Case 1-1 仕方ない人
春休みの宮島は、とにかく人が多いんだなって思った。
対岸のフェリー乗り場から、既に辺りは異様な熱気だらけ。
その熱気をいっぺんに積み込んだフェリーが次々と海を渡っていく様子を、私は列で待ってお母さんと三人で見ていた。
「なんか、揺れてない?」
なんでまだフェリーに乗っていないのにゆらゆら揺れるんだろうって思ってお母さんに聞いたら、
「うーん、分かんない!――ねえねえ、何でか分かる?」
潮の満ち引きっていうのが関係あるんだって、教えてくれた。
それでいよいよ私達の順番が来て、フェリーに乗ったらもう大変。
人、人、人。
みんなぎゅうぎゅうになりながら、カメラやスマートフォンを構えて向こうにある小さな鳥居を撮影してる。
手を振っている人もいる。
人の隙間から見えたけど、向こうの方には宮島から帰るフェリーがいて、豆粒みたいな人がその中で揺れているのが見えた。
「あっ、咲!ほら、向こう!手振ってるよ!」
お母さんは楽しそうに手を振り返していた。
「ほんとだ!よく分かんないけど振っちゃえ!」
「振っちゃえーっ!――ねー、一緒に振ってよ!もう!」
私もとりあえずパタパタと手を振ったけど、向こうには見えてないんだろうなあ。
そして海を渡った先。
そこはなんだか違う世界みたいだった。
紙やスマホのマップを手に、観光に来た人達は思い思いの方向に進んでいく。
「咲、すごい!鹿だよ、鹿!――ほら、すごくない!?」
お母さんのテンションは最高潮だ。
私もしっかりとテンションが上がりきっていた。
「なんでこんな所に鹿が寝転んでるの?」
「んー、分かんない!暇なんじゃない?」
「すご!もみじ饅頭屋さんだらけ!」
「味とか違うんかな?後で買って食べ比べよっか!」
「ねえ……商店街なのに、全然お土産見られないんだけど……」
「人多すぎ……咲、はぐれないようにね――あ、ちょっと待ってよー!」
島全体が普段の生活とは違う熱を帯びて、どこか浮ついている。
私はその『観光地』の雰囲気がとっても好き。
熱にあてられた人達は、次第にうねりになっていく。
うねりとなった人達が集まって、流れへと変わっていく。
みんなそれには気付かない。
『自分はこの流れを乗りこなしている』
そう思っているから。
もちろん私もそうだった。
その結果――
「……しっかり、はぐれちゃったな……」
商店街を抜けた先にある石で出来た鳥居の前。
私――汐見咲は手に持った揚げもみじをかじりながら、一人そう呟く事となった。
「気付いたらいなくなってるんだもんな……うま……」
どう考えても、あんなに美味しそうな匂いを放つ店が悪い。
あの甘い油の匂いの誘惑に、子どもの私が耐えられるはずがないんだから。
「……ま、いっか」
私は揚げもみじをもう一口かじる。
温まったあんこの甘さが身体中に広がっていって、私のザラザラした気持ちを少しぼかしてくれた。
問題ない。
今回も『いつも通り』そのうち合流出来るだろう。
別にこうなるのは、今回が初めてじゃないし。
お母さんは私と同じで、だいぶおっちょこちょいだ。
出かけた先でこうしてはぐれてしまう事は、よくある。
今回みたいな――『おじさん』と一緒に出かけている時は、特に。
「さて、行きますか!――あっ」
残った揚げもみじをパクパクっと平らげ、島の奥に足を向けた所で私はふと立ち止まった。
石で作ってあるけど、立派な鳥居。
それを見て、おじさんがお母さんに言っていた事がぼんやりと浮かんできた。
「こういう鳥居はお辞儀するんかな……?」
鳥居をくぐる時はお辞儀をしてから、とか言っていた気がしたからだ。
「うーん……」
今はその答えを返してくれる相手は、いない。
