襲撃2
ルーナは木の陰に隠れ、そのまま上へ登る。心配になるほどに軽い体は、あっという間に木の上に移動する。
ルーナの後を追うように賊が一人、走ってきた。
「消えやがった、くそ」
男は減速し、苛立った声を上げる。
「まさか木登りしたわけじゃねえよな」
男が木を見上げた瞬間、ルーナは上から飛び掛かり、落下の勢いで賊の首をへし折った。そして死体からナイフを回収する。
こいつらは本物だ。ただの強盗ではない。全員が訓練された身のこなしだった。高い金で雇われている。
ルーナはナイフを構えながら移動する。
一人目は素手だったので面倒だったが、武器さえ手に入ればもう何も問題はない。訓練はされているが先ほどの奇襲を躱せない相手は、自分の敵ではない。
ルーナの前方に賊の一人が見える。近くに逃げた護衛の姿はない。逃げ切れるとは思えない。早く助けなければ。
ルーナは走る際に音は立てていなかったが、賊はルーナの姿を捉えていた。
「運が悪かったな。恨むなよ」
走るルーナに賊が真顔で呟く。
ルーナは速度を落とさずに男に接近する。ナイフを横に構えると、男の心臓に突き刺した。肋骨をすり抜けたナイフは深く胸に突き立てられている。
「??」
何が起きたのか理解できない賊は胸に刺さったナイフを見ながら固まっている。
「運が悪かったな。恨むなよ」
ルーナは倒れ込む男に向かって吐き捨てると、膝をついた男の手からナイフを奪い、走り出す。




