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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その6 たぶん、次への一歩だと思われる何か
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レベル122-1 出来なくてもいい、逃げなければ先に繋がるはず

「じゃ、行くぞ」

 集まった者達に声をかける。

 モンスター退治への参加を決めたのは、十五人。

 辞退した者は確かにいたが、思ったより残った。

 幸先が良いのかどうかは分からないが、数を確保出来たのはありがたい。

(この先何人か抜けるかもしれないけど)

 その不安はある。

 試しにやった一回だけの妖ネズミ退治だけでははかりきれないものもある。

 この先で脱落する者が出てもおかしくはない。

 最終的に十人ほど残ってくれれば良い、と割り切ってはいるが、それだけ残るかも分からない。

 全ては未知数なままだった。



 ただ、モンスター退治で募っただけあって、新人達のやる気は結構なものだった。

 村に戻ってから始まった本番でも、逃げずに仕事をこなしていく。

 最初から上手に出来るわけではないが、少なくとも教えた事を学び取ろうとはしていた。

 覚えが悪い者もいるし、動きの鈍い者もいる。

 どうしても出て来る個人差は埋めようがなかったが、誰もが着実に実績をあげていく。

 トオルもそこは理解しているので、生まれていく差についてとやかく言いはしなかった。

 サトシ達古参の者達にも、そこに文句を言うなと言い含めてある。

 大事なのは、今までの自分より上手く出来るようになってるかである。

 他の誰かと比べてではない。

 ただ、差はしっかりと存在してるので、それに合わせて組み分けをしていった。

 上手く出来る者と、どうしても遅れてしまう者を一緒にしても無駄なストレスが溜まるだけである。

 その違いで二つに分けて作業を行うようにはなっていった。



 元々作業をしていた場所から二百メートルほど離れた所に新たな陣地を設けた。

 そちらの方で、なかなか伸びない者達をまとめる。

 上手くやってる連中はサトシやレンに任せ、トオルはできの悪い方を引き受けた。

「ま、のんびりやっていこう。

 食っていけるだけの稼ぎは手に入れるにしてもさ」

 幾分気落ちしてる者達にそう言って作業をしていく。

 確かに彼らは優秀とは言い難い。

 だが、レベルが上がればそこも補える。

 同レベルの他の者達に比べれば、稼ぎは劣るだろう。

 だが、これだけは欲しいという稼ぎは手に入れられる。

 そこまで行ければ良かった。

 高望みしてもしょうがないし、無理してでも上げなければならない業績があるわけでもない。

 トオルとしての望みはあるが、それは無理をさせなければ手に入れられないものではない……はずだった。

 求めてるのは、秀でた才能に高い技術を備えた精鋭ではない。

 そこそこ・ほどほどであっても、それなりの事をそれなりにこなせる多数である。

 才能を備えた者がそうそういるわけでもないのだから、凄い人材を求めるつもりはさらならなかった。



 優秀とは言い難い新人達も、自分達がどの程度なのかは理解していた。

 肩を並べてやっていた者達を目にしてきたのだ。

 デカイ口を叩くわけにはいかない。

 負け惜しみなのか、「俺にだって!」といった事をのたまう者はいる。

 そんな者も、「じゃあ、同じくらいやってみろ」と言えば黙るしかない。

 減らず口はそれでも続く事もあるが、実際に出来てないのだから何の意味もない。

 だからこそトオルは、「レベルアップしろ」と言い続けた。

 レベルが上がればもっと数をこなせる。

 そうなれば、大口が事実となる。

「それまでは歯を食いしばって堪えろ」

 今は出来ないだろうけど、それを気にしすぎないよう注意をしていた。

 トオルも最初からある程度上手くやれていたのは、レベル2まで成長していたからだ。

 でなければ、目の前にいる新人達ほど上手くやれてたかもあやしい。

 新人達が上手く出来てないのは分かってるが、決して彼らを見下したりはしなかった。

 少なくとも彼らは、落ちこぼれではないのだから。



 気にしていたのは、落ちこぼれが出る事である。

 そうなる理由は様々だろうが、何らかの形で脱落する者も出て来ると思っていた。

 モンスター退治も解体も上手く出来なかったり、周りの者達と合わせる事が出来なかったり。

 そういった事で続けていけなく者が出て来る事を気にしてはいた。

 幸い今までそういった者は出てこなかったが、これからは分からない。

 しかもこれは、才能とかが関係ない事もある。

 他の誰よりも作業を上手く出来ていた者が、特にきっかけもなく断念する事だってありうる。

 これは、持って生まれた気質や気性の問題だった。

 どれほど恵まれた能力や才能があっても、やっている作業に性質があってなければどうしようもない。

 その見極めは難しく、時間をかけて判断していくしかない。

 ただ、そうなったとしても、最悪の状況でそれが発現しないよう願うしかなかった。

 続きを19:00に投稿予定

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