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第一話魔王と一人の少女

初投稿です。

一話3000~4000文字程度でさっくり書いていこうと思います。


こんにちわ。

私はシェリー農家の娘です。

昨日誕生日を迎えて八歳になったのですが、八年間で最大の危機に陥っています。

「お主!会話は出来るのか?」

ブロンドのお兄さんが森の中から飛んで来て話しかけてきます。

黒い皮のパンツに黒い皮のジャンバー。

胸元には魔法陣が刻まれた超イケメンさんです。


「はい。」

「それはよかった!数日でいいのだ!俺に着いて来て色々と教えてもらいたいのだ。もちろんお礼はするしちゃんと安全に返すのだ!」

多分このイケメンさんは森に住んでいると言われる魔族の方です。


「え・・・あ・・・わかりました。」

おそらく断われば殺されます。

連れて行かれても殺されるでしょうが、イケメンなので付いて行こうと思います。

もしかしたら女として襲われてから殺されるかもしれません、イケメンに。

「それはよかった!親と話しておきたいのだがいるか?」

「はい!あの家の中に母様がいます!」

「そうかそうか・・・確か人間はドアを叩いて呼ぶのだったな・・・」

イケメンが顎に指を置いてブツブツいいながら家へと向かって行きます。

イケメンなので絵になりますね。



イケメンが家の扉を叩くと母様が出てきて、少し話をして金貨を渡しています。

遠めにですが、我が家が一年は暮らせる額はあったと思います。

そんな事を考えていると笑顔のイケメンがこちらへと歩いてきます。

母様は青い顔をして何度もイケメンに頭を下げています。


「よし!では行くぞ?」

「はい!」

イケメンに抱き抱えられるので、しっかりと抱きついて匂いをかぎます。

「クンカクンカ・・・」

はぁいい匂いです。




「ルル?人攫い?勇者や聖騎士が討伐に来たら面倒でしょ?」

イケメンの匂いを堪能していると突然女性の声が聞こえました。

イケメンに抱きついたまま振り返ると、とても色っぽいお姉さんが立っていました。

よくみると下半身が蜘蛛です。

確かアラクネと呼ばれる魔物です。

ですが話せるという事は魔族さんでしょう。

そして胸にはおっぱいを吸う赤ちゃんを抱いています・・・イケメンの子供だとすればテンション下がりますね。


「ヌァッハッハッ!ちゃんと親と話して許可を得ておるわ!」

「クネ様・・・逃げますか?住処変えちゃいますか?」

ルルと呼ばれるイケメンが答えると、背中から羽根が生えた魔族さんが話します。

ハーピィって言う魔物だったはずです。

この人もとても美人です。


「人間はな?これを使って物々交換するのよ!これを渡して数日教授を願いたいと言ったら喜んで了承してくれたわ!」

イケメンが先程の金貨を弄びながら笑顔で答えています。


「ん、ルル?口止めは?」

赤髪の私と同じくらいの歳の美少女が言います。


「ぬかりはない!それでこちらが人間の事を教えてくれる先生だ!」

イケメンに背中を押されて魔族さん達の中心に立たされました。


「シ、シェリー八歳です。宜しくお願いします!」

「改めて俺はルルだ!」

「ん、エド。」

「ハッピーだよ?宜しくね?」

「クネよ?服飾は私。料理はハッピー。道具製作や建築はエドに言って頂戴?」

「わ、わかりました!」

「ならば早速家を作ろうぞ!クネは木を切れ!ハッピーは飯だ!エドとシェリーは設計図だ!」

「「「了解。」」です!」

ルルさんの声で皆さんが一斉に動き出します。



私は二人に一生懸命家の構造を説明します。

「ん、わかった。床の下は空間はある?」

「えとえと・・・床下収納とかあったので空間はあります!」

「ん、なら基礎に土台をつけて・・・」

私のあやふやな説明でエドさんはテキパキと木の板に設計図を書いていきます。


「ん、建物の高さはここまで必要ないような?」

「あ!階段で二階に上がります!」

「階段?」

「えと・・・板で作った段差を上った所にも床があるんです。」

「ん、成程場所を節約するには上に延ばすのが効率的。」

エドさんがサラサラと設計図を描き終えルルさんに木の板を渡します。


「エド?このmとはなんだ?」