あの時真面目に聞いてりゃよかったな、なんて考えながら私は辺りを見回す。
頭を下げて通る人はどちらかと言うと少ないように見えた。
「しゃーなし。罰当たりだったらごめんね」
だから私は、周りにバレない程度に軽くペコッと頭を下げて素早く鳥居をくぐり抜けた。
「……美味しかったなぁ、揚げもみじ」
ほんの少し歩いた先には、赤い鳥居があった。
フェリーからは豆粒くらいに見えていたから、まさかこんなに大きいとは思いもしなかった。
「もう一本……はこの先を考えると微妙かも……」
財布を開くと小銭がジャラジャラと音を立てる。
数えると、大体千円ちょっとくらい。
パタンと財布を閉じて、私はもう一度鳥居の方を見た。
「写真、撮ったかな」
撮っただろうな。
誰かと写真撮るの、大好きだもん。
そんな事を考えながらカメラを構える。
大きな鳥居と、その下にいる豆粒みたいな人達。
数枚程サッと連写して、私はその場を立ち去った。
お母さんの事を表すなら『仕方ない人』って感じ。
家事も出来る。
勉強もそれなりに教えてくれる。
なによりよく笑って、よく話をしてくれる。
でも、おじさんといる時のお母さんはもっとよく笑う。
しかも、とってもいい顔で。
私は、おじさんといるときのお母さんの笑顔が好きだ。
三人でいると、たまにその顔のまま私の方を向くことがあるけど――流石にあれは反則だと思う。
今日もたくさんその顔に出会えた。
広島に来るまでの道中とか。
フェリーの中とか。
鹿と戯れている時とか。
お母さんは子どものようになって笑っていた。
きっとそれだけ夢中なんだと思う。
私はそういう事はまだないけど、分からなくはない。
だから『仕方ない人』だけど、私はそれでもお母さんの事が大好きだ。
「うげ……」
なんの行列だろうとは思っていた。
鳥居を抜けてすぐあったトイレかと思ったが違った。
「神社の入場待ちって……何それ、やば……」
列の先端まで辿り着いて、私はようやくその正体を掴んだ。
つまりこれはあれだ。
神社に入りたいなら、さっきの鳥居の所の最後尾に並ばないといけないということだろう。
「お願い事……は別に無いしなぁ」
チラッと回廊を見ると、これでもかと押し込められた人がモゾモゾと動きながら向こうの方へ流れている。
その様子を見てゲンナリした私は、そのまま神社をスルーして先に進んだ。
それから私は、とにかく島の奥へ進むように歩いていった。
甘栗のいい匂いにつられて振り返った先に五重塔みたいなのが見えた。
いくつもの屋台を繋げたみたいな大きなテントで、焼きそばや串焼きが売られている。
小さな川に小さな橋がかかっていて、川縁の石畳に鹿が寝そべっている。
それらを通り越えた後、私は一つの看板の前で立ち止まった。
「……まだ早いよなぁ」
目の前にある看板には『水族館』の文字。
どうやら私は、水族館に向かう道へと進んでいたようだ。
水族館は好き。
私が住んでいる家の近くにも水族館があるから、お母さんとたまに車で橋を渡って一緒に行く。
「……そういえば、あれも島の水族館かあ」
私はふとそう呟いた。
「……なーんて」
それに返してくれる人は、誰もいなかった。
「……これは、だいしょーいんって読むのかな?」
看板の下の方に『大聖院』と書いてある。
後ろにある山の方を見たが、特にそれらしいものは見当たらなかった。
「山の方かぁ……まあいっか」
多分すぐ近くにあるんだろう。
私はそう思いながら脇道の方へと入っていった。
そして、ちょっと後悔した。
「階段……マジかぁ……」
緩やかだが確実に先の方へと続いている石の階段を見て、私は再びゲンナリした。
「聞いてないんですけど……ん?」
