第二話 魔法を使います(主人公ではない)
「ルル?この子はどうやって育てるつもり?」
「フッフッフッ!もう決めてるぞ?歩き始めたら剣などの戦闘訓練!そして話し始めたら魔法訓練だ。この子は無属性だからどんな魔法も使えるぞ?楽しみだな?」
「(無属性?魔法を使える?)」
無属性とは属性が無いので属性魔法は使えません。
そんな事を考えていると勝手に体が動いてルルさんの肩を掴んでいました。
「シェリーどうした?料理か?始めてのスープは美味いぞ!ヌァッハッハッ!」
「それはよかったです。・・・じゃなくて!無属性なのに魔法が使えるのですか?」
「あぁ人間は精霊魔法を使うのだったな。精霊魔法は使えぬであろうな?」
「そうなんですか?」
「そもそも精霊魔法とは魔法陣を使って精霊を呼び出し、自分の属性魔力を精霊に差し出す代わりに精霊が周りの魔素を使って魔法を発動してもらう魔法だからな。」
難しいです・・・空気中の魔力が魔素というのは分かってますが難しいです。
「シェリー?つまり無属性の魔力はどの精霊も欲しがらないから精霊魔法は使えないのよ?」
「そうだ!それに対して我等は自分の魔力を使って魔法を発動しているのだ!」
「では・・・私は水属性ですが火魔法を使えたり出来るんですか?」
「水属性だと変換ロスが大量に出るが使えるぞ?使えるようになりたいか?」
「・・・是非!」
「では服を脱ぐのだ!」
「・・・そういう事ですね!優しくしてください!」
意を決してワンピースを脱ぎます。
イケメンのルルさんにパンツを脱ごうとして止められました。
「服だけでよい!」
「え?悪魔の契約として情事を行うのでは?」
「ヌァッハッハッ!俺と同じ魔法陣を刻むだけよ!この魔法陣が自分の魔力を属性変換してくれるのだ!」
「わかりました!お願いします!」
「(ここまで来て引き返せるか!)」
意を決してルルさんの前に座ると、ルルさんが空中に魔法陣を描いて行きます。
数分後空中の魔法陣が私の体に入って行って胸に魔法陣が刻まれていきます。
「終わったぞ?」
「どうやって魔法を発動するのでしょうか?」
手を前に出しても何も出ません。
「魔法陣に魔力を流してイメージをするのだ!イメージこそ肝心要なのだ!」
「どうやって魔力を流すのですか?」
「ぬぅ・・・人間はそこからか。晩飯の後に教える!まずは飯を食え!」
「はい!」
ルルさんに言われ野菜スープを食べます。
何の肉か結局わかりませんでしたが、今まで食べたどんなお肉よりも美味しくてお替りお願いするとハッピーさんがとても嬉しそうに笑って野菜スープを注いでくれます。
「明日は私は色々な材料を探してシェリーちゃんに毒がないか見極めてもらおうと思いますけどいいですか?」
「いいわよ?私はシェリーに服の構造を聞きたいわ。」
「クネ?魔族は実力主義。私が色々聞いてから。」
思わず野菜スープを吹き出しそうになりました。
クネさんよりも美少女のエドさんの方が強いそうです。
「ヌァッハッハッ!俺がニコの事を聞いてからだ!」
「ちっ。わかったわ。早く済ませてね?」
「ん・・・仕方が無い。」
やはりと言うべきかルルさんが一番強いようです。
野菜スープを食べ終えルルさんに魔法の使い方を教えて貰います。
「ではお願いします!」
「んむ!と言っても難しい事はない!魔力とは血だ。血の流れを感じるのだ!そしてその血を魔法陣へと流し込むのだ!」
「それだけですか?」
「それだけだ。故に奥が深いのだ!魔力操作は日々の鍛錬が重要であるぞ?」
「わかりました!」
「では寝るぞ!」
ルルさんの言葉にみんなが一斉に立ち上がって新築の家へと入ります。
家の中は木の匂いでいっぱいでとても気持ちがいいです。
「ほう?雨も風も凌げる上に中々快適ではないか。」
「巣を張って寝たいけど・・・明日自分の家を作るまで我慢しましょう。」
「ん、上出来。」
「あたしも巣を作りたいけど我慢ですね!」
一階のリビングで四人が思い思いに寝始めます。
私はルルさんに言われた鍛錬をしてから寝ます。
今日は色々あったのですぐに意識を夢の中に手放します。
翌朝ハッピーさんとカマドの前に立っています。
「えい!」
カマドに火を点けるイメージをして手を前に差し出すと手から火が出てカマドに火が着きました。
