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今日も世界は楽しいわね!



 おはよう皆さん良い朝、う、ぷっちょっと失礼!              


                オロロロロッ

               




 はあ、はあ、おはよう皆さん良い朝ね!私は魔女のエスメレルダよ!少し気分も体調も優れないけど、落ち込んでちゃ何もできないわ!勢いだけでもいいから元気だして生きるのよ!私の長所はプラス思考と行動力!


「まったく、流石に飲みすぎだって。僕が道案内しないと家に戻れなかっただろ」

「うっ、迷惑かけたわ。 、、でもあんた、合図出すまで勝手にどっか行ってたわよね?使い魔のくせに傷心の主人を置いて逃げてたわよね?」

「めんどかったから逃げてご飯探してた。昨日はご主人の方が悪いんだから少しくらい良いだろ?」

「 まぁそうね。けど、私がいない時によそで食べ物食べちゃ駄目って言ったわよね」

「もう、束縛激しいよ?猫の額(ひたい)みたいな心じゃん」

「健康の心配してんのよ言うこと聞かないなら育毛剤あげないわよ」

「すみませんでしたもうしません!!」


 少し、いえかなりヤバイ感じにハメ外しただけに何も言えないわ。思い出したら恥ずかしくなってきた。あんなに酔って荒れたのいつぶりかしら。まあ迷惑かけたのはアングラ店主とクズ男とジジだけだしセーフよね。とっとと忘れましょう。

 クズ男がどうなったか?さあ?店に置いてきたし店主と用心棒たちにお任せよ。死ぬような薬は盛ってないから、あとは自分でなんとかすることね。


「でも暴れて発散したおかげで少しは気が晴れたわ。っよし、いつまでも未練がましく持ってないで、今日は要らなくなった惚れ薬を売りに行きましょうか」


 作るのが難しいだけに中々良い値段で売れるのよね。それで区切りをつけて、なにかおいしいものでも食べましょう。うん、決まりね。ジジも頑張ってくれたのは事実だし、なにかご褒美でもあげましょうか。



「そうと決まれば善は急げ。いざ魔法具へ!」




_________




 そんなわけでやって来たわ、路地裏!


 中心街から外れ、住宅街の複雑な迷路を抜けた先にある小道。古びたドアをくぐってやって来た薄暗い袋小路が今回のキーポイントよ。このじめっとした感じ、なんだか落ち着くわあ。


「ねえ、ここただの町の路地裏だけど、ほんとに合ってる?」

「そういえば、ここに連れてきたことはなかったっけ。魔法を扱う場所への入り口は、こうして教会にばれないよう町のいろんな所にも隠されてるのよ。魔女や魔法使いはこうやって、普通の人間は、たまに魔法を扱う者が夢枕に立ったりして案内してるの。都市伝説とかにあるでしょう?門をくぐると不思議な国へ行けるって話とか。時折勝手に迷い込んじゃう人もいるけどね」



__ドアは通った。光は、元から遮られてるしこのままでもやれそうね。次はこのあたりを霧で満たす。 杖を取り出して2、3振ると、どこからともなくじんわりと、白い世界が侵食してくる。


 濃く、深く、日の出前の山中のように。水の中のような閉塞感を肌に受けるまで。次第に音に敏感になり、建物の陰すらわからなくなる。遠くに闇が垣間見え白昼夢のように感じる頃、異界への道は開かれる。


「あれ?こんなとこに水たまりなんかあったっけ」


 開いたわね。私からは見えないけどジジの近くに開いた。その声を頼りに進むと、まるで井戸のような丸い水たまり。水面には何も映っていない穴のような水たまり。


「できたわね。いくわよジジ」

「え、行くってどこにさ」

「もちろん、この水たまりを通って、下に落ちるのよ」









__________




 しばしの落下で下腹がフワっとするのを味わいながら、目を開けた先に広がるのは商店街。上は真っ黒、地上の夜とも違って月や星も出ていない。それぞれの店の明かりと街灯だけがこの場所での道しるべ。まあ光くらい自分でなんとかできけどね。

 相変わらず怪しい店がわんさかあるわね。それに異界だけあって、歩いているのは魔女や魔法使いばかり。たまに人型以外の存在も堂々と道の真ん中を闊歩してるわね。ヤギ頭とか。だから通りの喧騒も上とは違ってなんだか楽しくなってきちゃった。

 あら、新しい杖専門店ができてる。あっちは護符かしら。あらっ精霊や悪魔を取引してるの!?


