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17話【さむさをしのぐためのもの】

くしゃみだ。

ヘルが、くしゃみをした。


「お嬢様っ! はしたないですよ!」


「すまないフルカ、メガリス……。

 やはり甲板は少しばかり、寒いな……」


……"寒い"?


――ああ、いけない。

ボクはこの体になって、暑さ寒さという束縛から幾許か解き放たれている事を失念していた。


外気は冷たい風となって吹き回り、前世であれば容易に風邪を引くような環境にある。

ヘルのくしゃみも致し方あるまい。


「はやく艦内に入りますよー!

 オーチヌス、[ハッチ開放(あーけーてー)]!」


フルカは比較的露出の少ない格好であるし、薄着のヘルよりは寒さに強い状態に思える。


そしてフルカが命令を出すと、クジラの噴気孔がある辺りに、

ちょっとした窪みと幾何学模様の円陣(まほうじん)が生じる。


これが艦内への入り口なのだろうか?


ヘルは体を震わせながら、もう一度くしゃみをする。


「くちっ! うう……ところで、メガリスはその格好で寒くはないのか?」


『はい、問題はありません。

 温度センサーにより現在の気温は認識できますが、

 それはボク(わたし)の行動を妨げるものではありません』


「……そうか、それならいいんだが……。

 ……いや、待て。これは、そういう意味じゃなくてだな……」


……? 何を言いたいのかが分からない。


少なくとも、この体はこの程度の寒さで異常をきたすような

軟弱(ヤワ)な形をしていないのだから。


「……その、服を着たほうが、いい(・・・・・・・ ・・)んじゃないか?」


『……?

 いえ、機体(ボディ)の耐寒性能上、問題は――』


「ダメですよ! メガリスさんッッ!」


『ど、どうしたのですか、フルカ……!?』


フルカは凄い剣幕だ。

怒りの感情。ぷんすかと煙を吐くような……[怒っている]という状態。


なぜ? 何か無作法があったのだろうか?

機体(からだ)は特に問題はないし、服だってちゃんと――あ。


「女の子がそんなに肌を晒した格好、はしたない事この上ありませんッ!

 メガリスさんは服を着るべきです! よく似合う可愛らしい服をッッ!!」


――待ってほしい。


それは……誤解だ――!

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