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異世界の歩き方  作者: ❀雪月風花❀


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050 コテージ工房

親父さん「それで岩盤浴とは?」


「程よく温まった石のベッドにタオルを敷き横になる、暑すぎないサウナのようなものです。サウナは80度前後で体の表面から急速に温め、汗腺から出るベタつく汗で毛穴の汚れを排出。岩盤浴は50度前後で体の芯から時間をかけてゆっくり温め、皮脂腺から出るサラサラした汗は保湿成分もあり美肌効果、老廃物も排出してくれます。高温が苦手な方や冷え性の方に向いてますよ」


奥様「老廃物⋯⋯美肌効果、美肌、美肌!!あなた!!私も岩盤浴したいわ!!」


親父さん「お前はサウナ嫌いだもんな」


奥様「だって!暑すぎて3分も入ってられないわ。汗はベタベタして気持ち悪いし」


「サウナより温度は低いですし、薄い岩盤を敷けばいいだけなので価格も大差なく作れると思いますよ」


親父さん「サウナ作りの工房に仲介していいか?そこと作って売り出してくれないか?聞いてると女子どもにはサウナより好まれそうだし」


アビー「コテージを待つ間は暇だからいいんじゃないか?」


奥様「第一号は私が予約するわ!」


「こことここ、ここ、ここにも腰より上の位置に窓を。ベッドルームのここにテラス窓をつけて窓から利用できるベランダを」


奥様「ベランダ?」


こちらにはベランダという表現はないようだ。


「屋根付きのバルコニーです。耐久性に問題がないくらい広くしたいです」


親父さん「奥行き3メートルになると1階とつなぐ支柱が必要になるが。どんな風に使いたいんだ?」


「お風呂後に涼んだり、星空を楽しんだりするのにカウチチェアを置こうかと」


親父さん「星空を楽しむ?おい、双子、3つの風呂といい、このお嬢さんはどこぞの王女様か?王族というより物語の中の不思議な妖精のようにも思えるが」


アビー「王族なんかでは無く、俺達に幸福を運んでくる妖精のようなものだな」


アイク「渡り人だから沢山いる王族なんかより稀有な存在だ」


親父さん「王族なんかって⋯⋯不敬という言葉知ってるか?なるほど⋯⋯渡り人なのか。だからこちらの人間にはない感性と知識。確かに黒髪、黒目だから稀有ではあると思ったが」


奥様「まさか生きてるうちに渡り人に会えるなんて。嬉しいわ」


親父さん「1階のウッドデッキと同じ位置にして、それにつなげる感じで支柱をつけるか?上下とも奥行き3メートルにして」


「はい。お願いします」


アビー「コテージ全部の窓は魔法ガラスでやってくれ」


親父さん「魔法ガラスで!?そこらの貴族邸と変わらない値段になるぞ?」


アビー「ああ。かまわない」


親父さん「まぁ、うち的には最近注文が少なかったから助かるが。⋯⋯なぁ、身内価格にするからお嬢さんのアイデアや間取り関係を合同で特許登録してもいいか?」


アイク「登録を取れるのか?」


親父さん「ああ、リビングダイニングキッチンをワンフロアにするのは壁の5割以上作らないと真似できないからな。あとは部屋タイプのクローゼット。面積を指定すれば大きすぎるか小さい普通のクローゼットになるからな。丁度いい広さを真似できないようにはできる」


アイク「手続きとかはそっちでやってくれればかまわない」


親父さん「ああ、全ての手配はこっちでやる。ギルドカードの番号を教えてくれれば合同で登録して、特許料の半分は自動的に振り込まれるようにしとく。それで、間取りなんかも客に紹介していいか?風呂は真似できないがサウナで考えれば配置なんかは参考になる」


「ええ。問題ありません。あっ!左利きの人にはコンロとシンクは位置を反転させてあげたほうがいいですよ?そういえばこちらの世界では左利きの人はいますか?」


双子の家のキッチンはコンロ、作業台、シンクと分離型だったから、反転できるはず。


親父さん「反転?ええと、左利きもいるぞ」


「左側にコンロ、右側にシンクが右きき、左利きの人は右側にコンロ、左側にシンクの方が料理しやすいですから壁に付ける場合も反対の壁にして、コンロを壁側にした方がいいと思います」


奥様「確かにコンロ使ってる時もお皿に盛り付ける時もその方がスムーズだわ」


親父さん「左利きは使い難い道具が多いと聞くからな。せめてキッチンは使い勝手を良くしてやれば喜びそうだ。コンロや家具なんかの手配は?浴槽は1種類しかないから選びたいなら王都に行かないと無いが」


アビー「間取りの壁とバスルーム用の防水壁だけでいい。キッチン、家具、トイレ、浴槽や魔道具は自分たちで手配するから。あとはトイレの外枠だけ1つ欲しい。高さは立てる程度の高さがあればいい」


「トイレの外枠?」


アビー「野営時に使う」


親父さん「⋯⋯やはりお姫様みたいだな。まぁ、いい、外枠だけならすぐだし。あとは塗装、壁紙の種類を決めよう」


サンプルの冊子を渡され、ペラペラとめくりシンプルなオフホワイト色の壁紙をチョイス。


親父さん「ここはこだわりが全く無いんだな⋯⋯次は塗装、色はある程度の色を作れる」


壁紙は汚れ防止の為に上から剥がせる壁紙を貼り付ける予定。

ネットショップには数え切れない種類の柄が販売されているから、基本の壁はシンプルにしておけば間違いない。


「自然な木材のままがいいのでクリアカラーで」


親父さん「塗りムラがでにくいクリアなら時間的にも短く済みそうだ。耐性レベルが2年と4年の2種類で値段は倍違う。ただ目安だからそれぞれ半年前には再塗装した方がいい」


アビー「4年ので。再塗装は自分達のコテージでもやってたから問題ない」





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