!!」


 僕は目を覆いながらそっぽを向いた。

 顔は多分真っ赤だっただろうね。


 ん?

 パンツ?


 もちろん丸見えだったよ。

 君もそうゆう事に興味を持ち始めたんだね。


「どうしたのってばぁ……」


 酔いが覚めていないのか、まだ寝ぼけているのか無防備な凛子さんは無防備のまま近づいてくる。


「ダメですっ!!

 こっち来ないでっ!!」


 来ないでと言いつつ、体は固まって動かない。

 僕は凛子さんに捕まった。


「ん~~……

 むにゃむにゃ……」


「ぎょえーー!」


 僕の肩甲骨あたりに凛子さんの豊満なバストが当たる。


 胸って凄く柔らかい。

 下腹部に熱も感じた。


 その僕の大声で、リビングで寝ていたガレアが起きた。


【……何やってんだ竜司。

 うぉっ!

 ケッコンか!?

 ケッコンだな!!】


「違うーー!」


 次に結婚と言うキーワードでこれまたリビングで寝ていたカンナちゃんも起きた。


「ケッコン!?

 どこ!?

 結婚!!?」


 カンナちゃんが厨房で抱き合っている僕らを発見。

 物凄い気まずい空気が流れる。


「わぁ……」


「ここっ……!

 これは違うんだっ!!

 僕は喉が渇いたから……」


「竜司にーちゃんのエッチーー!」


【エッチって何だっ!!?

 オイ竜司!!】


「そんな事は覚えなくていいっ!!」


「う~ん……

 むにゃむにゃ……」


「ガレアちゃん、エッチっていうのはねー……」


「カンナちゃん!

 わーわー!!」


 てな感じで朝から騒がしい一幕だったよ。

 そんなこんなで朝食を終え、一息ついていた。


【ガレアに説明をしておいてください】


 グースのあの言葉を思い出し、ガレアを探した。

 庭に出たら、カンナちゃんとガレアがボールで遊んでいた。


「ガレアちゃーん、いっくよーー!」


 カンナちゃん、勢いよく投げる。


【甘いぞカンナ!

 ほいっ!】


 ガレア、首で弾く。


「ぶへっ」


 カンナちゃんの顔面に直撃。


 僕はまた泣くのかな?

 って思ったけど、笑っていたよ。


 カンナちゃんは意外に強い娘らしい。


「おーいガレアー!」


【何だー?

 竜司】


「あっ!

 エッチな竜司にーちゃんキシシ」


 ガレアとカンナちゃんがこちらに来た。


「ガレア、ちょっと話があるんだけど……」


【何だよ改まって】


「なになに?

 なんのおはなしー?」


 僕は考えた。

 カンナちゃんも聞いてもらうかどうか。


 結果カンナちゃんにも聞いてもらう事にした。

 カンナちゃんがいればガレアの説得もしやすいだろうって打算的な考えだよ。


「ガレア、僕と竜儀の式をしてほしい……」


 僕の一大決心を聞いたガレアはまた新しい顔を覗かせる。

 恥ずかしがっているようにも見えるし、悩んでいるようにも見える。


【マジで!?

 うむむむ……

 さてどうしたものか……】


 するとカンナちゃんが下から……


「竜司にーちゃん、ガレアちゃんとりゅーぎのしきやるのー?」


「そうだよ。

 カンナちゃん、君はどう思う?」


 カンナちゃんはんーと少し唸ってから答えた。


「ガレアちゃんと竜司にーちゃんは仲良しだよねー、じゃあやった方がいいと思うー」


 ガレアは黙っている。


「ガレア……?」


【竜司と式をするって事はお前が俺の背中に乗るって事だろ?

 何かこそばゆいなあ……】


「別にいつも乗るわけじゃ無いよ」


 僕はガレアと並んで歩くのが好きだった。

 そんなに毎日乗りたいわけじゃ無い。


「ガレアちゃん、竜司にーちゃん嫌い?」


【嫌いじゃねえけど……】


 カンナちゃんが大きい目をガレアに向けて伺う。

 ガレアはモジモジしている。


【わかったよ式やってやるよ。

 考えたらこれから長い間一緒に居るわけだしな】


「ありがとうガレア。

 これからもよろしく」


 僕は握手の手をガレアに向けた。


【あっそれアステバンでもやってたな。

 よし】


 ガレアの緑色のゴツイ手と僕の手ががっちり握手された。


「ガレアちゃんと竜司にーちゃんは仲良しだねえ」


【おうよ!

 俺と竜司はマタタビだ!】


「ガレア……

 だからそれマブダチ……」


【そう!

 それだ!】


「マタタビだーー!」


 カンナちゃんが変な風に覚えてしまった。

 結局ガレアは最後までマブダチって覚えなかったなあ。


 気がついたら隣にグースが立っていた。


「わぁっ!?」


 気配を殺すの上手いなあ。

 改めて竜のポテンシャルに驚いたよ。


【どうやらガレアは了承した様子ですね】


「はい」


【それでは予定通り午後に素戔嗚(すさのお)神社にまいりましょう。

 同行するのは主と私。

 それまで時間がありますのでごゆるりと】


 淡々と話したグースはそのまま屋敷へ戻っていった。



 ###

 ###



「さあ、今日はここまで」


「ねーパパー、パパのスキルってどんなのー?

 バーニングファイヤーとか?」


 (たつ)は昨日からスキルの事が気になってたらしい。

 バーニングもファイヤーも同じような意味なのになあ。


「さあ、どうだろう。

 明日出てくるからお楽しみだね」


「うん!」


「続きはまた明日……

 おやすみなさい……」


 バタン

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