「おぉ!初魔法で火が付くなんて、しかも苦手属性で!才能あるよ!?」
「エヘヘェ。そうですかぁ?」
「うんうん!これは後々は後世に名を残す大魔法師になれるかもね?」
「そんな!ハッピーさん言いすぎですよぉ!」
「じゃあシェリーちゃんのためにも今日もドラゴン肉で料理しよぉ!」
「ド、ドラゴンなんですか!?それ!?」
「そうだよ?」
「そんな高級肉食べられるなんて・・・」
魔物の肉や血を食べれば魔力が上がります。
我々平民所か農家の人間は魔物の肉を食べた事もありません。
それなのに最上級の魔物であるドラゴンの肉を食べてたなんて驚きです。
「じゃあ朝飯はドラゴンの骨付き肉の魔石和えにしようねぇ?」
そう言ってハッピーさんが昨日エドさんが作ったフライパンでドラゴンの肉を豪快に焼いて上から魔石を砕いた物であろう粉をまぶして行きます。
「なんて贅沢な・・・」
「帰るまではその高級品を楽しんで帰ってねぇ?」
「はい!」
昨日とは比べ物にならないくらいに朝食が楽しみになりました。
楽しみな朝食が始まります。
「なぁシェリー?二コがある程度成長したら人間と共に過ごせるようにしたいのだがどうすればいい?」
「えっとですね・・・貴族達の行くところですが八歳になったら学校に行けば、友達も出来ていいと思います!」
「ほう?学校?」
食べていた骨付き肉を振りながらルルさんが顎に手を置きながら言います。
「学校とは常識や魔法など色々なことを学ぶ場所です!かなりのお金がかかりますが。」
「これで足りるか?」
ルルさんが大量の金貨が入った皮袋を差し出してきます。
「えっと・・・この絵柄の大金貨十枚あれば十分かと。」
「それは僥倖だ!」
皮袋の中には見慣れない金貨もありましたが、見覚えのある金貨を取って言うとルルさんが安心したように答えてくれました。
「して・・・家が建った!他に二コが育つのにいるものは何だ?」
「えっとですね、森の食べ物は危険なので畑を作りましょう!」
「ほう?畑とな?」
「作物を育てる場所です!」
「ならば朝飯を食べ終わったらすぐに取り掛かろう!何をすればいい?」
「土中の石を取り除いて作物が根を張りやすいように耕します!」
「ほう?ならばとりあえず石を取り除くぞ!」
朝食を食べ終わったルルさんがクネさんが木を切った場所に行って魔法で切り株や岩を粉砕しだしました。
「ん、次は私。」
「ではエドさんはこの道具を作って貰いたいです!金属は無理ですか?」
「ん、錬金術師のエドにお任せ。」
昨日寝る前にルルさんの魔法の明りの下で木の板に描いたクワやお玉の使い方を軽く説明するとエドさんは一つ頷いて家の中に入って行きました。
「じゃあ次は私ね!シェリー?服を出しなさい!」
そう言ってクネさんが私を裸にします。
「(イケメンのルルさんにして欲しかった・・・)」
そんなことを思っているとクネさんが服を返してくれました。
「大体分かったわ。ありがとう。」
「あ!二コちゃんのオムツもお願いしたいです!」
「任せなさい。」
そう言ってクネさんは森に戻って行き木を切り始めます。
「(あれ?私のする事がなくなりました。)」
クネさんが作ってくれたおんぶ紐で二コちゃんをおんぶしながらあたふたと右往左往しているとハッピーさんが飛んできました。
「お?シェリーちゃん暇そうだ!よかったぁ!」
そう言って目の前に色々な食材を地面に並べるハッピーさん。
「これ、これ・・・これも少しなら。」
毒じゃないものを選り分けますが毒じゃ無い物の方が珍しいです。
「んむぅぅぅぅ!毒の無い植物は動物や魔物が食べちゃうからね・・・」
「ならばルルさんの畑を急がないとですね。」
ハッピーさんと話しているとルルさんが作業していた方向から爆発音が聞こえました。
「じゃああたしは毒じゃないって言われたのを集めてくるね?」
そう言ってハッピーさんが飛んで、私は爆発音のした場所に駆け寄ります。
そこにはクレーターの中心に泥まみれのルルさんが立っていました。
面白いと思ったり続きが気になると思った方は評価や感想を頂けると嬉しいです。
もちろん誤字、脱字やお気づきになった矛盾点などの指摘もお待ちしています。




