075 魔法銀のタグネックレス
翌朝はゆっくり起きてブランチ後、移動開始。
休憩を1度挟み2時間くらいで今日の移動は終わり。
ティータイムで少しボリュームのあるオヤツを食べてからパールは森の探索。
私達はアウトドア用のラタンデイベッドでゴロゴロ過ごす。
考えていたアクセサリーのデザインを見せる。
「これ、次の販売品にする予定なの。2人にも似合うと思うのだけど、どうかな?」
プレートに文字が刻印されていて、ラウンド、ハート、楕円と形が数種類あって、学生の頃に雑誌で見て、いつか大好きな人とお揃いで付けたいなと思った事がある。
「プレートに名前、ギルドID、誕生日や記念日、メッセージ、好きな事を刻印するの」
アクセサリーとして若いカップルにも良いけれど、今回は特に冒険者へ意識したアクセサリー。
前の世界で軍人さんが身につけている認識票(IDタグ)にも寄せた。
氏名、血液型、宗教、識別番号などが刻印された金属製のプレートで、戦闘時の負傷や死亡時に個人を特定する目的で身につけるタグ。
「冒険者カードは落とさないように皆インベントリへ入れておくから、1人の時やパーティー全員で何かあった時に、身元の判明が遅かったり誰なのか見つからない事もあるかもしれない。そういう時にこれがあればギルドIDですぐ判明するし、大切な人の名前も刻印しておいて大事な判断を迫られた時、無理な行動はしないで引き際を間違えないように、心臓の近くにあるプレートで大事な人が自分の帰りを待っている事を思い出してほしいの」
アイク「なるほど。確かに移動してきたばかりのソロ冒険者は顔見知りが少ないから判別が遅くなる。引き際を誤ると簡単に死ぬのに無理をする冒険者は多いからな」
アビー「大事な人の名前を常に身につける。うん、いいな、それ。俺達は何を刻印する?3人の名前、ギルドIDと」
アイク「好きな事?文字にするのは難しいな」
「私は表に3人の名前、裏にIDと2人に出会った日付を刻印したい。私にとって運命の日で一番大切な日になったから」
「「ミツキ」」
2人に抱きしめられる。
翌朝もゆっくり起きてブランチ後、休憩を1度挟み、2時間くらいで移動は終わり。
ティータイムで少しボリュームのあるオヤツを食べてからパールはまた森の中へ。
今日は倍の広さになったタイニーハウスの寝室にネイビーのソファセットを置く。
次はワークデスク。
アイクやアビーが室内作業をしたい時に使う机。
コーナー用のL字型で真ん中は3人目も作業出来るようにカットされてる形。
ベッドをしまってデスク、椅子も設置してみる。
早速2人はネックレスプレート作り。
デザインを宝石店に持ち込む予定だったけれど、シンプルなものだから自分達で作ってみる、と。
「魔法銀?」
アイク「ああ、洞窟で結構採れたし軽くて加工しやすい」
アビー「魔法を弾くから心臓辺りを守るアクセサリーにもなるように、自分達でやってみるよ」
「確かに。心臓は一番狙われる所だもの。少しでも防御になるなら嬉しい」
金属加工や、板金系、刻印手打ち用などプロ仕様の、良さそうな道具を2人に見せながら選んで貰い、購入してコピー。
「私はチェーンを探しておくね」
イメージはあったので検索はすぐ。
シルバーではなく頑丈なプラチナで、アクセサリー的にも綺麗めな装い時にも問題なくつけられる。
デザインはロープチェーンで少し太めのタイプ。
複数の細いワイヤーを緻密により合わせて作られていて強度と耐久性が強く、単一の鎖よりも絡まりにくく切れにくいのに、滑らかな肌触りで快適な装着感。
他のチェーンと比べて光を反射する表面積が多いため、動きに合わせてキラキラとした輝きを放つ。
チェーン選びがすぐに終わったから私はパウンドケーキを作ろう。
泉で採ったバナナ、あとはナッツ系、ドライフルーツ、ブルーベリー、オレンジ、シンプルに1種類だけや、混ぜたものも。
紅茶の茶葉入りも美味しそう。
大型オーブンは1度にたくさん焼けるから便利。
焼き上がりまではジュエリーのデザインをまた考えよう。
パウンドケーキを焼き上げ、2人の所へ。
アビー「ん、いい匂いだ」
アイク「美味そうな匂いだな。ん?パールが帰ってきたか」
「えっ?どこ?ハウスの中からよく分かるね?」
パールの獲物はコビトカイマンが9匹。
「えっ?群れがいたの?」
パール「この倍はいたが気がつかれて残りは逃げた」
「逃げるわよ、そりゃ」
パール「すぐそこの岩場の上にまた泉があったぞ」
「えっ!?行きたい。でもすぐそこって、本当に近く?」
パールの距離感は当てにならない。
パール「ああ、ミツキでも歩いてすぐだと思う」
早めの夕飯を済ませて晩酌タイム。
塩バナナチップスを作ってみた。
ココナッツオイルでシンプルに揚げたものと、ローズマリーを加えたもの。
あとはアボカドのチーズ焼き。
アイク「ん、美味い。バナナがツマミになるとは」
アビー「白ワインに合う。普通のバナナに塩をかけたやつは絶対美味くないと思うが、揚げるとこんなに美味くなるんだな」
アイク「表の刻印は終わったが、気になる所はあるか?」
魔法銀だからか、宝石のような銀プレート。
「素敵。チェーンはこれどうかな?着け心地を確かめてみて」
アビー「うん、いいんじゃないか、肌になじむ、というか違和感がない滑らかな感じだ」
アイク「普通のに比べて強度がある、この形状、ロープみたいだな」
「そうなの、ロープチェーンと言われているデザインなの。捻じっているから他のに比べて丈夫だし中は空洞だから見た目より軽くなる」
アビー「プラチナだから軽いのかと思ったが、確かにこの太さだとプラチナでも、中に空洞が無ければもう少し重くなるよな」
明日は早めに朝食を済ませて朝風呂へ行こう。




