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幕間 他国の事情と秘密組織の暗躍

すみません、あれこれと直していたらこんな時間になりました。

あと人物紹介の前に幕間を挟むべきでした。

初投稿なのでお許しを!

「じゃあモルガン?後は頼んだわよ?」

「へいへい。」

小娘が言って来る。

学校に潜入するために魔法の薬で子供になったヴァネッサだ。


「私達は学校だから裏方のあなたが頼りなのよ?」

「わぁかってるよ!」

「ミノタウロスの襲撃が失敗したんだからもう王子を殺して王都を落とすわよ?」

「その準備をハイゼン王国とすればいいんだろ?任せとけって!」

何度も何度も聞かされた作戦だ。

ヴァネッサとリーダーがアイガルド学校に潜入して王子と勇者を暗殺する。

俺はそのためにハイゼン王国の協力の下に王都の外で色々と下準備をする。



「じゃあ行ってらっしゃい!」

ヴァネッサの転移魔法によって平原へと転移する。

遠くに見覚えのある真っ赤な屋根が目立つ城が見える。

ハイゼン王国の王都に無事に転移したようだ。



俺はそのまま王都の門を素通りして王城へと歩を進める。

マジックアイテムのおかげで誰も俺に気付かないので兵士達に止められる事は無い。

俺は迷う事無く城の中を進んで行き、兵士が入口を守る部屋に入る。

「誰もいねぇか・・・」

思わず一人ごちて、部屋の中にある豪華なソファに寝そべる、豪華な外見だけあって寝心地も抜群だ。



「ちっ!あの豚王めがっ!」

いつの間にか寝ていたらしい。

部屋の主が机を叩く音と叫ぶ声で起きる。


ソファから身を起こして声の主を見ると、豪華な貴族服に頬がこけた貧相な男、アドルフ宰相が部屋の中で手当たり次第に物に当り散らしている。




「(こんな男が宰相、この国の愚王に変わって国を動かしているのかと思うとハイゼン王国は長くは無いだろう・・・まぁ利用出来るだけ利用させてもらいましょ。)」

そんな事を思いつつアドルフに声をかける。

「宰相どうしたんすかぁ?」

「・・・いたのか、ミノタウロス襲撃計画失敗の件で何もしてない豚が私に罵詈雑言を浴びせてきおったのだ!」

俺に気付いたアドルフは思い出したのだろう、歯噛みしながら言う。



「あれは災難すよ!冒険者に準備中のミノタウロスが見つかった上に剣聖がいるんすから!」

「あの馬鹿にはそれがわからんのだ!」

アドルフが髪を掻き毟りながら言って机を激しく叩く。

机の上の物が浮きばらばらと落ちている。



「とりあえず俺の仲間が学校に潜入してますが、これからどうしますかぁ?」

「王子の抹殺だ!そして貴様が教えてくれた秘術で魔物を操って王都を陥落させるぞ!」

「(それをどうするかって聞いてんだろ。)」

俺は呆れた顔をしていないか不安になるほどに馬鹿さ加減に驚く。



「学校内の暗殺は任せる!これが我が国から学校に潜り込ませた人間のリストだ。」

そう言って十人の名前が書かれたリストを渡してくる。

「この人物達は?」

「ふん!使い切って構わん人間達だ。」

「そりゃ魅力的な情報をどうも?」

「で、っだ!メスのゴブリンとオークは用意できないか?」

「そりゃかなり骨が折れるすよ?」

普通魔物は雄か雌のどちらかしか魔素溜まりからは生まれない。

だが稀に異性の魔物が発生する事がある。



「そんな魔物を用意してどうするんすか?」

「知っているか?苗床が人間だと雄しか生まれないのに雌のゴブリンが産むと雌のゴブリンを五分の確率で産むんだぞ?」

「そりゃすごい速度で増えますね?」

どうやってその情報を知り得たのかは聞きたくもないが、すごい情報だ。

ゴブリンやオークは人間の女の場合は一昼夜まぐわい、三日で三~五体産まれ一週間で成体になる。 

母体である人間の魔力を吸って腹の中で育つので、普通の人間は一回の出産で魔力欠乏症で死に至る。



「ゴブリンとオークっすね?」

「ゴブリンとオークだ。」

「わかりました!あ、これこの前のミノタウロスの代金っす!」

アドルフに明細書を渡す。


「一体三百万ゴールドとは少々高くないか?」

「ミノタウロスを捕まえる危険度を考えると妥当っすよ!」

「この処分代とはなんだ?」

「掴まった兵士達を口封じした分っす!かなりサービスしてるっすよ?」

「ちっ!」

アドルフが舌打ちをして小切手を切る。



「毎度っ!」

