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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その6 たぶん、次への一歩だと思われる何か
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レベル134-1 変わっていくけど変わらない事もあるもので

 夏が過ぎて秋が到来した。

 田畑の実りはまずまずで、今年も収穫が期待出来そうだった。

 開墾の方も進み、水路の完成が見えてきた。

 モンスター除けの魔術も設置しており、作業者の危険も減っている。

 来年には細かなら水路をひき、誰がどの土地を得るのかも決まるだろう。

 雑草を刈って、土をおこし、肥料をまいてといった事を考えれば収穫を得るのはまだ先になる。

 それでも再来年あたりには最初の収穫にこぎ着けられるかもしれない。

 その期待が村人に意欲をもたらしていた。



 それに伴って村の中での動きも出て来る。

 新しく畑を得る者達に嫁を宛がうか、という方向で。

 トモノリのすすめもあって、村の者達も考えていく。

 新しく開いた田畑は部屋住の者達に与えられるので、当然ながら家庭を養える者が増える。

 最初の数年は満足な収穫も得られないだろうが、十年も経てば大分改善されるだろう。

 それを見越して、田畑を得た者達に村の娘達を嫁がせては、という話になっていた。

 自分達も所帯が持てるという事に、開拓開墾に勤しんでる者は色めき立った。

 家の手伝いで一生を終えるものだと思っていた女達も期待を抱いた。

 この先、更に田畑を増やしていかねばならないが、それでも未来に希望を抱いていた。 



(それに比べてこっちは……)

 妖ネズミ退治に明け暮れ、それほど進歩もしていない。

 レベルは確実に上がっているがまだまだ求める段階には至ってない。

 妖ネズミ相手なら十分なレベルに到達してきてはいるが。

(やっぱり年末か年明けあたりまで待つしかないか)

 レベル4あたりになるには早くてもそのあたりだろうと思われた。

 そこからがようやく次の段階に移れる。

 相手を妖犬に変更しての金稼ぎに。

 必要な人手はこれで得る事が出来る。

 進みは遅いが、毎日の仕事をこなしていくうちに時間は流れていく。

 確実に先には進んでいた。



 予定としては、田畑を作ってる場所より更に外へと向かっていく事になる。

 人類の生存圏よりモンスターの出現方向に進む形になる。

 危険ではあるが、その方がモンスターを集めやすい。

 トオルとしてはその方が好都合だった。

 同時にその場所が、トオルが拠点を構える場所となる予定だった。

 トモノリとの話でその辺りにしようという事も決まりつつあった。

 今後の田畑の拡張範囲も考えると、ある程度離れた場所の方が都合が良い。

 トオル達の存在が、自然とモンスターへの防波堤になるような形をとるつもりだった。

 モンスター退治の効率と、田畑や村への被害を抑える事を考えると、それが一番良いのではないかと思われていた。

 おかげで厄介な仕事を背負い込む事にもなった。



 当然ながら、モンスターを遠ざけるには、モンスター除けの魔術を設置していく必要がある。

 今まではそれを村の周囲にしか設置できなかった。

 外に出れば当然ながらモンスターがいる。

 その脅威の中に飛び込んでいくには、護衛が必要になる。

 負担と手間を考えると、そこまで手が回せないでいた。

 だが、トオルが村から離れた所に拠点を作るにあたり、その間に幾らかモンスター除けを設置する事になった。

 行き来の安全を考えれば当然の措置である。

 それならばついでにと、村と外側にもモンスター除けを設置していく事となった。

 拠点の孤立を防ぎ、無駄な戦闘を省くための当然の措置である。

 ただ、「ならついでに」とばかりに結構な範囲にモンスター除けを設置する事になったのは納得がいかない。

 確かに範囲を拡げる事で、余計なモンスターを排除する事が出来る。

 村や田畑を守るには好都合だ。

 数少ない兵士で広範囲を守るにも都合がよい。

 それでも、労力が増えるのは勘弁してもらいたかった。

 トモノリから報酬は支払うとは言われていたけども。

(きっついなあ……)

 自分にとっても都合が良いのはトオルにも分かる。

 それでも、行動する範囲と必要な期間にかかる手間と面倒の方が先に立った。

 来年辺りにまでその作業は持ち越しになるだろうが、気分は既に滅入っていた。

 続きを19:00に投稿予定

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