山登りがあるなら出来れば行きたくはない。
私は来た道を帰ろうと振り向いた。
そこには、道の真ん中で私を見る一頭の鹿がいた。
近付くでもなく離れるでもなく、じっとこちらを見ている。
「どうしたの?君も暇なの?」
私が声を掛けて近付こうとすると、鹿はフイッと顔を逸らして街の方に歩いていった。
ちょっとだけモヤっとした私は、
「……勝手なやつ」
そう呟いて、石段を上がり始めた。
『彌山本坊大聖院』
「読めん!」
全ての石段を登り切ったところ。
門にかけられた札の前で、私は腕を組んでそう言った。
上まで来たけど、よく考えたら特にする事はなかった。
お母さん達はいない。
ここにいないんだろうと思ってきたから当たり前だけど。
あんまり疲れる事はしたくない人だから、多分ここには来ない。
「まあ私もそうなんだけど、ねえ」
だから私は、ここで少し休憩することにした。
流石にちょっと疲れた私は通路脇にあるベンチに座り込んだ。
私は疲れた足をパタパタと動かす。
「お母さん、今頃どの辺りかな」
誰に言うでもなく呟いた。
そのつもりだった。
「――へい、そこの少女!」
隣から、明るい声がした。
振り向くと、声の主は観光地によくある顔はめパネルにしっかりと顔をはめていた。
「迷子じゃろ?どしたん?」
ふわふわとした雰囲気のショートカットの女の人。
年は分からないけど、多分高校生くらい。
「あー、いや……迷子では、ないかな」
私は濁しながらも否定する。
迷子ではない。
少なくとも、私はそう思っているから。
「でも、お母さんがどこにおるかわからんのでしょ?」
「まあそうだけど……」
私の声を聞いたお姉さんは、へらっとした笑顔をする。
そして――
「良かった!私も迷子なんだ、イェイ!」
あまりにも情けない言葉。
その言葉と共に、お姉さんはパネルの横からヌッとピースを出した。
春休みの宮島は、とにかく人が多いんだなって思った。
対岸のフェリー乗り場から、既に辺りは異様な熱気だらけ。
その熱気をいっぺんに積み込んだフェリーが次々と海を渡っていく様子を、私は列で待ってお母さんと三人で見ていた。
「なんか、揺れてない?」
なんでまだフェリーに乗っていないのにゆらゆら揺れるんだろうって思ってお母さんに聞いたら、
「うーん、分かんない!――ねえねえ、何でか分かる?」
潮の満ち引きっていうのが関係あるんだって、教えてくれた。
それでいよいよ私達の順番が来て、フェリーに乗ったらもう大変。
人、人、人。
みんなぎゅうぎゅうになりながら、カメラやスマートフォンを構えて向こうにある小さな鳥居を撮影してる。
手を振っている人もいる。
人の隙間から見えたけど、向こうの方には宮島から帰るフェリーがいて、豆粒みたいな人がその中で揺れているのが見えた。
「あっ、咲!ほら、向こう!手振ってるよ!」
お母さんは楽しそうに手を振り返していた。
「ほんとだ!よく分かんないけど振っちゃえ!」
「振っちゃえーっ!――ねー、一緒に振ってよ!もう!」
私もとりあえずパタパタと手を振ったけど、向こうには見えてないんだろうなあ。
そして海を渡った先。
そこはなんだか違う世界みたいだった。
紙やスマートフォンのマップを手に、観光に来た人達は思い思いの方向に進んでいく。
「咲、すごい!鹿だよ、鹿!――ほら、すごくない!?」
お母さんのテンションは最高潮だ。
私もしっかりとテンションが上がりきっていた。
「なんでこんな所に鹿が寝転んでるの?」
「んー、分かんない!暇なんじゃない?」
「すご!もみじ饅頭屋さんだらけ!」
「味とか違うんかな?後で買って食べ比べよっか!」
「ねえ……商店街なのに、全然お土産見られないんだけど……」