ルルさんが頭をかきながら問うと、エドはどこからともなく鉄の棒を取り出して等間隔に持っていたトンカチで傷を付けて行きます。

「ん、これが一メートル。でこの印が十センチメートル。」

エドさんはまさかの目測で一メートルを十分割してしまいました。

それがさも当然のようにルルさんは鉄の棒を持って、積み重ねられた丸太へと向かって行きます。



「というかもうあんなに切ったんですか?」

「ん、むしろ木を傷付けないように丁寧にしてるから遅いくらい。」

エドさんが言いますが、クネさんが手を振りながら一回転すると周りの木々が倒れて行きます。

よく見るとクネさんの手にはキラキラと日の光りに反射する糸が見えます。

アラクネの糸なのでしょうか?すごい切れ味です。


「あれで丁寧?・・・それよりも遅い?」

「ん、普段ならバラバラの薪作りだからもっと適当。」

「はえー・・・ルルさんもすごい・・・」

丸太を積み重ねるクネさんの隣では魔法を使ってるのでしょう、ルルさんが腕を振ると丸太が切断されて製材されていってます。


「シェリー?レンガってこんなのでいいの?」

エドさんに声をかけられ振り向くと、どうやって作ったのでしょう?長方形のレンガを手に持っています。

受け取って指でコンコンと叩いてみてもレンガです。

「問題ないかと。」

「ん、ならこれで行く。」

そう言ってエドさんが地面に手を置くと、地面から次々とレンガが飛び出してきます。


「魔法ですか?」

「ん、そう。でも錬金術も少し使ってる。」

魔族さんを初めて見ましたが驚きの連続です。



「このレンガを貰ってもいいですか?」

「ん、問題ない。好きなだけ持って行って。」

エドさんからレンガを頂いて積んでいきます。


「・・・上手く行かない・・・」

「何を作ってるの?」

「カマドです!ここに鍋とかを置いて、ここで火を燃やすんです!」

「ん、任せて。」

エドさんが手馴れた様子でカマドを組んで行きます。

なぜか一切崩れる事無くレンガがくっ付いて空中に浮いていきます。


「エドさん?なぜここは空洞なのにレンガは落ちないのですか?」

「レンガの中に鉄筋を通してる。」

そう言いながらレンガで出来た天井に指で丸を描くと、その形にレンガが切れて地面に落ちました。

「すごいですね・・・」

「ん、ここに入れる鍋も作っといた。」

そう言ってエドさんが皮袋から窯を取り出しカマドの穴に入れると、ぴったりとはまります。

いつの間に作っていたのでしょうか?

私の見ている限りでは設計図やレンガを作っていてそんな暇はなさそうでした。



「これで料理するんだねぇ?シェリーちゃん教えて!」

「わかりました!といっても野菜スープくらいしか作れませんが・・・」

「いいよ!私骨付き肉を焼く以外の料理わからないから!」

「じゃあ調味料と材料を見せて頂いても?」

「オッケー!」

ハッピーさんが葉っぱの上に色々な植物や肉を置いて行きます。



「・・・毒草に毒キノコに毒ばかりですね・・・」

「えー・・・二コちゃんのために覚えるんだし毒は駄目だね?」

「そう言えばその子供は誰の子ですか?」

「この子はね?今朝ルル様がゴブリン達に食べられそうな所を助けたんだよ?それで育てよー!ってなったんだけど人間を育てる環境なんてわかんないからシェリーちゃんを呼んだってわけさ!」

「私魔族って血も涙も無い恐い人達なのかと思ってました。」

「それは私達も一緒だよ!人間は私達を見ると攻撃してくるからねぇ・・・」

食べられる食材を選り分けながら話しをします。

思っていたよりも魔族さんはいい人達でした。



「出来ましっ・・・えぇー!!!」

夕暮れ時に肉大目の野菜スープが出来上がったので、皆を呼びに行くと家が完成していました。

「お?出来たか!晩飯にするぞ!」

「久々に動き回ったからお腹が減ったわね。」

「ん、魔力使いすぎた。」

立ち尽くす私を見えてないかのように三人がハッピーさんの所に行って野菜スープを大絶賛してくれています。

我に返って私もご飯を食べに向かうとルルさん達の話が聞こえました。

面白いと思ったり続きが気になると思った方は評価や感想を頂けると嬉しいです。

もちろん誤字、脱字やお気づきになった矛盾点などの指摘もお待ちしています。

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