表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
102/314

98話【わからないこと】[side:ST]

――うう……。


何を話しているのか(・・・・・・・・・)さっぱり分からん(・・・・・・・・)


[(兄貴/姉貴)?(こいつら)]は一体、何の話(・・・)をしてんだい?


錆びた砂がどうとか、濁った水がどうとか――

――あとは、詛呪(のろい)がどうとか言ってたかねぇ。


ちょっとした詛呪祈祷(おまじない)ぐらいならやったこともあるけど、所詮は神官(・・)共の真似事だったしねぇ。


むしろ今、アタシが[変に椅子の多い部屋(こんなところ)]に居る必要なんてあるのかい?


――無いだろ?


……だからといって、特に行くところもないんだよ。

メガリスのヤツも、せめて案内ぐらいしてくれてもいいのにねぇ。


――ん?


[通信確認(ping)]...[通信確認(ping)]...[通信確認(ping)]......


えっと……アレだね、メガリス(アイツ)がよくやる。念話術(テレパス)みたいなヤツだ。


……そういえば。

なんでアタシ、無言遠距離会話(こんなこと)できるようになってんだろうね?


まあ、いいや。

それよりも、えーっと、確か――


...[応答確認(Re:)]


で、よかったんだっけか。

……それにしても、誰だ――?



[# ――女機人(むすめ)よ ]


「!?

 アンタは、さっきの――黒い鳥(トリ)!?」


[# バーバトゥルス(・・・・・・・)、である。

   女機人(むすめ)よ。汝に、助力(・・)を請いたい]


「ならアタシはセクターナ・ヒーベア。セタで構わねーよ。

 で――助力ぅ? なんだい、なんかあったのかい?」


[# ――些末なこと。

   されど、当機(われ)単独(ひとり)ではどうにもならぬ」


「なんでアタシに?

 メガリスや、アンタのご主人サマじゃあダメなのかい?」


[# 主が御手を煩わせるほどの事態(こと)ではない。

   もうひとりの女機人(メガリス)は[高速演算下(ビジー)]ゆえ、配慮した]


び、じー……?

よく分からないが……メガリス(アイツ)が今、忙しそう――ってことぐらいは分かる。


「あー……それでアタシ、ってことかい。

 いいよ、鳥野郎(バーバトゥルス)。手伝ってやる」


[# 恩に着る、のである。情厚き女機人(セタ)よ。

   然らば、我が着陸地点(ところ)まで参られよ]


「分かった。

 ――今から行く」


...[通信終了]


アタシの影生物(くろいの)はまだ、鳥野郎(アイツ)の所でのたうってる筈だ。

なんとなく(・・・・・)だが場所はわかる――そこに向かえばいいか。


少し周りの目を気にしてみたが、議論(おなはし)に集中して誰も見ていない様だった。


「――なら、いいか」


特に何を憚ることなく(そのまま)、この椅子だらけの部屋(へや)を出る。

……まあ、誰にも気づかれてない――よね?


さて、とりあえず。

向きは――あっちだね。


……通路沿いに、進めるかねぇ……?


まあ、なんとかなるさ。

いざとなりゃ、影生物(こいつら)もいるしね。



「――セタさんっ!」


背後から、声!

何だったっけ。確か、この声は――


「……えっと……

 フ()カ、さん?」


こんな感じだった、ような――?


「フ()カですっ!

 それよりもセタさん、どこへ行くつもりなんですか?」


「あー……落っこちてきた鳥(バーバトゥルス)の所だよ。

 なんでも、頼みたいことがあるとかなんとかで」


「フェンベルトス様の渡空艇(フネ)、ですか?

 何でしょう、自己修復機構(・・・・・・)不具合(トラブル)でもあったんでしょうかね?」


「アタシは知らんし、さっぱり分からん。

 (アイツ)は{些細なこと}とかなんとか言ってたけど」


「んー、そうなんですか……心配ですね。

 ――あ、そうだ。じゃあ私も一緒に行ってもいいですか?

 (オーチヌス)自己修復(メンテナンス)のお手伝いなんかはいつもやってますし、

 なにか力になれるかもしれません」


「そうなのかい? なら、その方が良いかもしれないねぇ。

 お願いするよ。とにかくアタシにはさっぱり分からんのさ」


「じゃあ行きましょうか、セタさん。

 連絡は(オーチヌス)にお願いしておきますので」


「うん? ――うん。

 ああ。あと、それと――」


「なんですか、セタさん?」


「……道を教えてくれ。

 どこが、どうなって、どうなるのかが分からん」


「ああっ! すいません、案内もせずに。

 あとで色々教えてあげますね!」


「頼んだ。よろしくお願いするよ」


「はい!」


まあ、なんだかんだ言っても。

そのぐらいの時間(・・)は、あるだろうしね。


――よっぽどの事(・・・・・・)が無ければ、さ。


少し、そんな事を考えながら。

ふわふわ栗毛の女(フルカ)の後を追って。


アタシは、鳥野郎(あのトリ)の所へと向かっていった――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