「人多すぎ……咲、はぐれないようにね――あ、ちょっと待ってよー!」
島全体が普段の生活とは違う熱を帯びて、どこか浮ついている。
私はその『観光地』の雰囲気がとっても好き。
熱にあてられた人達は、次第にうねりになっていく。
うねりとなった人達が集まって、流れへと変わっていく。
みんなそれには気付かない。
『自分はこの流れを乗りこなしている』
そう思っているから。
もちろん私もそうだった。
その結果――
「……しっかり、はぐれちゃったな……」
商店街を抜けた先にある石で出来た鳥居の前。
私――汐見咲は手に持った揚げもみじをかじりながら、一人そう呟く事となった。
「気付いたらいなくなってるんだもんな……うま……」
どう考えても、あんなに美味しそうな匂いを放つ店が悪い。
あの甘い油の匂いの誘惑に、子どもの私が耐えられるはずがないんだから。
「……ま、いっか」
私は揚げもみじをもう一口かじる。
温まったあんこの甘さが身体中に広がっていって、私のザラザラした気持ちを少しぼかしてくれた。
問題ない。
今回も『いつも通り』そのうち合流出来るだろう。
別にこうなるのは、今回が初めてじゃないし。
お母さんは私と同じで、だいぶおっちょこちょいだ。
出かけた先でこうしてはぐれてしまう事は、よくある。
今回みたいな――『おじさん』と一緒に出かけている時は、特に。
「さて、行きますか!――あっ」
残った揚げもみじをパクパクっと平らげ、島の奥に足を向けた所で私はふと立ち止まった。
石で作ってあるけど、立派な鳥居。
それを見て、おじさんがお母さんに言っていた事がぼんやりと浮かんできた。
「こういう鳥居はお辞儀するんかな……?」
鳥居をくぐる時はお辞儀をしてから、とか言っていた気がしたからだ。
「うーん……」
今はその答えを返してくれる相手は、いない。
あの時真面目に聞いてりゃよかったな、なんて考えながら私は辺りを見回す。
頭を下げて通る人はどちらかと言うと少ないように見えた。
「しゃーなし。罰当たりだったらごめんね」
だから私は、周りにバレない程度に軽くペコッと頭を下げて素早く鳥居をくぐり抜けた。
「……美味しかったなぁ、揚げもみじ」
ほんの少し歩いた先には、赤い鳥居があった。
フェリーからは豆粒くらいに見えていたから、まさかこんなに大きいとは思いもしなかった。
「もう一本……はこの先を考えると微妙かも……」
財布を開くと小銭がジャラジャラと音を立てる。
数えると、大体千円ちょっとくらい。
パタンと財布を閉じて、私はもう一度鳥居の方を見た。
「写真、撮ったかな」
撮っただろうな。
誰かと写真撮るの、大好きだもん。
そんな事を考えながらカメラを構える。
大きな鳥居と、その下にいる豆粒みたいな人達。
数枚程サッと連写して、私はその場を立ち去った。
お母さんの事を表すなら『仕方ない人』って感じ。
家事も出来る。
勉強もそれなりに教えてくれる。
なによりよく笑って、よく話をしてくれる。
でも、おじさんといる時のお母さんはもっとよく笑う。
しかも、とってもいい顔で。
私は、おじさんといるときのお母さんの笑顔が好きだ。
三人でいると、たまにその顔のまま私の方を向くことがあるけど――流石にあれは反則だと思う。
今日もたくさんその顔に出会えた。
広島に来るまでの道中とか。
フェリーの中とか。
鹿と戯れている時とか。
お母さんは子どものようになって笑っていた。
きっとそれだけ夢中なんだと思う。
私はそういう事はまだないけど、分からなくはない。
だから『仕方ない人』だけど、私はそれでもお母さんの事が大好きだ。
「うげ……」
なんの行列だろうとは思っていた。
鳥居を抜けてすぐあったトイレかと思ったが違った。
