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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その6 たぶん、次への一歩だと思われる何か

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レベル116-4 周りの者達の意識も一つの方向を向いてないといけません

「ふむ」

 話しを聞いたトモノリは、そう言って考えこんでいった。

 トオルの言う通り、人手があるのはありがたい。

 人数が増える事での問題もあるが、無くて困る事もある。

 まして小鬼の襲撃のあった直後だ。

 どうしても警戒と対策について考えてしまう。

「まあ、それは分かるが……」

 それでもトモノリは、すぐに承諾は出来なかった。

「それだけの人数を受け入れる場所がなあ」

 一番の問題はそこである。

 館の方はすでに限界を迎えている。

 この上で人を入れるとなると、新たに宿舎が必要になってくる。

 他にも、治安の問題もある。

 土地の者と余所者との摩擦や衝突は避けられない。

 大勢の人間が来るとなると、その部分での懸念や危惧もある。

 とはいえ、これは冒険者などを招き入れる上で避けられない。

 なるべく両者が接触しないように取りはからうしかない。

 何か起こった場合には即座に処罰が出来るよう計りながら。

 だが、現在一番の問題は、やはり住居であった。

「新しく家でも作れればいいんですけどね」

「そんな簡単にできるか」

「ですよね。

 まあ、空いてる小屋とか納屋でも使わせてもらえれば。

 雨風がしのげればいいんで」

 それくらいは覚悟していた。

 あとは、虫やネズミがいなければ良し、である。

「まあ、それは村の者にあたってみよう。

 しかし、それでもだ」

「なんですか?」

「それだけ大量に増えるとなると、食事がな。

 もう専用の料理人を用意するしかないかもしれん」

 現在はメイド長が使用人を使って準備をしている。

 だが、それでは賄えなくなる。

 メイド長には他にも仕事があるので、これ以上作業量を増やすわけにはいかなかった。

「お手数おかけします……」

「仕方ない。

 こっちから言い出したことだ。

 やるべき事は果たすよ」

 畑の開拓から始まった話である。

 トモノリも無理を受け入れるしかなかった。

「……今年の収穫が以前より多くて助かったよ」

 おかげで税収が増えた。

 そのほとんどが刈り入れした農作物である。

 国庫に納める分は換金せねばならないが、それ以外はトモノリの裁量でどうにでも出来る。

 通常は換金してしまうのだが、今回はそのまま食料として用いる事になりそうだった。

 つくづく、トオル達にモンスター退治をさせておいて良かったと思う。

 また、トオル達が納める税がなければ破綻していた事だろう。

 雀の涙程度であるが、それがトモノリの領内の運営をギリギリの所で補ってくれていた。

「それで、誰をそっちに移すのかね?」

「はい?」

「納屋や小屋にだよ」

「ああ、それでしたら俺が」

 迷い無くトオルは答えた。

「それくらいは自分でやらないと」

 そのあたりは率先してやっていかないと、他の者に示しがつかないと思えた。

 俺がやってるんだからお前らもとやかく言うな、と言いやすくもなる。

 減らず口を叩く奴を放逐しやすくもなる。

 生活環境が悪くなるのは残念だが、得られる利点は結構捨てがたい。

 もちろん、それをどう上手く使っていくかであるが。

「とりあえず、そうやってやっていこうかと」

「分かった。

 ただ、空いてる場所があるかどうか」

 納屋にしろ小屋にしろ、そうそう空いてる物件があるわけでもない。

 それを探すのも大変である。

 色々と大変であるが、当面の困難をまずどうにかせねばならなかった。


 続きを19:00に投稿予定

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