「売る前に少しお店を回ってみましょうか♪」

「えぇ、絶対長くなるじゃん、、」

「あれっ先輩じゃないっすか!お久しぶりっす!婚活うまくいってるっすか?ジジもおひさ!頭どしたの?」

「レティカじゃない。久しぶりね!」

「おひさ~。ご主人にやられた」


 あら、こんなとこで会うなんて奇遇ね。手紙のやり取りはあるけど直接会うのは学園以来かしら。ただ、タイミングが、ちょっと、、レティカにはカール君の事も言ってるから今はすごく気まずいわ、、。


「その、彼とはうまくいかなかったわ。かくかくしかじか・・・」

「はー、そりゃ残念っしたねぇ。ただまあ、普通の人と魔女じゃ難しいとこもあるっすから、その女がいなくても厳しかったんじゃないっすか?」

「え、僕の話終わり?」


「それは、そうかもしれないけど、、」

「先輩も魔法使いの男を捕まえたらいいんすよ。薬学や呪術に精通してて経験も豊富、学院でも成績トップだった先輩の実力なら引く手あまたっすよ?」

「あいつら高慢ちきで馬が合わないのよねぇ」

「良い男を見極めるのも乙女のたしなみっすよ~」

「けっ薄情魔女どもめ」


 あら?なんだか、始めは気まずかったけど段々心が軽くなってる気がするわ。だれかに話を聞いてもらうってすごくうれしいことね!持つべきものは優しい後輩だわあ。


「そういえば、あなたは何の用でここに来たの?」

「ああ、あたし今学院の教師として、道具とかを同僚と見繕いに来たんす。それで、、」

「レティカー、ほかの店もワイバーンの素材売り切れてたんだけ、エ、エス!?」

「あらコンラート。久しぶりね!」


 コンラートとはホント久しぶりね。私が活動拠点を地上に移した時から会ってないから、何年振り?いややっぱり数えなくていいわ!年が、ごほんっ。同学年で私にも気安く接してくれて、昔はよくつるんでたなあ。なにかと慕ってくれてたから弟分として可愛かったのよね。今は先生をして自信がついたのかしら、なよっとした感じが減ってちょっと頼りがいありそうな男になったじゃない。まあ相変わらずひょろいけど、眼鏡って印象変わるわねぇ。


「なんだ、エスも来てたのか。そのなんだ、また会えてうれしいよ」

「私もよ。元気でやってるの?もう調合失敗してネズミのしっぽ生やしたりしてない?」

「いつまで弟扱いしてるんだよ。もう完璧にできるさ」

「ほんとうかしら?また慰めてあげるから正直に言いなさい?」

「ッ!?からかうなよっ、もう子供じゃないんだぞ」

「あらあら、まだかわいいわね」



(んん?、、、、、ははーんっす。なるほどなるほど。コンラート先輩がエス先輩をねぇ。 なら!)



「ねえ先輩、実はワイバーンの素材が欲しいんすけど売り切れちゃってるみたいなんすよねえ。お礼はするので、素材とってきてくれません?私は戻ってやることがあるので、コンラート先輩と二人で!」

「えちょっ」

「あら、それくらいならお安い御用よ。特に予定があるでもないしね。、、、ははっなんにもなくなったし、丁度いいわ」

「おいレティカ、ちょっとこっちに!」






(ほらコンラート先輩、エス先輩と仲を深める好機っすよ!好きなんでしょう?ここでかっこいいとこみせてアピールするんす!うかうかしてたら誰かに先越されるっすよ!?)

(なぜそれを!? ~~~~~っ!!

 だ、だがここ何十年も会ってない男にアプローチされたら困惑しないか?)

(なに普通の人間みたいな事言ってんすか!あたしら百年単位で生きてるんすよ!?それくらい誤差っす!ガツンといくっすよ!仕事は私が引き受けますから!)

(お、おう!恩に着る!)

(ちなみに、エス先輩のどんなとこに惹かれたんすか?)

(、、いつだって明るく前向きで引っ張ってくれるとこや、一緒にいると大変だがその分楽しいとことか、、おい聞いといてなに口角上げてんだよ!?)