「神社の入場待ちって……何それ、やば……」
列の先端まで辿り着いて、私はようやくその正体を掴んだ。
つまりこれはあれだ。
神社に入りたいなら、さっきの鳥居の所の最後尾に並ばないといけないということだろう。
「お願い事……は別に無いしなぁ」
チラッと回廊を見ると、これでもかと押し込められた人がモゾモゾと動きながら向こうの方へ流れている。
その様子を見てゲンナリした私は、そのまま神社をスルーして先に進んだ。
それから私は、とにかく島の奥へ進むように歩いていった。
甘栗のいい匂いにつられて振り返った先に五重塔みたいなのが見えた。
いくつもの屋台を繋げたみたいな大きなテントで、焼きそばや串焼きが売られている。
小さな川に小さな橋がかかっていて、川縁の石畳に鹿が寝そべっている。
それらを通り越えた後、私は一つの看板の前で立ち止まった。
「……まだ早いよなぁ」
目の前にある看板には『水族館』の文字。
どうやら私は、水族館に向かう道へと進んでいたようだ。
水族館は好き。
私が住んでいる家の近くにも水族館があるから、お母さんとたまに車で橋を渡って一緒に行く。
「……そういえば、あれも島の水族館かあ」
私はふとそう呟いた。
「……なーんて」
それに返してくれる人は、誰もいなかった。
「……これは、だいしょーいんって読むのかな?」
看板の下の方に『大聖院』と書いてある。
後ろにある山の方を見たが、特にそれらしいものは見当たらなかった。
「山の方かぁ……まあいっか」
多分すぐ近くにあるんだろう。
私はそう思いながら脇道の方へと入っていった。
そして、ちょっと後悔した。
「階段……マジかぁ……」
緩やかだが確実に先の方へと続いている石の階段を見て、私は再びゲンナリした。
「聞いてないんですけど……ん?」
山登りがあるなら出来れば行きたくはない。
私は来た道を帰ろうと振り向いた。
そこには、道の真ん中で私を見る一頭の鹿がいた。
近付くでもなく離れるでもなく、じっとこちらを見ている。
「どうしたの?君も暇なの?」
私が声を掛けて近付こうとすると、鹿はフイッと顔を逸らして街の方に歩いていった。
ちょっとだけモヤっとした私は、
「……勝手なやつ」
そう呟いて、石段を上がり始めた。
『彌山本坊大聖院』
「読めん!」
全ての石段を登り切ったところ。
門にかけられた札の前で、私は腕を組んでそう言った。
上まで来たけど、よく考えたら特にする事はなかった。
お母さん達はいない。
ここにいないんだろうと思ってきたから当たり前だけど。
あんまり疲れる事はしたくない人だから、多分ここには来ない。
「まあ私もそうなんだけど、ねえ」
だから私は、ここで少し休憩することにした。
流石にちょっと疲れた私は通路脇にあるベンチに座り込んだ。
私は疲れた足をパタパタと動かす。
「お母さん、今頃どの辺りかな」
誰に言うでもなく呟いた。
そのつもりだった。
「――へい、そこの少女!」
隣から、明るい声がした。
振り向くと、声の主は観光地によくある顔はめパネルにしっかりと顔をはめていた。
「迷子じゃろ?どしたん?」
ふわふわとした雰囲気のショートカットの女の人。
年は分からないけど、多分高校生くらい。
「あー、いや……迷子では、ないかな」
私は濁しながらも否定する。
迷子ではない。
少なくとも、私はそう思っているから。
「でも、お母さんがどこにおるかわからんのでしょ?」
「まあそうだけど……」
私の声を聞いたお姉さんは、へらっとした笑顔をする。
そして――
「良かった!私も迷子なんだ、イェイ!」
あまりにも情けない言葉。
その言葉と共に、お姉さんはパネルの横からヌッとピースを出した。




