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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その6 たぶん、次への一歩だと思われる何か

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レベル116-6 周りの者達の意識も一つの方向を向いてないといけません

「というわけだ。

 一ヶ月したらまた町に行ってくる。

 それまでに、やり方を考えておこう」

 村に戻ったトオルはそこから始めていった。

 受け入れる、と言ってもやり方はほとんど決まってない。

 各村から人を受け入れた事はあるが、やり方が明確になってるわけではない。

 その時の経験をもとに、あらためてやり方を考えていかねばならなかった。

 まずは、やった事ををまとめていく事。

 どうやって新人にものを教えていったのか、何に気をつけたか。

 思い出せるだけ書き出すことが最初の一歩だった。



 通常の作業も平行して行っていかねばならない。

 モンスター退治を日中に行い、新人受け入れのためのやり方は帰ってから。

 時間は一時間とれれば良い方だった。

 それでもトオルは手を抜かなかった。

 この先を考えればここで放り出すわけにはいかない。

 一ヶ月という期限は必ずやってくる。

 そこまでにある程度形にせねばならない。



 教え方もそうだが、統率の仕方も考えねばならなかった。

 トオルが率いているだけで済んでいた頃はともかく、今後はそうもいかなくなる。

 サトシ達にも新人を率いてもらわねばならない。

 そうなると、人の動かし方や引っ張り方、そして押し出し方なども身につけてもらわねばならない。

 受け入れる側にも、学びが必要だった。



 同時に、新人達を含めた人事考課を導入する必要もある。

 ちゃんと仕事をするか、手抜きはないか。

 反抗的な態度をとってないか、不快な思いを周りにさせてないか。

 それらを記録していく必要が出て来る。

 集団でやっていくなら、内部における規律がどうしても必要だ。

 そのため、問題行動をはっきりさせ、全員で共有しておく必要がある。

 もっとも、それは人間としての問題行動と重なる。

 社会も、つきつめれば集団だ。

 そこでの問題行動は、冒険者の一団でも同様に扱われる。

 あらためてそこをはっきりさせるだけで良いとも言えた。

 抵触するような事をした奴は、一団から追放する。

 今まではこんな事を強調する必要もなかっただろうが、これからはそうもいかなくなるだろう。

 どうしてもトオルの目の届かない所が出て来る。

 そこで何かが起こった時に、参考に出来る基準が必要だった。

 どんな人間が来るか分からないが、最低限これだけは守れというものが。

 同時にそれは、トオル達の方が不当な扱いをしないための縛りでもある。

 基準がなければ、どこまでやってよいのか、何をしなければならないのかも分からない。

 それをあらためて明確にしておかねばならなかった。



 それと平行して、住み込める場所も探していく。

 村にある小屋や納屋はどこも使われていたので難航したが。

 やむなく、様々な道具を別の納屋などに移動させ、空き場所を作る事になる。

 その段取りを組んでいく事にも時間をとられる。

 仕方なく、モンスター退治から抜ける日も出てきた。



 トモノリとも相談し、それなら新しい建物でも作るかという事にもなった。

 今の状態でもかなり無理をして冒険者をやってる者達の部屋を確保している。

 この先も冒険者を用いるなら、住居の確保をせねばならない。

 金がないのですぐには無理であるが。

 早くても来年の収穫以降となってしまう。

 それでも、そういう可能性があるだけでもありがたかった。



 とにかく忙しくなっていった。

 新しく事を始めるというのがどういう事なのかを痛感していく。

 それでも、多少は前例があるだけマシである。

 全く何もないところで、想像で物事を補うわけではないのだから。



 一週間が過ぎ、二週間が過ぎ。

 前回のやり方がまとまり、小屋や納屋の整理も進む。

 新人達に対する方針を考え、部隊分けを考えていく。

 戦闘だけでなく、解体の方も。

 それと、まだ形にはなってないが、事務作業専門の部署も必要になるかもしれなかった。

 まだそんなに人数は必要ではないだろうが、手を広げれば管理がどうしても必要になる。

 そのための書類などを扱う所は絶対に必要になる。

 事務作業をやっていた経験から、トオルはそれを感じていた。

(つっても、どこで導入すりゃいんだか)

 その時期の見定めが難しい。

 何人くらいになったら必要なのか、それが分からない。

 このあたりは手探りにならざるえなかった。



 それでも物事は少しずつ進み、受け入れる状態がととのっていく。

 あとは人が何人集まるかだった。

 トオル達の努力ではどうにも出来ない部分である。

 こればかりは運を天に任せるしかない。 

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