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今日からアイドルを始めたい!  作者: 心夜@カクヨムに移行
ファイナルライブ編 杉谷寿奈よ、永遠なれ!
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久しぶりの部室

灰原北子は、あの後大人しく逮捕された。

 後に訊いた話ではあるが、残念な事に死刑はほぼ免れないという話だそうだ。

 彼女の罪は、もう取返しの付かないレベルにまでなっていた。

 それが、理由だった。

 感謝祭は、私がブラジルに行く日の前日、三月三十一日まで延期となった。

 今日の日付が三月二十九日。

 とても完璧に練習する時間はなかった。

「この部室も、久しぶりだ・・・・・・」

 まだ一人しかいない部室で、そんなことを呟く。

 長い間イギリスの地下で監禁され、昨日までは東京にいた。

 だからなのだろう。

 部室が物凄く久しぶりに感じた。

 それは、自分の家でも同じで。

 母は声を上げて泣いていた。

 少し申し訳ない気持ちにもなった。

 父が死んでから、母にとって私は唯一父との間に遺ったものらしい。

 勿論父に色々なものを買ってもらったかも知れないが、それは父が死んだ時に処分したらしい。

 それでも、子供だけは捨てられなかった。

 だから、私が幼い頃は私を見る度に父を思い出して泣いていた。

 私は父の死に対して冷静だった。

 というより、死に対して少し冷静過ぎるのかも知れない。

 泣いた所で、死んだ人間が生き返るわけでもなければ、墓参りをすれば死んだ人に会えるわけでもない。

 だから、服部先輩の墓参りにだって――。

 

『――諦めちゃダメよ』

 

 だけど、私はあの時聞いた。

 先輩の声を。

 そして見た。

 先輩の姿を。

「・・・・・・」

 私は心の中で、決意した。


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