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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その7 前回とは違う新しい出来事

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レベル153 優先すべきは他にありますが、どうしても浮かんできてしまいます

 日取りも決まり、準備は進んでいく。

 やってくる予定の貴族も決まり、あとは式の進行などを決めておぼえる事になる。

 それほど難しい手順というわけではないから、さほど心配になる事は無い。

 仕事と平行してそれらを進めていく方が大変だった。



 日々の仕事は変わることなくやってきて、それをこなしていかねばならない。

 食い扶持を稼がねばならない事は変わらず、怠れば収入が無くなる。

 式を挙げる前後は仕事にならないだろうから、それを見越して稼いでおかねばならない。

 相変わらず世知辛い現状が続いている。



 平行して先々の展望を考えて行く事にもなる。

 あちこちの村への派遣や、町での新人勧誘と実際にやり方を見せるのを。

 一団としてはそれなりの規模だが、分散させるほどの人間がいるわけでもない。

 戦闘技術だけでなく、統率や教育なども求められる。

 それが出来る人間となると、やはり限られている。

 そのやりくりに頭を使わなければならなかった。



 希望としては、結婚が終わった直後くらいに始めたい。

 さすがに今からやる余裕などない。

 そのために、人選などは済ませておきたかった。

 派遣する者達に、何をどうするかを伝えておく必要もある。

 他の村に人を送り込むなら、周旋屋で依頼を確認しておく必要もある。

 そう都合良く依頼があるかも分からないが、そのあたりは受付のオッサンあたりに頼む事にした。

 トモノリの領地を拠点にしてるので、疎かにするわけにはいかない。

 その兼ね合いをどうとっていくかが難しかった。



 人を割くにあたって、トモノリの領地にその分の人を入れる必要もある。

 他の村に送り込む分を補うだけの人数がどうしても必要になる。

 当面は、送り出した分を補うくらいに。

 開墾地の方の村で宿舎用の小屋が完成したら更に人を集めねばならない。

 そこを無理なく無駄なくつないでいけるようにするためにどうすれば良いかを考えていく。

 とにかく人の確保が大変だった。



 それを仲間にも話していく。

 誰かを外に出さねばならない事と、新たに人を入れる事も。

 どうしてもレベルが高く、教えたり率いる事に慣れてる者を出さねばならない。

 その為に、妖犬退治も一端は停止せざるえない事も伝えていく。

 予定ではサトシやレンがこれにあたる事になる。

 レベルが低い新人達は残し、トモノリの領地にて作業を。

 ただし、やってくる者達の教育を任せていく事にもなる。

 また、アツシには宿舎が出来上がったら送り込む者達の面倒を見るよう伝えた。

 ともかく、色々と変わる事が多い。

 あわせて、今まで通りの体制ではいられない事も伝えていく。



 出来上がった装束を受け取りにいくついでに周旋屋にもよる。

 そちらで新人の募集と、依頼の状況を確かめる。

 依頼の方は、以前引き受けた時のような条件をあらためて提示した。

 それで引き受ける所がどれだけあるか分からないが、打診はするようお願いしていった。

 どちらもすぐには決まらないので時間が必要になると言う事だった。

 その方が助かった。

 目先に式を控えている。

 すぐに対応しろと言われる方が困ってしまう。

「そんなんで大丈夫なのかよ」

 とオッサンも珍しく心配してきた。

「まあ、なんとかなるだろうさ。

 前にもやったんだし」

「仕事じゃねえ。

 結婚の方だ」

 心配が呆れに変わった。



「仕事の事から少しは離れたらどうですか」

 サツキも同じような事を口にする。

 最近、言い方が妙に女房くさいと感じられるようになってきた。

 これから結婚するのだから当然かもしれない。

 それがまた嬉しかったりもする。

 と同時に、この先が大変だとも。

「ごめん。

 でも、多分この先もこんな調子だと思う」

 仕事だけにかまけたいわけじゃないが、仕事をしなければ生きていけない。

 せめてその負担を少しでも解消するために今のうちに色々やらねばならない。

「それは分かりますけど」

 分かっていても、けど、と続けたくなる。

 怖くてトオルはその先を聞けない。

「一緒にいる時間をなるべく作るようにするから」

「絶対ですよ」

 口約束であるが、破ったらとんでもない事になりそうだった。

 もちろん、是が非でも叶えていこうと思っている。



「でも、当分はまた稼ぎが減るよ」

 妖犬退治が出来なくなる。

 新人達が育つのを待っても一年かかる。

 それまでまたネズミ相手である。

「まだネズミ狩りから抜け出せねえ」

 そう呼ばれていた頃から全然進んでない。

 人は増えているが、それが稼ぎを支えるという事もない。

 だが、どうしても人が必要である。

 この先に進むには。

「家を持つのもずっと先になりそうだよ」

「仕方ないですよ」

 なだめるようにサツキが言う。

「簡単にいく事じゃないですから。

 焦らずに行きましょう」

 言われて少し情けなくなる。

 でも、言われて少しだけ安心出来た。

「そうだな」

「そうですよ。

 焦ってしくじったら意味はない……でしょ?」

「ああ、まったくだ」

 いつもいつも思っていた事である。

「でもまあ、もうちょっとがんばりたい所だよ」

「本当にせっかちですよね、トオルさんは」

「そうか?」

 自分としては、慎重にコツコツやってるつもりであっただけに意外だった。

 しかし、

「そうですよ。

 これだけ一団を大きくしても、まだもっとって思ってるし」

 確かにその通りではある。

「けど、これじゃまだまだ足りないよ。

 稼ぎを増やすにはもっと大きくしなくちゃならないし。

 人ももっと集めて、もっと成長させないと」

「そこがせっかちなんですよ」

 たしなめるでもなく、むしろ笑いながら言われてしまう。

「普通ならそんな事考えません」

「まあ、そうなんだろうけど」

「もう少しゆっくりしてみたらどうですか?」

「そうだなあ……」

 出来ればそうしたい所である。

「ま、そのうちに」

「はいはい」

 サツキは肩をすくめるしかなかった。

 続きを明日の7:00に投稿予定

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