芸術の秋!
夏休みが終わり、九月。
秋季大会は十一月なので、のんびりと練習していた。
まだ二年生の先輩は来ておらず、琴美先輩と練習している。
二年生は修学旅行の話し合いがあるとのことだ。
「寿奈さん、秋と言えば何ですか!?」
琴美先輩が、唐突に質問する。
えーっと、と少し考えてから私は答えた。
「うーん、あまり思いつかないですねえ。
芸術、とか?」
「そう、芸術です。芸術の秋なのですッ!」
琴美先輩が芸術か~・・・・・・。
確か琴美先輩はお寺に住んでいると聞いている。それ故か礼儀正しい性格をしている。
そんな彼女にとっての芸術・・・・・・、少々興味がある。
「そこで寿奈さん。今から一枚紙を渡します。
外で何か一枚、絵を描いてきて下さいッ!」
◇◇◇
絵を描くのは、あまり自信は無かったが、紅葉の木を描くことにした。
鉛筆で下書きをした後、絵具で色をつける。
乾くまで待ってから、葉が落ちる風景を見て楽しみ。
絵を琴美先輩の所まで持っていく。
「描けましたよ!」
「良い絵ですね。 私の絵もご覧になって下さい!」
徐に絵を受け取り、じっくりと見る。
私が描いた木と同じだが、細かさが違う。
まるでプロ絵師が描いたような仕上がりだ。
「す、すごいですッ!」
「ありがとうございます。実は私、昔から絵を描くのが好きなんです。
将来の夢も、絵師か、プロアイドルか決めかねているんです」
これは多分絵師になった方が良いかも知れないけどね。
「寿奈さんは、どうでしょう?
将来何をしたいか、決めているんですか?」
まだ将来の夢なんてものはないし、大人になってやりたいことは沢山あるけれど、でも・・・・・・。
「そうですねえ、プロサッカー選手かプロアイドルですかね!」
「なるほど・・・・・・。寿奈さんなら、出来ますよ。
頑張って下さい!」
「はいッ!」
そうこうしている内に、二年生の先輩達が入室した。
まだ夏だけど、秋のネタでごめんね!