第45話【タウキング】
憶測でしかなかった予想は見事に的中した。2メートルほどの体格にハイエナのような顔をしたコボルトキングは大斧を片手に突撃してきたが、本城が簡単に受け止めて弾き飛ばしてしまった。
後ろの壁に激突すると、俺と九条の追撃を受けてなんなく倒すことができた。コボルトキングの中から出てきたのは拳サイズの魔石であった。
「魔石ってアニメとかでよく聞くけどよ?この世界だと何に使われるんだよ?」
「確か魔道具に魔力込めるのに使われるとかいう話やけどな。まぁ、金にはなるやろ?」
「私、全然出番ないけど大丈夫なの?チアリーダーにもなってないし…」
「最悪の場合、タウ倒してタウキングたと桃華頼りになるから魔力温存な? 支援魔法で強化しても勝てるかどうかわからん…」
コボルトキングの魔石をトレジャーボックスに仕舞い、階段を下ると予想通りオークであった。
木で造られた棍棒を片手に雄叫びをあげてこちらに突撃してくる。
俺と九条でオークを倒して本城は高城の護りに専念させる。暫くは様子をみる必要がある。
オークのアイテムドロップは肉の塊だ。いや、確かに食えるが肉がアイテムドロップって良いのかと思いながら回収をする。
16階層~19階層まではオークが10匹と結構な数が出現した。そして、20階層にたどり着くと推測がまたも的中してしまった。階段を降りた先には巨大な扉があり中にはオークキングがいた。
本城が挑発してオークキングの攻撃を受け止めている隙に俺と九条で攻撃を仕掛けて止めを刺すとオークキングはその場に倒れて宝箱を落とした。
慎重に開けると中には財宝が詰まっていた。本城達は後ろでハイタッチをして喜んでいた。この先に行くのが正直言って不安である。
ここまで推測でいったことが全て当たっている。なら次はタウが出現して30階層のボスはタウキングで間違いないだろう。
だが、タウキングを仮に倒せたとしてダンジョンが終わるのか、まだ先があるのかわからない。
いや、そもそも何階層あるかわからないのに挑んでいるのだ。そんな事よりもタウキングをどう倒すか考えるのが先だ。
少なくともタウキングはマリアスの迷宮のゴーレムとは違い動く巨人だ。巨大な石斧に当たり吹っ飛ばされれば即死してしまうだろう。
深く深呼吸して次の階段を降りると一本道のど真ん中にタウの姿が見えた。予想は見事に的中してしまった。
「良いか!タウは突進攻撃をしてくるから直線には入るなよ?本城も無理にガードしなくて良い。避けられるなら避けろ!」
「いや、ワタシにも大盾使いとしての意地があるから受け止めてやるぜ!桃華!チアになって応援頼むな?」
「わかった!綾香ちゃん達ファイトーッ!!!」
本城はタウの攻撃を受け止めるつもりだ。少なくとも敏捷性がない本城に避けろというのは無理な話であり、大盾使いとして様々な魔物の攻撃から仲間を護ってきた矜持もあるのだろう。
そして、俺らにはわからない女神の加護に関する試練を本城は受けている。少なくとも顔をみればどうなのか分かるようになってきた仲だ。2人もそれに気が付いている。
階段を降りると牛頭の巨人の魔物タウが姿を現した。手に持っている斧の刃は切り裂くよりも叩き付ける槌のような造りをしてた。
◇◆◇
「はぁ…はぁ…さ、流石は上級冒険者キラーっていうだけあってタフだったな…」
「さ、流石に25階層から五匹は反則やで…」
「うん。けど、何とかたどり着いたね。30階層に」
「この扉の感じだとこれで最後なんじゃないか?」
本城のいう通り、廃教会ダンジョンとマリアスの迷宮でみたことのある豪華な装飾がされた巨大な扉が目の前にある。
そして、本能的に身体が逃げろと危険を感じている。
間違えなく今まで戦ったダンジョンボスの中で最強だろう。息を整えてポーションを飲み、在庫を全員に配る。
深く息を吐き出して息を整え、顔を挙げると全員覚悟が決まったようで扉を押して中に入った。
先ほどまで倒していたタウよりも一際目立つ巨体に巨大な大石斧だったが、斧刃が他のタウとは違い形が歪ではなくしっかりと整った形をしている。
俺達に気付くと「ブモォォォッ!」と雄叫びをあげて斧を振り回しながら突進してくる。
「綾香!!無理に大盾で防ごうとするなよ!?」
「大丈夫だ!!桃華の支援魔法もあ…ッ!!」
「綾香ちゃん!?」
「チッ!!梨沙!綾香の回復を頼む!桃華は火魔法の魔法少女で攻撃頼む。オラッ!!こっちだデカブツ!!ウィンド・ボルテッカー!!」
武器成長で覚えたウインド・カッターよりも威力の高いウインド・ボルテッカーを放つとタウキングは本城から意識がそれた。
暫くはタウキングと戦って時間稼ぎをしなければならない。その場で軽く跳び跳ねてタウキングとのタイマン勝負に持ち込んだ。
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