第一話:戦国の魔王
最近いろいろな作品のPVが伸びてきました。こちらを一端終わらせておきます。
世に言う「戦国の三英傑」とは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三名を指す。戦国武将の中で最も人気が高いと言えるのが「織田信長」であるが、それは何故なのだろうか?
人気がある一つの理由は、「行き詰った世の中の閉塞感を破壊する爽快さ」ではないだろうか?
圧倒的な実力、比類なきカリスマ性、類まれなる先見の明、伝説になる資質を語りつくせぬほど備えていた。
ヒンドゥー教における三大神は、ブラフマー(宇宙創世の神)、シヴァ(破壊の神)、ヴィシュヌ(世界の維持)であるが、やはり破壊神シヴァの人気は高いという。
「本当に、麻雀ごときで決着がつくと思うておるのか?」地の底から溢れ出るような、威圧感と威厳に満ちた織田信長公が、剛掌霧笛を睨めつけた。霧笛は座して頭を垂れて、一部始終を畏まって聞いていた。
「全て私めにお任せください」剛掌霧笛が許可を求めた。
「どのように、作戦を進めるつもりだ? 申してみよ」
「黒脛巾組の頭領と、不破雷獣をおびき出して無理にでも麻雀を打たせます。甲賀忍者の頭領に、風魔忍者の頭領も控えています故、ご安心ください・・・」霧笛は、信長公の返答を待った。
「無駄に兵を減らしたくはない。良かろう、良きに計らえ」
「ははー」霧笛はひれ伏して礼を言った。
天正10年(1582年)、織田信長は脂が乗り切った49歳であり、伊達政宗は若干16歳だった。
霧笛は屋敷を出て部下に確認した。
「不来方は、どこにおる?」
「雀武帝親衛隊の役人を追いかけているそうです」
「あの小役人を?」
「黒脛巾組の頭領と、不破雷獣殿をおびき出す作戦であると伺っております」
「ふむぅ・・・。良かろう。決戦の準備に取り掛かる。甲賀と風魔を召集せよ」
「御意!」
その頃、服部半蔵を頼った百地は黒脛巾組の頭領である、一馬と合流していた。碧竜と氷月も一緒だった。
「先ほどの戦いでは、幻燈斎が無礼を働いたことをお詫びしたい」百地が頭を下げた。
「私に出来ることはしました。お力になれずにすみませんでした」一馬は謝った。
「いやいや、お主の力があってこその戦いでした。無効試合になったのは、幻燈斎の不徳の致すところでござる」
「さようでございますか」
「ところで、もう一度力をお貸し願いたい。どうしても倒したい者がいるのでござる」
「誰でもしょうか?」
「風魔の頭領だ」
「夢幻斎を相手にするおつもりですか?」
「壬生野城の戦いで、してやられた。借りを返しとうござる」
「よろしいでしょう」いつもの一馬なら、思案するところだがくみとが乗りうつっている一馬は二つ返事で承諾した。
「(承諾なさるんですか?)」碧竜は意外に思った。
「(変ねぇ・・・。いつもは少し考えるところなんだけど・・・)」氷月も不思議に思った。
瓜丸を連れ去った存在感の薄い部下は、雀武帝親衛隊本部に駆け込んだ。
「(ん? おかしいな、何故アイツは何の躊躇いもなく雀武帝親衛隊の本部に駆け込むんだ?)」不来方稔が訝しがった。それほど警備が厳重でもない本部に容易く侵入できた。
「ん? ここはどこですか?」瓜丸がやっと目をさました。
「雀武帝親衛隊の本部ですよ」存在感の薄い部下が言った。
「雷獣様に報告しなければ!」しかし雷獣は不在だった。白虎龍派の八刀斎、玄武龍派の堂満吉兆太、青龍派の天承雀悟とともに、朱雀派包囲網の会議に参加していた。
「それでは、輝雷美さんに報告だ」輝雷美は、軟骨とフルーツを食べていた。
「輝雷美さん、大変です!」
「ん? 瓜丸じゃねぇか、サボってんな。働け!」軟骨が子開口一番に言った。
「! ぐ~」瓜丸は怒りを堪えた。
「どうしたの? 瓜丸くん」輝雷美がたずねた。
「『第三次天正伊賀の乱』は無効です。朱雀派が私を拉致し、勝敗をもみ消そうとしました。帝から直々にお叱りを受けなければいけません」
「あら、そうなの? ところでご一緒しているのは、どなた?」存在感の薄い部下を見て言った。
