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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その6 たぶん、次への一歩だと思われる何か

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レベル137-2 心機一転、がんばっていきましょう

「変わってないな」

 妖犬退治の為に作った陣地は変わらぬ姿を保っていた。

 風雨によっていくらか変色はしてるが、まだ使えそうである。

 これを中心にして増設していく予定だったのでありがたい。

「じゃ、まずはいつも通りだ」

 スコップを手にして仲間を振り返る。

 一緒につれてきた作業員たる村人たちも。

「図面に書いてある通りに溝を掘っていってくれ。

 場所はこっちで示しておくから」

 言いながら、あらためて図面を示す。

 そこには、星の形に拡がった陣地予定図が描かれている。

「そんじゃやろうか」



 裏作もあるが、冬ともなれば人手が余るものである。

 そんな村人達に少々の賃金を提示して作業の手伝いを求めた。

 ため込んだ金を使うのは少々つらいものがあったが、人数がいないとどうしようもない。

 一日一銀貨で集めた村人三十人。

 決して無駄にするわけにはいかなかった。



 地面に線を入れて堀を掘る場所を見やすくしていく。

 それに合わせて村人達がドンドンと堀を掘っていく。

 農業で鍛えた彼らは、思った以上に掘り進めていく。

 それと平行して柵に使う丸太を垂直に埋め込んでいく。

 そこに丸太を横にくくりつけ、柵としていく。

 さすがに一日で全部が終わるという事はなかったが、おおまかな形は出来上がっていった。



 以前の陣地から突き出るような突端が今度の陣地には備わっている。

 五稜郭に似てると言えるだろうか。

 三角形の突出した形が五つほど四角い陣地に付け足されている。

 それらが放射状に出っ張る事で、モンスターが接触する面を増やしていた。

 可能な限りモンスターを数多く仕留められるようにと考えた結果である。

 元々の陣地である部分は、解体のための作業場となる。

 そこと三角形の出っ張りの間を遮る柵は除去していく。

 横に渡してる丸太をとり、打ち込んだ杭を抜いていく。

 抜いたあとの穴は、堀を作る事で出て来た土で埋めた。

 そんな作業を三日で終え、一応の形をととのえる事が出来た。

 あとは実際に使ってみて上手くいくかを試すしかない。



 妖犬退治は作業が終わった翌日に始まった。

 久しぶりに妖ネズミの死骸をもって移動し、それを陣地内に置いていく。

 ほどなく妖犬があらわれ、陣地に突進をしてくる。

 毎度の事ながら、どこからあらわれるのかという数で。

 それらが三角の出っ張りの間に入りこみ、付け根の角にあたる所に押し寄せる。

 狙い通りであった。

「やるぞ!」

 トオルの声に仲間が動いていく。

 それらが、妖犬が押し寄せてる底面と、その横にある左右の三角形の出っ張りへと進む。

 合わせて三つの面から攻撃が始まった。

 これが狙いだった。

 今までだと、押し寄せてくる一面だけで受け止めねばならない。

 そのため、攻撃出来る人数も限られていた。

 だが、星の形づくる三角形の出っ張りが接触面を増やしている。

 その分攻撃を受ける面も増えるが、同時に当たれる人数も当然多くなる。

 防御の為の陣地であるが、攻撃のしやすさも兼ね備える事となっている。

 おかげで、思った以上に妖犬を手早く倒す事が出来た。



 全員がレベル4なのも大きい。

 二人一組で倒す必要がなく、一人で一匹の妖犬を相手に出来る。

 それもあって妖犬を手間もかけずに倒していける。

 ちょっとした工夫とレベルが備わってるとこうも違うのかと驚いてしまう。

 次から次へと押し寄せてきたが、手こずるような事はなかった。

 倒したモンスターを回収するのが手間ではあったが。

 それは餌である死骸を使って誘導する事で対処した。

 餌を三角形の出っ張りの先頭に移動させたり、別の出っ張りに持っていったり。

 そんな事だけで驚くほど簡単に妖犬は動いてくれる。

 形に変化をもたせるだけでこれほど違いが出るとは思わなかった。



 倒した妖犬、総数一千六百二十六匹。

 今までの最高記録となった。

 明日は17:00に投稿予定

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