064 空飛ぶ砂場
次の日はテントの改造をする為に、朝早めに出発して森へ。
テント改造の前に空飛ぶ板を作成する。
板だけだと私が落ちそうだと疑われているので、ネットショップで砂場の枠だけを購入。
丁度良い高さの枠で蓋付きなのだけれど、この蓋を両サイドへ折りたたむと対面ベンチのような座面になる。
魔法の絨毯柄っぽいラグマットを購入して底面に敷くと、空飛ぶ砂場が完成した。
パビリオンテントの骨組みの種類は何通りもあって、真ん中の支柱の上部に、車輪のようなハブ(輪っか)をはめ込み、傘の骨のように何本もの棒が放射状に外側に向けて伸び、上からテント生地をかぶせてロープでピンと生地を引っ張り地面にペグなどで固定するだけのものが最低限の基本。
何本もあるポールの先端に地面へ垂直に伸びる細い柱を付けて更に安定させる形もあるけれど、生地をしっかり地面に固定するだけで強度に問題はあまりないので、設営と撤去の時間短縮やポールが荷物になるから、冒険者や騎士、商人達などはサイドポールは殆ど使わず、傘骨だけのアンブレラ式で使用している人達ばかり。
それに比べ、富豪、貴族や王族にとってテントは「動く宮殿」であり、富と権力の象徴だからサイドポールは使うし生地にもこだわる。
テント内の滞在時間より設営と撤去の時間が長くなろうが、お抱えの兵士や従者がいるセレブにとっては全く問題ないし、兵士や従者達からしてもワンタッチテントになったから人手は減らす、なんてなってしまうと仕事が無くなるから困る。
テント内から見える裏地に刺繍で模様を描いたり、タペストリーを縫い付けたりと、豪華な部屋の中にいるような空間を演出する高位貴族や富豪に仕える家臣は多い。
私達は防水で一番優れてる生地にはしたけれど、パッと見は普通の生地の方がいい。
私達は解体する必要が無いのと底板に固定する為に、ハブから伸びている全てのポールに底板と繋ぐ為のサイドポールをとりつけ、傘から鳥籠のような骨組みにする。
そして、このポールの素材は魔法鉄にしたので骨組み一本だけなら軽くて、ポール用の通し穴に入れる時に楽なのに頑丈さは同じ。
軽いといっても半減くらいで何本も使うテントでは完成時には凄く重くなるから安定感がある。
サイドポールを繋ぐ前に、パビリオンの方ではハブから伸ばすポールを確認して、完成時の外周の大きさと、ブックテントの底の大きさに合わせて底板を作る。
次はこの底板にプラスチックすのこをネットで購入して取り付ける。
すのこ同士を繋ぎ合わせられるジョイント式なのでテント底板の大きさのギリギリ小さいサイズにする。
底板より大きいと、テントを伝った雨がすのこから底板に伝ってしまうので、すのこは少し小さいサイズにした方が伝った雨が地面に落ちる。
小さいテント用のすのこを作り終えたらコピーして、それを元に大きい方のサイズに広げていき、最後にすのこを板に取り付ける。
これで多少の小石があっても安定して置け、地面とのスペースが少しできたことで、寒さや暑さ、湿気対策などにもなる。
床が完成してからサイドポールを取り付け、鳥籠テントを作っていく。
ブックテントは三角柱の全ての辺を骨組みにすれば頑丈になるし、入り口真ん中にあった柱を無くせて出入りしやすくなる。
完成後は2つのテント内をミラー複写で拡張。
パビリオンは13畳、ブックテントは8畳くらいだったのが倍の広さに出来るけれどブックテントは中央の一番高い所で185cm、三角柱なので3辺の隅が鋭角のスペースになっていて鋭角を無くしたい。
双子が天井を気にせず立てる220cmまで上げ四角の箱形の空間にした。
横の面積はそんなに広く出来なかったので正方形に近い四角柱の13畳くらいになったけれど、テントとしたら広いから大満足!
ダンジョンのセーフティゾーンは狭くないけれど、低層エリアだと冒険者が多く休んでいる事が多いみたい。
基本はパビリオンを使い、ブックテントを使うとしたら野外でかなりの密林でスペースが無いときとかなので、出番はあまり無いと思う。
パビリオンは高さはあるので横方面に楕円形に広げるとかなり広くなった。
気がつけばランチの時間が過ぎていたのに、パールは森からまだ帰ってこない。
念話で確認すると少し遠出しているというし、持たせているマジックポーチにはパール用のご飯を入れておいたから、3人でピクニック弁当でランチタイム。
ランチ後は内装作業開始。
ネットショップでクッションフロアシートを購入して床に貼り付けていく。
アイク「薄く柔らかいのに衝撃を吸収しそうで、本物のような素材の模様が描かれていて面白いな」
「断熱と水に強くて汚れが酷くなれば張り替えも手軽に出来て良いでしょ?」
アビー「断熱効果もあるのは凄い」
テントに入る時に幕を上げた時、外から中が丸見えなのが気になったので入り口のところにだけカーテンを取り付ける事にした。
黒と綺麗なターコイズブルー色のネイティブ柄。
インテリアは時間かかりそうなので、テント改造は終わりにして馬小屋の拡張。
小さい方の馬小屋でも、中の空間は倍になったので狭く感じない広さになった。
大きい方はかなりのスペースになったから2つなくても、2頭で一緒にゆったり過ごせるし、壁沿いに歩けばちょっとした散歩ができそう。
今日はもう疲れたのでここまで、と思っているとパールが帰ってきたので宿へ帰り、テントやアウトドアグッズを使いたいし、コテージを待つ日数もまだあるから、明日はダンジョンの低層に行ってみることに。
ダンジョンの前に冒険者ギルドに寄ってみれば、今日は朝早めの時間帯だからか沢山の冒険者達がいる。
ガヤガヤと混雑していたギルド内で私たちが通り過ぎると、ピタリと会話が止まる。
掲示板で依頼用紙を貼り付けていた若い男性ギルド員が私たちに気がつくと、すっ飛んできてマスターの部屋へ案内してくれた。