(すみません不可抗力っす♪)






  どうしたのかしら、突然私から離れて二人で内緒話して。学園に関することでなにかあったのかしらね。あ、戻ってきた。あら?レティカはニコニコなのにコンラート、何そんなに緊張してるのよ。鍛錬サボってたの?


(そんなだから番つくれないんだよご主人、、)


「そ、それじゃエス、よろしく頼む!」

「任されたわ。腕が落ちてないか見てあげる」

「ファイトっすよー!」




_________




 そんなわけでやってきたわ、ワイバーンの巣!途中何かなかったか?いたってスムーズにきたけどそれがどうしたの?強いて言えばコンラートがよく話しかけてくれたくらいかしら。ふふっ久しぶりに一緒に狩りするからってかわいいわね。

 とまあ、ここはグリフォンのいる霊峰近くの山岳地帯。今回も箒(ほうき)で飛んで来たけど、ワイバーンも人里離れたへんぴな場所にしかいないから移動だけでもかなりかかるのよね。

 ワイバーンは2本の足と大きな翼を持つドラゴンみたいな奴ね。火を吐いたりはしないけど単純な大きさと尻尾の毒には要注意。グリフォンより少し強いけど、群れも作らないし油断しなければまず負けないわ。リラックスしていきましょう。


「コンラート、いるのはどの部位なの?」

「ああ、鱗と牙、それと毒だな。一匹分あれば十分だ」


 ん?なにちょっと落ち込んでるの?私なにかしたかしら。まあいっか。なんだか感情がコロコロ変わるようになったわねコンラート。


「分かったわ。なら討伐にて剥ぎ取りましょうか。私は罠を張るけどあなたはどうする?」

「俺は大丈夫だ」

「ならジジ、ちょっと偵察してきてちょうだい。ワイバーンがどこにいるかと他に何かいないかの確認よろしくね」

「いいけど、ご褒美はないの?今回は前より危険だと思うんだけどな~」


 この子ったら、魔法具屋で自動猫じゃらしを買ってあげたのに味を占めたわね。なんて図太い、それに上目遣いなんかしちゃって、あざといわよ!かわいいけど!


「はいはい、あとで魚買ってあげるから」

「えぇ~それだけ~?」

「、、 鶏肉はどう?」

「もっとこう、凄いのが欲しいなあ~」

「、、、、、、猫用惚れ薬作ったげるかr」

「行ってくるっ!!」


「、、、、、」



__________




 というわけで、確認と罠の設置ともろもろの準備が終わったわ!ジジがワイバーンをすぐ発見したし、高い木の生えた良い地形も見つけてくれたからすぐ始められるわね。まったく、ちゃんとしてれば優秀なのに。いつもこれくらいして欲しいわね。

 それにしてもワイバーンは一匹だけだからやりやすいわあ。せっかくだしコンラートに私のかっこいいとこでもみせてあげようかしらね!


「それじゃ、あいつを呼ぶわよ!」

「おう!」

「僕向こうで周辺見張ってるね~!」


 ジジは戦闘は不得意だから離れて見張りをお願いしてるわ。コンラートは杖を構えてやる気十分って感じね。さ、グリフォンの時とやることは同じ。まずは香水でおびき寄せる!


 おおっ、やっぱり大きいわね。上飛ばれると太陽が隠されて地面も暗くなるわ。羽音がぶおさって感じだし近づかれるだけで前髪大暴れよ。


「中々迫力あるな」

「そう?これくらいぜんぜn」


「グアァァァァァァァァァァァァア!!!!」


「__まあ、相手にとって不足なしよ」

「今ちょっとびびったろ」

「びびってないわよ!」

「ははっ珍しいな! っ来る!」


 っもう!しょっぱなから恥ずかしいじゃない!急に叫ばれると心臓に悪いわ!このっ!


「グルヮァァァ!?」


 ワイバーンが突っ込んできたけど、それに合わせてコンラートが落下の魔法を使ったわね。杖が指し示すまま大地に向けて降下速度が急上昇。気付いた時にはもう遅い、羽をバタバタさせた程度じゃ勢いを殺しきれず派手に墜落したのは丁度私が準備した場所!私が仕込んでおいた種を成長させれば頭ぶつけた上に拘束されてる、動けないサンドバックの出来上がりよ!うふふふふっざまあみろだわ!


