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第80話【ミスリルゴーレム】



 鎌を両手に持ち、厄介なミスリルゴーレムの相手は俺と九条、イザベルの3人で対応し、ミスリルリザードはバレッタ達とヘレナ騎士団パーティーに討伐するように指示をだす。本城には全体の支援をする高城の護りに専念して欲しい旨を話すと頷き、それぞれが対峙する相手の元に移動を開始しはじめる。

 

 ミスリルゴーレムはマリアスの迷宮のダンジョンボスよりも小柄で、重装歩兵の騎士ような姿をしていた。片手には巨大な槍、もう片手には巨大な盾を装備している。このレベルが普通のミスリルゴーレムなのだろうか。魔脈がある場所にゴーレムの心臓と呼ばれる魔核(コア)ができ、そこに魔力が流れ込むことでゴーレムは動いている。

 

 自然に産まれてたゴーレムは、ただ侵入して来た外敵を排除するだけで武具の類いを造ることはないと、ロートンさんから教えられた覚えがある。そうなってくるとこのミスリルゴーレムは誰かに造られ、『何かを守護する』為に人為的に造られたゴーレムなのだろうか。

 

「イザベル!梨沙!推測で話して悪いが、仮にこのミスリルゴーレムが『誰か』に造られたとして、コイツらが護っている物って何だと思う?」

 

「可能性が一番高いのは上級悪魔(グレーターデーモン)がおる場所の守護者やろ?」

 

「同感だ。おそらく召喚術師の類いから造られたゴーレムだろう。長い年月が経ち、ミスリルゴーレムに変異したのものだろう。動きが普通のゴーレムよりも手練れだ」

 

 イザベルのいう通り、基本、ゴーレムは力と耐久力はあるが巨体ゆえに機敏性がないのが特徴の魔物だ。

 だが、このミスリルゴーレムは大盾と槍の巧みに扱い素早く攻撃をしてくれるタイプだ。

 

身体のミスリル鉱石は物理攻撃や魔法も余り効果はないと知識的に知っている為、俺、九条、イザベルの高レベルパーティーでも苦戦すると思っていた。

 

 だが、イザベルが大太刀を真上から振り下ろすと、ミスリルゴーレムはそのまま斬り倒されてしまった。

 

 イザベルもどれ程の耐久力があるのか軽く試しただけのつもりだったので、まさか一撃で簡単に倒してしまうとは予想だにしていなかったという表情を見せた。

 

  長い年月が経ちすぎ、体内に流れる魔力の流れが弱まっていた可能性もあるし、再生持ちで相手に合わせて状態変化する可能性もあると九条も一応は警戒していたが、イザベルが斬り倒したミスリルゴーレムの体内から綺麗に切断された魔核(コア)が出て来たのを見るとその心配はない。

 

 バレッタパーティーとヘレナの騎士団達もミスリルリザードを難なく倒して集まってきた。取りあえずは倒したミスリルリザード2匹とミスリルゴーレムの破片をトレジャーボックスに回収する。

 

 本城と高城も降りて来ると同時にグランド達が戻ってきた。やはり、ミスリルゴーレムが護っていたのは上級悪魔(グレーターデーモン)がいる場所で間違いなかったようだ。

 

「ミスリル系やから強くて経験値はうまいと思ってたんやけどなぁ…。ん?けど、レベルアップはしとるな?何でや?」

 

「…あ!思い出した!私のチアリーダーの支援魔法ってスキルにも影響でるようになったって、クジャさんがいってた!」

 

「そう言えば、最近強敵ばかりで急激にレベルアップしたから感覚がおかしくなってて気づかなかったのか…」

 

「ウチらがちゃんと桃華からクジャさんの能力聞くの忘れてたのが悪いわ…」


 実際、俺を含めた別世界から来た本城、高城、九条はブレスレットや武器に精霊を宿してその力を扱う事ができるようになった。これが異世界から来た俺達だからできるのかは、今のところはわかってはない。

 

 できることならば、イザベル達にもそういった類いの力があれば、今後このような事態が起きたとしても今よりも心強い戦力なるだろう。

 

 グランド達が定位置の首回りに浮かび周ると上級悪魔(グレーターデーモン)は既にこちらの存在に気づいているという。

 

  リビング・アーマー達に壁を攻撃させて脱出を試していたようだが、ここから先は上級悪魔(グレーターデーモン)とは別な強力な魔力によって護られているようで、派手に暴れても生き埋めになることはないと報告をしてくれる。

 

上級悪魔(グレーターデーモン)は眷属召喚型なら魔法使い型だろうが、近接戦も得意な筈だ。全員お互いに警戒するようにな?」

 

「作戦はどうする?リビング・アーマーの数は侮れない」

 

「そこはメタルリザードの戦法を使って穴に落として魔法攻撃で仕留めるか、梨沙の聖魔法にどれだけ耐えられるかによってくるだろうな…」

 

「取りあえずは予定通りにアタシとイザベル、丈、梨沙で上級悪魔(グレーターデーモン)を抑えてバレッタらに桃華の守備を任せて他はヘレナパーティーで倒す。でいいか?」

 

 本城が当初の作戦を口に出して最終確認をして全員が頷き合い覚悟を決め、禍々しい魔力を放つ洞窟へと警戒心強めて進んでいった。

 


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