小切手を受け取って笑顔で言う。

「ゴブリンとオークを頼んだぞ?」

「大急ぎで探しますよ!渡し方はいつも通りで?」

「あぁ!エスガルドのスパイに連絡してくれ!」

「わっかりましたぁ!」

そう言ってマジックアイテムを起動する。

アドルフは見えなくなった俺を見て転移したとでも思ったのだろう。

俺がいた場所をしばらく眺めてから机に座る。


「レスター!」

アドルフが言うと天井が開き黒子が降りてくる。

「はっ!ここに。」

「先程のモルとモルが所属する組織ニュンパとやらの情報は?」

「さっぱりです・・・北の大陸の出身者ではと。」

「ふむ・・・あのミノタウロスもどこから持ってきたのかもわからぬし、その可能性が高いやもな。」

「あとリオルゲンでジャック、ブラン、グレイに付いていた子供はニコと言う少年と判明しました。学校に行くようで剣聖と共に王都へと立ちました。」

「そうか、引き続き調査を頼む!」

「かしこまりました!」

レスターが天井裏に飛び上がって消える。



レスターが消えてすぐに別の人物が扉を開く。

確かモートン財務大臣だったはずだ。

「アドルフ様お呼びでしょうか?」

「王がドラゴンを御所望だ。」

「・・・ドラゴンはどこにあるのでしょうか?」

一瞬考えて、困惑したモートン大臣がアドルフに尋ねる。



「買ってくるのだ。」

「その金はどこに?」

「無いのか?」

「はぁ・・・ありません!国民は度重なる増税で日々の生活にも困窮しております。」

アドルフは当然の様に言うが、モートン大臣は大きな溜息を吐いてアドルフに言う。


「ならばドラゴン山脈に兵を向かわせろ。」

「それは私の管轄では御座いません!」

「・・・わかった下がれ。」

モートン大臣が頭を下げて部屋から出て行く。

振り向きざまにポツリと「能無しめ」と聞こえた。



「(この国はマジで先はねぇな・・・)」

そう思ってモートン大臣と一緒に部屋を出る。

モートン大臣はブツブツとアドルフの悪口を言いながら肩で風を切って廊下を進む。

俺は途中で別れて城から出て王都を歩く。


来た時はなんとも思わなかったが、さっきの話を聞いたせいかエスガルドの王都に比べて道行く人々の顔に生気が無く、街に活気が無い気さえして来る。

冒険者ギルドに行ってアドルフから預かった小切手を受付に渡す。


「全部現金でお願いね。」

「はい!ではお預かりします!」

受付の女が小切手を持ってカウンターの奥へと消えるので俺は依頼ボードを見ながら待つ。

俺は魔物を捕らえることに特化した人間なので依頼ボードで目当ての魔物が依頼に出ていればすぐにその魔物を捕まえに行かなければならない。

なので討伐系の依頼には全て目を通す。



「モルさんお待たせしましたぁ!」

店員に呼ばれて行くとカウンターの上に巨大な皮袋が乗っている。

「どうも毎度!」

そう言って重たい皮袋を持上げてマジックバッグに入れる。


「あの・・・大変言い難いのですが・・・」

「ん?どうしたの?」

「ハイゼン王国名義の小切手はもう・・・」

「マジか・・・」

ハイゼン王国の小切手はもう換金できないらしい。


「(そこまでハイゼン王国はギリギリなのか・・・手の切り時は今か?)」

相談するべきリーダーとヴァネッサは学校に潜入したので、相談出来る相手はいないので判断は俺がするしかない。


「(とりあえず計画通りにハイゼン王国に手を貸すか・・・)」

今貰った金を使えば俺達だけでも国落としは出来るだろうが念には念を入れないと駄目だろう。

ハイゼン王国には金は無くても兵隊がある。



「わかった!次からは王国からは小切手じゃなくて直接貰うようにするよ!」

「お願いします・・・」

「大丈夫!今の話は俺の中だけにしとくから!」

そう言ってギルドを出る。


「さて・・・エスガルドに向かいますか・・・」

ヴァネッサから転移石を預かっているが、いつでも転移が出来る転移石は貴重なアイテムなので節約する事にする。

「(さて!道中の冒険者ギルドで雌のゴブリンとオークの情報を探さないとな・・・)」

一人で寂しく次の町へと走る。

面白いと思ったり続きが気になると思った方は評価や感想を頂けると嬉しいです。

もちろん誤字、脱字やお気づきになった矛盾点などの指摘もお待ちしています。


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