「さあ、蔓に絡まってる今がチャンス!コンラート!」

「任せろっ!」


 コンラートが杖を掲げると杖の先がぼんやりと光る。そのまま杖を幾度も振ると、光が空(くう)に刻まれていって魔法陣が出来上がったわ。すると束の間、雷光が大きな槍の形に収束して、目にも止まらぬ速さでワイバーンを貫いたわ。


「グルァァァァア!?」


 ドオォォォンッと凄まじい轟音を鳴らし、数瞬、筆記体のようなジグザグの光線で結ばれた杖とワイバーン。やるじゃないコンラート!前より精度も威力も上がってるわ!陣も早く描けるようになったじゃない。でも足りなかったみたいね、停止せず苦し気に身をよじらせてる。あ、怒った。あら蔓(つる)も引きちぎるなんて、まだまだ元気じゃない。


「グ、ルウワァァァァァァ!!!」

「あら私?」

「危ない!」


 心配無用よ、箒に乗る私は風の如し!さっと箒に跨がって避ければヤツはもう追い付けないわ!体格差もあって小回りは圧倒的に私のほうが効く!

 木々を壁にしてひらりひらりと躱しながら取り出すのは紫色の小瓶。ワイバーンの鼻先にぶつけて割ったらすぐ箒で上空に避難っと。

 下を見ればまた地面に降りて、頭に纏わりつく小瓶から広がった紫煙の中で首を振るワイバーン。ふふっ最初と立場逆転したわね。


「今の、鼻詰まりにさせるいたずら魔法グッズだろ。人に使ったらもういたずらじゃすまない濃度になってるが、、」

「正解よ。ちょっといじってみたら、これが結構役立つのよね」


 箒で隣にやってきたコンラートに答えながら、次に用意するのは私のお気に入りのコレクションの一つ。ああ、いい鈍色(にびいろ)だわあ。この錆びた刃がたまんないっ!匂いも、握るだけで通り魔したくなるような快楽殺人者の波動を感じるのも素晴らしい!


「それは?」

「処刑人の直剣。呪具よ。もたらすのは“恐ろしい切れ味”と“傷が塞がらなくなる”。気をつけないと精神やられて、一生人切りとして悲惨な運命を辿るわ。一体何人をどう殺してればこんなに呪われるんでしょうね。こんなに呪詛を込めるなんて、持ち主はどれだけ狂った人間だったのかしら♪」

「いやエスも大概怖えよ!?」


 大丈夫大丈夫、ちゃんと対策してるし呪具で大きな失敗したことないのは知ってるでしょう?ほらそろそろ見つかるわよっ。 


「でも相変わらずだな。別に趣味を否定はしないが、心配になるから少しは控えてくれ。心臓に悪い」

「っ優しいわね。さ、あなたはとどめの一撃の準備をしてて」


 あ、あら、急に真顔で突っ込まないでよ。あんな真剣な眼差しで注意されたのは久しぶりだわ。もうっコンラートのくせに、少しドキっとしたじゃない。

 それよりとっとと終わらせないとね。 先に下に降りて注意引いてるから頼んだわよっ。


「グルァ!?グガッ」


 発動させたのは姿を隠す魔法。戦闘中に複雑な陣を書くのは面倒だから、事前にローブに刺繍してきてあるわ。あとは魔力を流して発動させるだけのお手軽さ!その分少し糸がほつれるだけでも術が解けちゃうし、動き回るとローブから出る手足とかは丸見えなんだけど、私の箒テクニックの前には些細なこと!通常時でも私を捉えきれなかった時点で、更にダメ押しで姿を隠した私に勝てる道理などなぁいっ!


 剣術なんてさっぱりだけど、目でも鼻でも私を追えない獣なんてカカシも同然よ!回りを飛び回ってなで斬りするだけで良いから力もいらない!うふふふふっ!ほらほら当ててみなさいな!


「あら?そういえばこの剣、料理にもってこいじゃない。調理工程が一つ短縮できて便利ねぇ。なら首か心臓を狙ってみましょうか。生きたまま血抜きするなんて初めてだし、ちょっとワイバーンのお肉の味が気になってきたわ!」


「おーいエスゥ!その剣で何度も切った獲物って呪いにまみれてる気がするんだが!?食ったら呪われないか!?」


「えっ。ああ大丈夫よ!?適度なストレスがお肉を美味しくする的な!?」

「適度!?」

「ほら、お酒に漬けると柔らかくなるし呪い漬けもきっと美味しくなるはず!」

「カチカチかどろどろの2択じゃねぇかなぁ!?」


 もうっいいからコンラートは魔法に集中しなさい!途中で私も薄々、いろんな意味でマズいかもなーって察してたわよ!でもやってみないと分からないじゃない。うん、食べるかは置いといてひとまず後で調べてみましょう!


