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2「愛」

この作品はフィクションです。現実の団体等とは一切関係ありません。また、他作品様を批判する意図もございません。


さー、と、視界が開けて、明るくなる。

……体感5万年ぶりの白以外の世界に驚く。


だが、息はすぐに整い、彼らを探し始める。

数分、帰ったとて先へ進んだとてそんなに行ってないはずだ。


なんとなくだが、彼らのいる方向がわかった。

多くのスキルも、同じように答えてくれる。


どうやって登場しようか、なんて幼子のように思案し、普通の徒歩、という結論に至った。


あまり、驚かれたくはない。


一歩一歩を噛み締めながら歩いて5分46秒、彼らが見えた。


「なあ、戻ったぞ。ビリティ、あなたの言う通り、強くなって戻ったぞ。」


ビリティは一瞬肩をビクリとさせたが、振り向かない。

魔力も威圧感も抑えているのに、どうしたのだろうか。


「お、おう。まじか。どうだった?」


「1日1経験値、レベルが9999になるまで、出られない部屋、だった。」


なにか、ごまかす理由はない。ビリティさんの性格なら、「嘘だ!」と言ってきそうな気もする。ほんとは全てわかるスキルもあるが、いろいろ良くない気がするので封印だ。


「まじか、え、何年くらい。」


「5万年ほどだ。……大丈夫か?ビリティさんも、エールさんも、ヒメさんもすごく震えているぞ。」


何か、力をうっかり漏らしていないか、確認する。大丈夫そうだ。

なのに、ビリティさんはエールさんとヒメさんをかばうように2人の背中に手を回す。


「ハハッ、お、お前さ、うち、戻るか?うん。オレ言ったしな。」


「エ!?」


「っ、バカ。」


ああ、この問いを、待っていた。


「――ああ、戻ろう。だから、すまない。こっちを向いてくれないか。」


ゆっくり酷くゆっくり彼は振り返る。

怯えと驚きしか、ない顔をしていた。


「ま、じ?え、あ、復讐、とか。え。結構、理不尽だったし」


「なぜ許した相手に復讐をしなくてはならない。それに、こちらも説明不足、説明を受け入れてもらうためのコミュニケーション不足だった。だから、戻る。これからも、よろしく頼む。」


「お、おう」


「すまない。魔力が抑えれられていなかったか?すごく、驚いているようだが……。」


「いやなんかすごい、なんか、怖くて。言葉で言えない怖さがあって。」


「はは、まあ5万年経験したんだ。ちょっと性格が変わったかもしれない。」


元の自分を演じられるよう、あとでいろいろ頑張ろうと思った。


そのまま俺たちは、地上に出た。

暗闇だと言うのにモンスターはスライム一杯も出てこず、成長の証明になにか魔法を使おうとしたのに、とがっかりした。


「エ、エー?」


「エールさん、大丈夫だ。俺に悪意や敵意はない。これから証明しよう。」


「ビリィ、やばいかも、どうしよう。」

「……すまねぇ。」


ビリティさんとヒメさんが小声で話す内容も、なんとか聞き取らないようにしたい。


「なあ!」


「なんだ。ビリティさん。」


彼は口をどう開くか悩ませ、話し始める。


「アクトってさ、オレらのこと、具体的に、どう思ってんの?ソレ分からないと、ほんとに、怖い。」


俺は、どう答えたら良いものか、答えは決まっているものの少し恥ずかしい。


「俺は」


と、その瞬間、{強いやつが突然現れたので偵察のためやって来た人間界で言うAランクの魔物}が、やって来た。

そう、【神の証明たる全知】で分かったのだ。


ビリティさんが魔物を認識し、恐怖をそちらに感じる――前に、


「邪魔をしないでくれ」


指で触れて消した。


そして、こんどこそ問に答えた。


「愛している。スキルですべてを知った、からこそ。愛している。」


と、より震えがひどくなる彼らに答えた。

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