表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/29

天使の加護

 城へ戻ったルーナは、シサヤの部屋に向かい、彼女の部屋で報せを待った。ルーナが戻り少しすると、兵舎が騒がしくなり、「何かがあった」ということがわかった。

 シサヤは黙ってルーナを抱きしめ、「きっと大丈夫です」と強く言った。


 朝方、ようやく報せを聞いたルーナは、改めて血相を変え、すぐに孤児院に向かった。

 院長のもとへ向かうと、院長は何事もなかったように出迎えた。

 院長の部屋に入ると、彼女は照れ笑いを見せる。

「お騒がせしました」

「無事で良かった」

「そうですね。子供たちを悲しませずに済みました」

「一体何が?」

 ルーナの問いに院長は頭を掻く。

「男たちが施設を壊すとやってきまして、話し合いのために彼らの指定する小屋へ入ったんです。彼らの主張は筋が通っていませんでしたので、誰かに雇われたのだとすぐにわかりました」

「そんな危険な場所へ一人で行くなんて」

「そうですね。ただ、子供たちから彼らを話せるのなら良いと思いました。彼らの一人が私に襲いかかろうとした瞬間、あの狼が部屋に現れ、その人の首をこう、咥えて捩じ切ってしまったのです」

 院長は両の手を使って状況を説明する。

「恥ずかしながら、目の前で人体が壊れるのを見て失神してしまったんです。あとは気が付いたら助かっていました」

「立派な護衛がいるみたいで安心した」

「少し前に傷だらけで倒れていたんです。私はただ、少しの手当をしただけですよ」

 院長は笑う。

「国の兵士さんが、しばらくは院の周りを巡回してくださるそうです」

「安心ね」

「はい。なので私は、あの者たちが誰で、誰の命令でやってきたのかを調べるつもりはありません」

 院長は笑顔のまま語気を強めた。ルーナがこの後話そうとしていたことを察知したようだった。

「まだ何も言ってない」

「ええ。だからです。何か言う前にお伝えしたくて」

「そう。・・・・・・きっと、もう大丈夫。すぐに何も起こらなくなる」

「そうだといいですね」

 院長はわざとらしく頷いた。その様子を見たルーナはふっと笑うとわざとらしく頭を下げた。

「ご安心を。あなたには天使のご加護がありますから」

「・・・・・・ありがとうございます。ルーナ様も」

「?」

「まるで天使に守られているようですね。お気を付けて」

 院長の言葉に、ルーナは冷たく笑うと部屋を出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