↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/7

いっぱいいっぱいの倖せを

「いいよ」

「え?」

「さっき言ってたこと」

 銀杏並木を歩いていたら、伽羅《きゃら》がいきなりそう言った。

「え、どれ」

「さぁて、どれでしょう~♪」

 スイーツビュッフェであれだけ食べたあとだと言うのに、彼女の足取りは軽やかだ。私の少し前を歩く伽羅を見つめながら、やはりあの美しきマッスルがそれを可能にしているのだろうか、としみじみ感じ入ってしまった。いや、筋肉と満腹のだるさって関係してるのか?

 ではなく。

 どの問いに対する『いいよ』なんだ。

 ついさっきの『お腹いっぱいだから、ちょっと遠くのカフェまで歩くか』に対して?

 はたまた、そのひとつ前の『前に言ってた映画、今日見る?』に対してか?

 ……それとも。

「伽羅」

「何ぃ?」

「ちょっと休んだらさ。……不動産屋さん、行く?」

 彼女が、くるりとこちらを振り向いた。

「いいね」

 その顔に浮かべられた笑顔があまりに愛らしくて。私は、胸が苦しくなる。

 ああもう、まったく。

 お腹も胸も、いっぱいいっぱいだ。


 END.


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。