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9/13

9日目

 今日はとっても怖い目に遭いました。


 チェリー村を出発してしばらく行ったところで、ハチの大群に襲われたんです。

 ハチといっても日本にいるアシナガバチのようなものではなく、サッカーボールくらいの大きさの超ドデカいハチ。刺されたら死ぬじゃんってレベルのハチです。

 それが十匹以上の群れで襲いかかってきたんです。

 もう怖いのなんのって。


「アシュリーさん、ハチ! ハチ!」


 って逃げようとしたんですが、アシュリーさんは

「刺されなければどうということはない」

 ってカッコイイこといいながら剣を抜いて戦おうとしてました。


 いやいや、赤○彗星じゃないんだから……。

 これ、絶対「よい子は真似しないでね」って注釈がつくやつでしょ。


 でも運がいいことに(悪いことに?)ハチは全部アシュリーさんを狙ってました。

 たぶん、剣を抜いて戦おうとしてるアシュリーさんを敵と見なしたんでしょう。

 アシュリーさんはハチの攻撃を次々とかわし、一匹一匹確実に仕留めてました。

 いやもうほんとすごかった。

 ハチですよ? 大きいから逆に攻撃を当てやすいとはいえ、飛んで襲いかかって来るハチですよ?

 そんな奴らの攻撃をかわしながら剣を振るって一刀両断にしていくアシュリーさんの強さといったら。

 これがニュータイプかって思いました。


「たこす殿! この近くに奴らの巣があるはずだ。焼き払えるか!?」


 アシュリーさんはハチの攻撃をかわしながらそんなお願いをしてきましたが、「無理です」って答えました。

 だって僕、業者じゃないもの。

 昔、ハチの巣をつついて襲われてトラウマになった経験もあるしね。

 丁重にお断りしました。


 でもアシュリーさんは

「大丈夫だ! たこす殿なら出来る! 絶対出来る! 自信を持て!」

 と、根拠のないことを言って励まし続けるもんだから、僕もなんだかその気になってしまいました。

 なんかアシュリーさんってできる上司って感じ。こういう人が上司だと仕事のモチベーションも上がるよね。


「わかりました! やってみます!」


 そう言ってハチが出現下辺りを捜索しました。

 幸いハチはアシュリーさんに群がっていたので問題はありません。

 冷静に辺りを捜索していると森の奥に全長5メートルはあろうかっていう巨大なハチの巣が木にぶら下がってました。

 一目見て「あ、これ無理だ」って思いました。


 だって全長5メートルの巨大なハチの巣ですよ?

 業者でも無理でしょ。


 僕はすぐ引き返してアシュリーさんに「無理でーす」って伝えました。

 するとアシュリーさんはなんて言ったと思います?


 ハチと格闘しながらも

「無理と思う前に、まずはどうすれば出来るかを考えろ!」

 とこれまたできる上司のような言葉を放ったんです。


 いやあ、アシュリーさんカッコイイ!


 どうすれば出来るか考えた僕は、近くにあった木の枝に火をつけてハチの巣めがけて投げつけました。今の時期、空気が乾燥してるからか火のついた枝は見事ハチの巣に当たり大炎上しました。


※よい子は決して真似しないでね!



 僕がハチの巣を焼いたことに気づいたハチたちが襲いかかってきましたが、アシュリーさんは「好機」とばかりにハチを背後から斬っていきました。


 結局、ハチは全部アシュリーさんが退治してくれて、僕がやったのはハチの巣を焼き払っただけ。

 でもアシュリーさんは「よくやった」と褒めてくれました。

 ほんと、できる上司のお手本みたいな人だね。


 魔王もこうやって退治できたらいいな。



追伸:ハチのモンスターの正式名称はジャイアント・ホーネットと言って、Cランククラスのモンスターなんだそうです。特にハチの巣の駆除はBランク相当だそうで、「さすがは勇者だ」ってさんざん褒められました。えへへ、照れる。



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