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第13話【廃教会ダンジョン(後編)】



  このダンジョンから脱出するにはここにいるスケルトンとゾンビ達を全て倒す必要がある。

 

 恐らくは中にダンジョンボスがいるのは間違いない。そして、強敵で困難であることには違いないだろう。

 

  先程の宝箱があった部屋で作戦会議をすると、本城は大盾で突っ込んでいくと豪語した。

 

 だが、それだけではあの数を全て倒すのは不可能だ。取りこぼしを俺と九条でカバーするだけではボス戦までに魔法が温存できない。

 

  すると、高城がある事を思い付いた。

 

「私の変身用魔法で皆のステータス上昇できない?」

 

「あー、っつっても変身魔法って結局なんなのかわからないままだろ?大丈夫なのか?」

 

「けど、ステータス上昇はありがたいわ。流石にあの数とダンジョンボス相手することを考えるとなぁ~」

 

「まぁ、それに賭けるしかない。桃華を信頼しよう」

 

 少なくとも変身魔法を獲得してから何とかものにしようと必死に努力していた高城の姿をこの場に居る全員が見ている。依頼でも魔法が使えずに迷惑を掛けている自覚があるのか明るい顔が暗くなっていたのを覚えている。

 

 ただ誰もそれを迷惑だとは思っていなかった。

 

 ここで皆を救える魔法少女(ヒーロー)になれるのは高城だけだ。

 

 高城は魔力を込めて変身のポーズを取ると服装が変わり、チアリーダーのような格好に変身した。

 

 いや、できた事は嬉しいのだが、色々と露出度の高いチアリーダーの格好に手には杖ではなく、ポンポンだ。

 

  完全にチアリーダーの姿であった。

 

 「よっしゃッ!!桃華はアタシらを応援してくれ!」

 

  「頑張る!皆、頑張ってね!ファイトー!!!」

 

 高城がそう言いポンポンを上に上げると、全身に力が漲ってきた。俺だけでなく三人もそれを感じ取ったようだ。

 

 これなら行ける。そうして部屋から出て魔物が密集している場所に訪れた。


 高城がチアリーダーのように応援をしてくれる事により身体に力が漲り負ける気がしなかった。

 

 何よりもすごかったのは本城で頭数では魔物が圧倒的に多いにも関わらず大盾で押し込んで倒していく。

 

 間から抜けてきたスケルトンやゾンビは俺が担当して首を刎ねた。豆腐でも斬ってるかのように簡単に斬れるし身体も軽い。

 

 「オッシャアッ!! 全部ブッ倒してやったぜ!!」

 

  「ふぅ、後はダンジョンボスだな…」

 

息を整えながら豪華な装飾がされた巨大な扉の前に立つと、存在感のある威圧感にのまれそうになったが負けるわけにはいない。

 

 顔を見合わせて本城と扉を押し開けて中に突入する。

 

 そこに待ち受けていたのは首のない騎士であった。

 

 【死の宣告者】の異名を持つ魔物・デュラハン。手にはモーニングスターがあり長い鎖の先には刺のついた鉄球が床に転がっていた。

 

 コイツを倒さなければここから脱出する事は出来ない。

 

 九条と高城には攻撃が当たらないように後衛に下がって貰い本城と2人でデュラハンに立ち向かった。

 

 デュラハンはモーニングスターを振り回してきたが、鎖の長さ的に届かないと思っていたが、鎖が伸びて鉄球に着いた刺が頬をかすめた。

 

 やはり強敵だ。本城は大盾を握り締めて突撃するとデュラハンを吹き飛ばした。

 

 だが、デュラハンは後方に下がっただけでダメージを受けていないようだ。

 

「桃華は応援を続けろ!梨沙は聖なる矢(ホーリーアロー)の準備だ!俺と綾香で何とか隙を作る!!」

 

「け、けど、どうするんだよ!?アイツ全然ダメージ受けてねぇぞ?」

 

 確かにその通りである。パーティーで一番の攻撃手段である本城のシールドアタックを食らったにも関わらずモーニングスターを振り回してくる。

 

 しかも、高城の変身魔法でチアリーダーの応援で強化された状態でだ。どうする。デュラハンに効果のある攻撃はなんだ。

 

 ああ、何でこんな時に新しいポーションの製造なんで思い出すんだ?

 

 …いや、待てよ、ポーション。ポーションならデュラハンにダメージ与えられるんじゃないか。


 ポーチに残っているポーションは後一本だけである。いや、確実に仕留めるにはクリーンジェルも使うしかない。

 

「綾香!!少し準備するからそれまで何とか耐えてくれ!! 桃華はそのまま応援してステータスを上昇されてくれ!!梨沙は俺が合図したら聖なる矢(ホーリーアロー)を放てる用意を頼む!!」

 

 全員に指示を出すと、それぞれは声を上げた。ポーチからクリーンジェルを出して鎌の刃先に塗る。

 

 急げ。いくら体力に自信のある本城でもデュラハン相手にそう長くは持たない。

 

 塗り終わり、デュラハンを見ると本城をモーニングスターで吹き飛ばしていた。

 

  この野郎。舐めやがって来るなら来い。

 

 モーニングスターを宙で回転させ、俺目掛けてブン投げてくる。回避で上手く交わしてデュラハン目掛けて特攻を仕掛けた。

 

 後少しで刃先が届くというところで背中に激痛が走った。デュラハンはモーニングスターを力ずくで引き寄せて鉄球を背中に当ててきたのだ。

 

 (痛っ!! クソ、鎌落としたじゃねぇか…だが…)

 

 口に含めていたポーションをデュラハンに吹き掛ける。すると、デュラハンは苦しみ始めた。

 

 今がチャンスだと九条に合図を出すと光輝く3本の矢がデュラハンの身体を貫いたのを確認したところで意識を失った。

 

 



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