057 婚姻の誓いと魂になっても共にいる事を願う
教会の外観は壁に足元から天井付近まで細長く伸びた枠が壁全体に何本もあり、枠の奥側に青いステンドガラスがはめ込まれているようだ。
ガラスが奥にはめ込まれているのでパッと見はシンプルな普通の建物だと思ったけれど、中へ入ると海底神殿にいるような美しい青い空間になっていた。
全面の壁一面に濃淡の違う青いステンドグラスがパッチワークのように嵌め込まれ、外からの光で室内はキラキラと青く光り、海の中にいるような錯覚にさせる。
教会内には祈りにきていた人達が数人いてお祝いの言葉を送られ、神父さまに結婚の儀式をしてもらう。
用紙に魔力を込めながら名前を書き、神父様がその紙に魔力を込める。
「新郎アイザック、新郎アビゲイス、新婦ミツキ、あなた達は病めるときも、健やかなるときも、貧しきときも、富めるときも、悲しみのときも、喜びのときも、お互いを愛し、慰め、助け、命ある限り真心を尽くし、愛することを誓いますか?」
アイク「誓います」
アビー「誓います」
「はい、誓います」
泣いている私の左右の目尻にキスをしてから、交互に唇へキスを。
イヤーカフとリングを付けあい、祈ると3人にキラキラした光の柱が舞い降りてきて、気がつくと3人とパールと共に女神様、狐さんに初めて会った星空の空間にいた。
狐「美月、結婚おめでとう」
「女神様、狐さん、私をこの世界に連れてきてくれてありがとうございます。誰も愛せないと思っていましたが愛する人ができました」
女神「「3人に祝福を」」
女神様が言いながら私に何か渡すように手を伸ばしたので受け取る。
私の手には1房に2つピンクゴールドの実がなっている、さくらんぼのような実が乗せられていた。
狐「それは月の実を特別に変化させた実。2粒美月が食べて愛し合うと、夫2人の子供が双子で宿るよ」
「「「ありがとうございます」」」
狐「僕からもお祝いのプレゼントをしないとね。どれどれ⋯⋯人族の中で頂点に近い強者なら美月を任せるのに安心だね、ん?【(小声で)執着が強そうなのはちょっと気になるけど⋯⋯】コホン、まぁ愛情深いのはいい事だよね、うん。2人共に魔力を溜める器を体が拒否しない程度に少し大きくしたよ。それとギフトを。後でゆっくり確認するといい。アイザック、アビゲイス、美月をよろしくね」
「「 はい 」」
アイク「一生かけて守り、愛します」
アビー「一生かけて愛し、幸せにします」
「アイク、アビー、ありがとう。愛され幸せにしてもらうだけじゃなくて、私も2人を愛し幸せにするわ」
アビー「ギフトについて願いがあります」
アイク「いつか死が訪れても共にいられることを」
狐「ギフトは神具を与えたり、潜在能力を引き出してあげることだけだからそれは無理なんだ」
「「⋯⋯」」
狐「今、心の中で舌打ちした!?表情にも出てるよ!?これだからルーツだとしても竜は厄介なんだよなぁ⋯⋯僕達に直接会って神界と繋がりは出来てしまったから魂になって離れ離れにしたら邪念送ってきそうだし⋯⋯でも死後の魂はすぐに転生させるから一緒にはいられないのが決まりなんだよ」
「「⋯⋯」」
狐「心の中で眷属では無理だよなって思ったね!?僕は眷属の中でもトップクラスの役職で心の中もわかるから傷つくこと思わないでほしいなぁ⋯⋯転生先の指定は創造神様でも無理なんだよ?うーん、方法が無いわけではないけど。美月だけではなく、君たちのような双子も女神様の愛子ではあるし。生まれ変わらずに眷属になって仕事してくれれば一緒に過ごせるようにはできる。魔素の混濁、歪みや問題がありそうな箇所を探し、存在したら適正に処理して報告するんだ。惑星の隅から隅まで行けるから人間には見られない土地にも行けて旅好きな美月には良いことなんじゃないかな。ただ人手は足りてて眷属を増やす許可を創造神様に貰う為に調査は忙しい時期だけにして、調査に行かない時は神界でレストランかカフェをやってもらおうかな。神たちや眷属も食事はしなくても平気なんだけど、美味しさはわかるから嗜好品ではある。収穫祭で供えられるのは生の野菜とか果物だからパールが美味しそうに食べてるのが羨ましいと思ってたんだ」
「死後も2人と一緒にいられて、神様達のお手伝いをしながら惑星中を旅できるなんてすごい!!」
「「ありがとうございます」」
☆☆☆☆☆☆☆
『ドン ボスコ聖堂』
ブラジル、ブラジリア
外観は教会に思えないほどシンプルでスッキリとした建物だが、中は四方をブルーのモザイクグラスで埋め尽くされていて、外からの光がガラスを通して青い光になり、床の大理石も青く染めるので海底の中にいるような、一面の青い世界。
いつ訪れても日中に太陽光が入るように設計してあり、濃淡の違う12種類の青いグラスを12tも使い、天井に行くほど濃い青のグラスを多く設置しているので、見事なグラデーションとなっている。
天井から吊るされた重さ2700キロの水晶のシャンデリアは、夜になるとシャンデリアからの光が堂内を照らし、昼の明るい青い世界とはまた違った青い世界になる。
聖堂があるブラジリアの街全体が「ブラジリアの計画都市」として1987年に世界遺産に登録されており、その構成する重要な観光スポットの一つとなっている。
ブラジリアの都市計画は近代建築の巨匠オスカー・ニーマイヤーらが手がけたもので、ドン・ボスコ聖堂はその都市計画の一部として、彼の弟子である建築家カルロス・アウベルト・ナベスが設計し、1970年に建立された。
ドン・ボスコは実在した人物で本名はヨハネ・ボスコ、19世紀のイタリアで活躍したカトリックの神父であり、偉大な教育者。
「ドン(Don)」というのは、イタリア語で「神父(司祭)」に対する敬称なので、みんなから親しみを込めて「ドン・ボスコ(ボスコ神父)」と呼ばれていた。
産業革命期のイタリアで、身寄りがなく街頭で暮らす貧しい少年たちや、劣悪な環境で働く若者たちのために、住まいや仕事、教育の場(学校)を作り、当時の厳格なスパルタ教育とは異なり、「罰するのではなく、納得と愛情をもって見守る」という予防教育法を確立した。
彼の意思を継ぐために作られたのが「サレジオ会」というグループで、この会が世界中に広がり、各地に学校や教会を建てた。
ブラジルの首都「ブラジリア」に彼の聖堂があるのは、ドン・ボスコが1883年に「未来に南米の新首都が繁栄する」という予言のような夢を見たという有名な伝説があるため、街の守護聖人として大切にされている。
カトリック教会では「青少年の父」として聖人に列せられており、日本国内にも東京、神奈川、静岡などに、幼稚園から大学・高専までのサレジオ会系の系列校がある。




