表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/135

第33話【現実世界と異世界を天秤に】



 元の世界に帰れる可能性が低い。そうガイセイから言われてクラスメイト達は騒ぎ始めた。マルシェ女王は魔王を討伐したら元の世界に帰してくれるといっていたからだ。

 

 個人的にはその辺はあまり興味はない。戻ったら3人のうち1人を嫁に選らばきゃならないし個人的に今の生活には満足している所もある。

 

 すると、バネッサはマルシェ女王は嘘は着いていないが期限の問題であると説明を加えた。ガイセイもバネッサも俺たち同様に日本から来た異世界人だった事は覚えているが、こちらの世界に長く居すぎたせいで前の世界での名前を覚えていないというのだ。

 

 バネッサはマルシェ女王が元の世界に戻れる魔法は契約の誓いといい約束に準ずるものであり、それを使えば元の世界に戻ることは出来るが魔王討伐する期間が長ければ長いほど成功率は低いというのだ。

 

 最低でもこちらの世界で3年以内に倒せないならば諦めた方が良いというのだ。当然納得できないクラスメイト達もいたが、個人的に何となくは理解する事が出来た。

 

 すると、それに気がついた九条が服を掴んできた。


「何かわかってんやろ?話してくれへんか?何で3年なんかわからんと皆納得できへんで?」

 

「あくまでも仮説の話だが、元の世界での俺達の現状を考えたら割と現実的で酷なんじゃないか?」

 

「元の世界の現状ってどういう事だよ?」

 

「向こうの世界では俺らの扱いは集団失踪になっているだろうし、3年っていう年数は多分元の世界に戻れる身体の状態じゃないって事なんじゃないか?この2人も日本からこっちに来たって言ってたが2人の姿は人間に見えるか?」


 そういうとクラスメイト達はバネッサを見た。だが、ガイセイはどちらかと言えば人間よりに見えるだろうがちゃんと短いが耳があるのだ。おそらくは同じ獣人族なのだろう。

 

 そして、おそらくはレベル50の壁と関係しているのではないかと話すとガイセイは豪快に笑い正解だと答えた。

 

 転生(リインカーネイション)

 

 人は全く別の生命体になると言われており、人間の器ではそれ以上の力を持てないところまでレベルが上がると、できるようになるというのだ。つまりは二人はレベル50の壁を突破した人物なのだろう。

 

 だが、その壁を超えて進化しても結局魔王の顔すら拝むことが出来なかったという。

 

 少なくともガイセイは何百年振りに呼び出されたといっていた事を考えると、向こうの世界とこちらの世界とでは時間の流れは全然違うのだろう。現に俺達がこちらに来たのは2018年だと話すと、二人はその2年前の2016年頃に召喚されたという。

 

 おそらくは向こうで存在そのものが消えてしまうのが三年という期間なのだろう。

 

「個人的には俺はこっちの世界で骨を埋める気でいる。向こうでやりたいことはせいぜい捨てた母親を見つけて2、3発殴りたいぐらいしかないしな」

 

「そ、そうかもしれないけどよ?帰れなくても草加はイイのかよ!?」

 

「…向こうの世界に戻れても、後で辛く厳しい現実がまってるだけだぞ?どうせ、社会に出たら社会を回す歯車の一部になるだけ。こっちのが命の保証はないが生き甲斐もやりがいもあるとは思うがな。辛くなってテメェで自殺するか魔物と戦って名誉の為に勝って生き残るか死ぬ、どっちがいいよ?」

 

 そう言うとクラスメイト達は顔を見合わせた。

 

 ハッキリいってしまえば大した学もない高校で大学もそこそこの所がいいところだろう。そこから就活して中小企業に就職して高い税金の為に汗水垂らして雀並み程の給与で生活をし、現実を見て将来を諦める若者が増加してたのが前の世界だ。

 

 それならば、こっちで生活をするならば腕に自信があるなら冒険者として稼いだり読み書きを教える講師になればそれなりに稼げいい暮らしができる。

 

 何よりも上の世代に「これだから○○世代は~」と変な難癖をつけられる事もなく仕事も自分にあったものを選ぶ権利はある。

 

 少なくとも才能や努力以前に家庭環境のせいで夢を諦める必要がない世界なのは間違いない。ただ失敗は自己責任で奴隷墜ちするかもしれないが、いい主に買われればそれなりの仕事や生活は保証されるだろう。

 

 この二人も元の世界に戻るために努力はしたが魔王の顔すら拝むことが出来なかったというならば、こちらの世界で生きる術を身につけた方がいいだろうと話した。

 

 ダリウスは少なくとも レイドリス王国が当面の生活は保証してくれるし、力をつけて来れば独立して冒険者や傭兵になるのも自由だといってくれた。

 

しかも俺達とは違って勇者適正が高いのであれば向こうの世界よりも夢が叶えられる。

 

 確かに調合で不眠不休で三人に心配を掛けたが冒険者として成長できたし、作った製品を認めてくれて契約も結べた。前の世界では絶対に不可能だった事がこの世界ではできるのだ。

 

少なくともマルシェ女王を責める暇があるならさっさと勇者として覚醒して魔王倒して帰りたいヤツだけ元の世界に戻れば良い話だろうと纏めた。


クラスメイト達もそれぞれ自分で考えて答えを出して自分に納得させる時間も必要だろうと一息ついた。

 


良かったらいいね・ブックマーク宜しくお願いいたします。


誤字脱字等の報告も承ってます。何卒宜しくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