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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その5 そりゃまあ冒険者だからこういうのも仕事だけど
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レベル102 とにかく少しでも有利にするために頑張ってみます

「じゃあ、やるぞ」

 最後の確認として全員に声をかける。

 拠点にいる全員が緊張した顔をしていた。

 それでも反対の声は出てこない。

 それを確かめてトオルは、集めた薪に火をつけた。

 それが煙になって空に上がっていく。

「布を」

 解体組の二人が、火の上に布をひろげる。

 そこに煙がためられてから、布をひるがえす。

 たまった煙が狼煙となって空に上がっていった。



 日取りを考え、行動を考えていく。

 村への伝令が到着し、準備に入るまでの時間。

 小鬼の群れの移動する早さ。

 群れへの偵察も行い、どの程度進んでるかも実際に確かめる。

 その結果として、群れの移動が始まって四日目にそれを実行した。



 狼煙を上げる────

 


 元々は、トオル達が攻撃を受けてる事を報せるための手段だった。

 やれば小鬼達にも見つかるから、使いどころが難しかった。

 しかし、相手を引きつけるとなれば話は別である。

 どれほど効果が期待出来るか分からないが、トオル達の居場所を伝える事は出来るはずだった。

 もちろんこれだけで終わらせるわけではない。

「行くぞ、みんな」

 サトシ、レン、アツシ、サツキに声をかける。

 狼煙だけだと小鬼が気づくかどうかは分からない。

 こちらに引きずり込むのが目的だから、そこを確実にしておきたかった。

 その為に、小鬼達にちょっかいをかけにいく事にした。

 解体組は留守番になる。

 彼らは彼らで、狼煙を続け、迎撃の準備をする事にもなるので暇というわけではない。

 こちらに引きつけるのが目的なので、事が上手くいったらこいつらも危険になる。

 そうせざるえないのだが。

 一応準備はしてある。

 ろくろく戦闘技術のない解体組だが、それでもどうにか出来るよう考えはした。

 そのための道具もある。

 解体組がそれらを上手く用いられるよう、作戦が上手くいくよう願うしかない。



 森を出て小鬼達の後を追う。

 普段なら草が足を止めるのだが、今回はその心配がほとんどない。

 大規模な小鬼達の集団が通った後は、草も踏みつけられ大分歩きやすくなっている。

 相手の移動速度も考えれば、今日中に追いつけるかもしれなかった。

 トオルを先頭に五人はその道を進んでいく。



 やる事は今まで通りである。

 小鬼達の群れに奇襲をかけて、少しでも数を減らす。

 あるいは、狼煙に気づいて出て来た連中を迎撃する。

 森の方まで引きずりこむのが一番である。

 さすがにそこまで出来るとは思っていなかったが。

 それでも、村に向かう小鬼達を更に減らせれば良かった。

 その分被害が減る。

 ただ、小鬼の呪術師────トオルは相手の魔術師を外見の印象からそう呼んでいる────の存在が厄介である。

 懸念材料はそれだけではない。

 今回あらわれたのは呪術師だけである。

 しかし、小鬼の中で手練れと言えるのはそれだけだとは限らない。

 もっと腕の立つ戦士がいるかもしれない。

 作戦を考える軍師や参謀がいるかもしれない。

 そういった者達がいたら、おそらく事ははるかに難しくなる。

 損害も、怪我だけでは終わらないかもしれない。

 相手に手傷を負わせるよりも、自分らが生き残るのがせいぜいとなってしまうかもしれなかった。

(無理は出来ないな)

 今までもそうだったように、今回も無理はしない事にした。

 もっとも、小鬼に対しては結構な無茶をしまくってはいるが。

 それでも、トオル達の能力を、培ってきたレベルを考えれば十分に安全を確保した行動ではある。

 今までは。

 これからの行動がそうであるかは、まだ誰にも分からない事だった。

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