「こちらの方が、私を助けてくれました」
「久し振りだな~、軟骨!」
「! お前は、中泉六雲じゃねぇか! 今まで何してたんだ!」久し振りの再開だった。
「朱雀派に潜り込んで、内情を調査していたんだ」
「そんな、危険なことをしていたのか!」
「あぁ、存在感が薄いんで、誰も俺のことが記憶に残らないんだ。スパイとしては、最上の資質だ」
「へえ~、やるな~」軟骨は感心した。
「なるほど、そういう訳か!」窓から忍びが飛び込んできた。
「! 誰だ!」軟骨が叫んだ。
「あなた、誰よ!」輝雷美も叫んだ。
「不来方さん・・・」中泉は背筋が凍り付いた。
「どっがっ!」不来方は煙玉を破裂させ、全員の目が眩んだところで輝雷美と軟骨に眠り薬を嗅がせ眠らせた。そして中泉をぶっ飛ばして失神させた。
「本来なら殺すところだが、見事なスパイの技術に免じて生かしておいてやる。雷獣に伝えな」と言って、瓜丸を見た。
「最終決戦だ! 逃げずに戦いの場に出てこい! 黒脛巾組の頭領の一馬も連れてこい! そしたら、こいつらは返してやる!」そして、輝雷美と軟骨を拉致して窓から出て行った。瓜丸と中泉は、その場に取り残された。
「一大事でござる~!」
白虎龍派の太刀風八刀斎、玄武龍派の師範である道満吉兆太、その弟である道万凶之介、青龍派の師範である天承雀悟、そして雀武帝親衛隊の隊長である不破雷獣は、白虎龍派の本部で会議をしていた。
「・・・という訳で、朱雀派は雀武帝親衛隊を私兵化し、玄武龍派と青龍派の吸収を画策している」不破雷獣が言った。
「俺の掴んだ情報だと、6月2日に信長は本能寺に滞在するらしい。襲撃するには唯一の機会だ!」道万凶之介が言った。
「宜しい、白虎龍派は西から朱雀派を包囲いたそう」八刀斎が言った。
「青龍派は、東から包囲しましょう」雀悟が言った。
「んでは、玄武龍派は北からだ」吉兆太が言った。
「雀武帝親衛隊は、南から包囲しよう」雷獣が言った。
「確認しておくことがあります」雀悟が言った。
「うむ。我々は、飽くまでも朱雀派壊滅のための同盟だ」八刀斎が言った。
「でもよー、麻雀だけで解決できるのか?」凶之介が言った。
「向こうから、何か仕掛けてくるかの知れないな」雀悟が言った。
「戦闘が始まったら、それぞれの位置から朱雀派を攻撃する。麻雀で解決できる場合は、黒脛巾組の頭領と、不破雷獣殿にお願いいたす」八刀斎が言った。
「引き受けよう」雷獣が承諾した。
「それでは、決まったな。戦闘開始は6月2日。麻雀勝負があれば『乱闘戦』になる」八刀斎が言った。
「麻雀で対戦している奴の邪魔はさせんど」吉兆太が言った。
「俺は、卓の周りで対局者を援護するよ」凶之介が言った。
「青龍派は、状況次第で室内に侵入しよう」雀悟が言った。
「雀武帝親衛隊は、飽くまで中立の存在だ。外側からの援護しかできない」雷獣が言った。
「朱雀派の出方次第ですね」雀悟が言った。
その頃、一馬と百地は雀武帝親衛隊の紫電海雅信を伴って、北条氏を急襲していた。
「開門を願う! 宣戦布告でござる!」百地が宣言した。その後速やかに風魔夢幻斎に取り次がれ、麻雀卓が準備された。
「壬生野城の戦いではしてやられた。本日は、麻雀での勝負を受け入れて頂く」百地が言った。
「これはこれは、百地殿ですか。伊賀の壊滅は、私たちの責任ではありません。濡れ衣です」夢幻斎が言った。
「お主が、朱雀派に味方したことは確かでござる。伊賀の代表として仇を打たせて頂く!」
「・・・。青龍派は、伊賀の味方ですか?」夢幻斎が一馬に聞いた。
「敵の敵は味方ですね。朱雀派を嫌っている流派は多いです。それに味方している風魔も敵とみなします」
「・・・、よろしいでしょう。受けて立ちましょう。貞丸 、これへ!」貞丸時次が呼び出された。
「久し振りだな。元気そうだな」貞丸が一馬に言った。
「少しは、強くなったか?」一輝が聞いた。
「そこそこ打てるようになったぜ!」と言って、一馬を睨んだ。
「それでは、ルールを説明します。戦国の時代に相応しい【下剋上戦】で戦って頂きます」雅信が宣言した。
〔第二話:下剋上戦〕に続く




