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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その6 たぶん、次への一歩だと思われる何か
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レベル132 先にやることがあったというだけで、諦めるわけではないようです

(やむをえんか)

 今回の流れについてのトモノリの感想である。

 そうなればいいなとは思ったが、本人が拒否してるのだから無理強いは出来ない。

 言ってる事にもそれなりに合理性もある。

 まずは足下を固めるのも理にかなっていた。

 蔑ろにしているわけではないが、まだまだ手つかずな事もある。

 人手の足りてない部分に身内をあてる事にする。

 その手配を進めていく事にした。

 結婚はその更に先になっていく。

 彼らに支払ってる給与では家庭を持つことも出来ない。

 そこを解消してからになる。

 また、適切な人間を見極めるためにももう少し時間をかけたかった。

 どうしようもない人間に一族の者を嫁がせるわけにはいかない。

 自分自身が実際に体験した事実を踏まえ、そこは慎重にいくつもりだった。



 ただ、それでもトオルを引き込めなかったのは残念であった。

 言い方はまずいとは思うが、トモノリにとって使いやすい存在なのだ。

 一団を率いてるとはいえ、一応は村の者である。

 少なくとも出身者だ。

 なので、変な軋轢を生じさせない。

 全く発生しないという事もないだろうが、同じ村の中での出来事となる。

 外から来た完全な余所者というわけではない。

 トモノリや村にとって、それは結構重要な事であろう。

 それでいて、村の外から来た者達をまとめている。

 余所者を集約する事が出来るので、これもまた大きい。

 まとめきれない可能性のある余所者を既にまとめてるのだから利用価値は高い。

 おまけに冒険者である。

 村の出身者であるのは確かだが、そこから飛び出した人間でもある。

 村の主要な所に関わらせない理由にもなる。

 その調度良い距離が、今後の村の発展に調度良かった。



 どうしても人手は必要になってくる。

 田畑の仕事をさせない、権利を発生させないように開拓開墾に関わらせないにしても。

 村の者では手が回らない事をやる誰かが必要だった。

 それを任せられる人間も。

 トオルは理想的であった。

 村の出身者でありながら、程よく村と距離のある関係だ。

 それでいて外部の人間を冒険者という形で従えている。

 しかも、モンスター退治という必要とされる仕事をしている。

 この先どうしても必要になるだろう、モンスター退治。

 出来ればそれを外部の人間にやらせたい所だった。

 その場合、上手く統率する者が求められる。

 余所から来た人間を固めておくためにも。

 必要がなくなったら切り離せるようにするために。

 殺伐とした話になってしまうが、そういう事も考えねばならない。

 冒険者であるというのは、そういう意味でも便利である。

 だからこそ、繋ぎとめておきたかった。



(ま、出来ない事を嘆いても仕方ない)

 気持ちを切り替えてやるべき事を考える。

 それほど労力は必要ない。

 トオルにしようとしていた事を自分の周囲に適用するだけなので。

 とりあえず二人三人くらいは人が欲しいと思っていた所だ。

 やる気のある者を一族から募っていく事にする。

 雑用をこなす使用人ではなく、領主としての仕事の手伝いが必要だった。

 よい機会だから適当な誰かを用いる事にする。

 最初は手習いとして側に置く事になるだろうか。

 給料を出せるかどうかが悩ましい所である。

(これも、すぐには解決できそうもないか)

 収益が増えない事にはどうしようもない。

 田畑の開墾によるか、モンスターを倒す事によるかは分からない。

 だが、とにかく収益がないとどうしようもなかった。

 元手がなければ何も出来ない事にトモノリも直面していた。

 時間をかけねばどうにもならない事と一緒に。



 それでも、トオルの事を諦めたわけではない。

 今はまだその時期ではないかもしれないが、いずれ機会が巡ってくるかもしれない。

 今回はそうではなかったのかもしれなかった。

 その時期が来るまで、今は待つしかない。

(まあ、いずれは)

 しつこいかもしれなかったが、諦めきれなかった。

 トオルの言う通り買いかぶりかもしれないが、それだけ彼を高く評価していた。

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