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襲撃4
「これは一体、どういうことなんです」
二人の護衛は木の陰から恐る恐るといった表情で顔を出した。
「もう安全ですよ」
「そ、そうかもしれませんが……」
「姫様が?」
護衛たちはルーナを怖がっていた。
「驚かせてごめんなさい。私は護身術を身に付けているので……」
「護身術……」
息絶える賊を見ながら護衛の一人が繰り返した。
「一つ、提案があります」
「は、はい!」
「賊はあなたたちが撃退したことにしてください。私から伝えて追加の報酬を差し上げます」
「え、そんな。俺たちは姫様を置いて逃げちまったんですよ、報酬どころか重い刑を言い渡されてもおかしくないんです」
「そんなことはありません。すぐに私を庇ってくれたでしょう。……まあ、そこは置いておいて。護身のためとはいえ、人を殺めてしまったことを殿下に知られたくないのです。あなたたちであれば、賊を討ち取ったことになるでしょう?」
「ま、まあ、そうですね」
「おい、ありがたくいただいておこうぜ」
「いや、でも、俺ら何も……」
問答を繰り返す護衛二人を見つめていたルーナは大きく息を吐く。
「すみません。言葉が足りなかったですね。私は別に、あなたたちがここで亡くなったとしても問題はないんですが」
護衛は顔を見合わせて姿勢を正した。
「ありがたくいただきます!」




