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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その6 たぶん、次への一歩だと思われる何か

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レベル116-1 周りの者達の意識も一つの方向を向いてないといけません

 さすがに一日で考えがまとまるはずもない。

 大まかな目標のようなもの、求める姿は見えてきたが、それに至る部分は明確ではない。

 その部分を想像で埋めていく。

 もっとはっきりとした形にしておきたいがそうもいかない。

 経験した事のない領域なので、どうしても頭で考えるしかない。

 昼はモンスター退治を続け、夜になったら想像をたくましくする。

 そんな事を数日ほど繰り返した。



(こんなもんかな)

 考えが行き詰まる。

 ああでもない、こうでもないと考えに考え、終いには同じ所をグルグルと回るようになった。

 ささやかな経験上、こうなったらもう何も考えが出てこないだろうと思えた。

 自分一人で考えるのはこれが限界だと。

 あとは他の誰かに意見を求めるか、より専門的な知識を得るしかない。

 どちらも宛がないので、事実上ここで試行錯誤は終了である。

(あとは皆に説明するだけか)

 賛同が得られるかどうかは分からない。

 だが、今後の事を考えれば受け入れてもらうしかない。

 果たして上手くいくかどうか。

 事業拡大や成長を狙うのだから利点はある。

 あるのだが、どうしても一人当たりの負担が今までより大きくなる。

 それを納得してもらえるかどうかは分からない。

 苦境に陥ってるなら打開策として受け入れられるかもしれないが。

 今はそうではない。

 むしろ順調に物事が進んでいる。

 そんな時に新しいことを始めようと言ったって、どれだけ賛成してくれるか。

 下手に今のやり方を壊すより、今のままを続けていこうという風になりそうに思えた。

 程よい状態にいるなら、そこから出て行こうなどと考えないのが人間である。

 将来的に大きな利益になるとしても、それが目に見えなかったり、明確に想像できなければ納得しない。

 我が身に迫った事でないと他人事として考えるというのもある。

 トオルにとっては五年先十年先であろうと、それが自分の事でもあるので色々と考えはする。

 それが他の者にとっても同じとは限らない。

 だいたい数日から一ヶ月。

 せいぜい半年一年先まであたりしか考えないのが普通であろう。

 トオルとて前世の記憶がなければ将来について考える事も無かったかもしれない。

 前世においては、それこそ先の事など考えなかったし、考えられなかった。

 この先どうなるのだろうという漠然とした考えはあったが、どうしても具体的な想像ができなかった。

 だからこそ悲惨な末期を迎えてしまったのかもしれない。

 その経験があるから、今は先の事を考えられる。

 良い思い出ではないが、比較対象となる記憶がある。

 それと比べて今はどのあたりにいるか、先々はどうしたいかを考えられた。

(どうにかしないと)

 このままという訳にはいかない。



「皆、話しがある」

 仕事が終わって食事も終わり。

 皆がくつろいだ所で声をあげた。

 何事かと全員がトオルを見る。

 無駄話を続ける者はいない。

 トオルが話をもちかける時は、何かしら重要な事であると誰もが理解している。

 その視線を受けて、トオルは話を始めていった。



「実は、トモノリ様から新しい仕事をお願いされてる」

 本題はそこではないが、まずは受け入れやすいところから語っていく。

「村の方で、新しい畑を開拓したいとの事だ。

 それで、畑の方の作業をしてる間の護衛を頼まれた」

 不平や不満は上がってこない。

 今のところは。

「来年から、とは聞いてるけど、具体的な日取りはまだ聞いてない。

 早くなるかもしれないし、遅くなるかもしれない。

 そういう話しがあった、って事だけはおぼえておいてくれ。

 必要になれば、村のほうに移動してモンスター退治をやる事になる」

 とりあえずここまでが前置きである。

 本来ならばこれが本題であるはずなのだが。

 トオルとしては、この話しを利用して次に続けたかった。



「ただ、それだけだと手が足りない。

 やってやれない事はないだろうけど、負担が大きくなるかもしれない」

 嘘とは言い切れない。

 田畑の開拓の方に人手が取られれば、必然的に別のどこかが手薄になる。

 それでも、それがすぐに人手不足につながる程でもない。

 トオル達と共に、領主の村で妖ネズミ退治をしてる者達を送れば良い。

 村の近くに出て来るのなんてその程度なのだから、レベルの高い者達を送り込む必要もない。

 領主の村の方はトオル達が頑張れば良いだけだ。

 若干手薄になるのは確かであるが。

 しかし、もし何かあったらすぐには動けなくなる。

 手元にある人員を使い切ってるのだから。

「だから、人を増やそうと思う」

 それなりの理由は確かにあった。

「出来れば、ある程度多く」

 先々への投資を考えてである。

「それは良いけど」

 こういう時に一番に口を開いてくるサトシが疑問をあげてくる。

「どのくらい増やすの?」

「とりあえず二十人くらい」

 食堂にどよめきが起こった。




 続きを10:00に投稿予定

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