「グ、グアァァァァァア!」


 そうこうしてたら私じゃなく空のコンラートに狙いを変えたか。良い判断だけど、させないわよ。度重なる攻撃であんたの破片がいっぱい落ちてるもの。これを使えばどうとでもできるわ。


 さあ最後に取り出すのは木彫りのワイバーン。うんうん、さすが私、似てるじゃない。これに鱗を重ね合わせて、あんたの血がたっぷりついた剣で諸共刺せば_っ!?

  石!?強風で吹き飛んで!?んん死にゃしないけど不覚ぅ!


「障へきっ」

「大地よ盾に!」


 防御の魔法っ!私より早く展開するなんて、やるじゃないありがとう!そしてあんたは早くおとなしくなりなさい!


「ギエアァァァァア!?」


 痛いでしょ、この呪いは!

  対象を真似た型と対象の一部を使って呪いをかける、世界各地に存在する割と有名な呪術よ。藁だったり蝋人形だったり種類も多く、それだけ効果が期待できるやり方なの。もっかい落ちてきなさいな!


「グ、ガァ、、」

「コンラート!」

「雷(いかづち)よ!」


 空では準備を終えたコンラートが、さっきの倍以上の雷槍を構えてるわ。また落ちて痙攣してるワイバーンに杖を振り下ろすと放たれる轟音と閃光。白い光が辺りを照らし、しばらくするとそこには動かなくなったワイバーンが倒れていたわ。






「ふうっやったわねコンラート!防御魔法助かったわ!」

「ああ、俺がしなくても大丈夫だったろうが油断は大敵だぞ? だがさすがに強いなエスは。結局、あんまり良いとこ見せれずじまいだよ。はあ」

「あら、あなたの良いところは十分見れたわよ。頑張ったのね。成長したじゃない」

「、、 おう」


 本当に、立派になったわねえ。もう戦闘終了だと思って油断してた石を的確にはじくなんて、周りをよく見てるわ。魔法の腕もそうだし、精神的にも成長したじゃない。私のあとをついて回っていたのが嘘みたい。 逆に私は張り切りすぎて失敗続きだったから反省しないと。


「最後の石、よく対処できたわね」

「ああ、ずっと見てたからな。万が一にもエスが傷つくのは嫌だったから。無事でよかった」


 んんっなによさっきから!私今色々あって恋愛脳になってるからあんまりドキドキさせるようなことしないでくれるかしら!自分でいうのもなんだけどちょろいのよ私!

 それにしても、こんなストレートに言う子だったかしら。天然ではあったけど。耳赤くしながらも強がって、もう私は認めてるっていうのにね。


「ここで会えたのも何かの縁だ。また一緒に狩りに行かないか?」

「ま、まあ、行ってあげてもいいわよ」



 少し気恥ずかしいけれど、悪い気はしないわ。泣いたり笑ったり戦ったりと怒涛の数日間だったけど、これはいい兆しになりそうね。やっぱり前向きに生きるのが一番!これからどうなるのか、それは分からないけど一つだけ確かなことはある。

 __これから楽しくなりそう!





「それじゃあ早速次の獲物を決めましょう!思い切ってドラゴン?良い素材になるしコカトリスなんかもいいわね!」

「ちょ、もう次行くのか!?」

「せっかく狩るなら一人じゃ大変なのを手伝ってもらうから覚悟しなさいっ!でもどうせなら人に迷惑かけてるヤツを狩れば人助けになって一石二鳥よね。

 よしそうしましょう!あわよくばそこで新たな出会いがあるかも!忙しくなってきたわねコンラート!」


「はは、前途多難、だな、、

いや、次こそ俺がリードせねば!」



「お疲れ~。ねぇねぇご主人っ!猫用惚れ薬はいつ頃、、」

「ジジ、薬に頼るのはダメだと思わない?」

「っ!?」




読んでいただきありがとうございました!

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