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【完結】転生したけどやっぱり底辺ぽいので冒険者をやるしかなかった  作者: よぎそーと
その5 そりゃまあ冒険者だからこういうのも仕事だけど
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レベル101 それしかないのかといつも思ってしまいます

 森の中の拠点に戻り、マサルやコウジ達と合流する。

「どうだった?」

「小鬼は?」

 当然の疑問をあげてくる解体組に、トオルは首を横に振った。

「少しは倒したけど、途中で切り上げた。

 向こうに魔術師みたいなのがいてな」

 解体組の連中の顔が暗くなる。

「大丈夫なの?」

「分からん」

 不安なのは分かるが、正直に答えた。

「魔術師とやりあった事なんてないからな。

 どんな魔術を使ってくるかも分からないし。

 やり方が全然思いつかん」

 その場にいた者達が絶望的な表情をしていく。

「けどまあ、何とかしよう。

 あの群れに、少しでも損害を与えておかないと村が危ないし」

 それ以上にこの場にいるトオル達の方が危険かもしれなかった。

 もし小鬼達がトオル達に襲いかかってきたら、絶対に負ける。

 そこまでやるかは分からないが、可能性は否定できない。

(逃げる準備もしておくか)

 ここで敵を引きつけるつもりだが、無理ならさっさと逃げるしかない。

 小鬼をどうにかしたいが、そのために全滅する気はなかった。

 戦って、なおかつ生きて帰る。

 無理や無茶もするが、全てはそれらの為である。

 最悪の場合を考えて覚悟はしておくが、できればその覚悟が無駄になるようにしたかった。



「とりあえず、サツキは休んでくれ。

 魔術が使えるようになっててもらわないと困るから」

 魔術の使用は精神力というか体力を消耗する。

 消耗の少ない闇を発生させる魔術だけ使ってもらっていたが、数を重ねれば心身への負担は増大する。

 走り回ったのもあるので、体力の回復に専念してもらいたかった。

 とはいえ、やる事といったら、横になって休むくらいである。

 ついでに水や軽い食事をとれば、多少はもちなおすだろうという程度だ。

 あとは瞑想という手段があるようだが、そのためにも魔術によらない体の疲れは少ない方が良いらしい。

 なのでサツキには寝床で横になってもらうしかない。

(MP回復薬とかあればいいんだけど)

 そういう物があるかどうかは分からない。

 少なくとも、今まで見たり聞いたりした事は無い。

 あったとしても、庶民が手を出せる値段とは思えない。

 将来はどうか分からないが、今はもっとも手軽に出来る回復手段に頼るしかなかった。

(あとで、サトシとレンも休ませないと)

 今、二人は森の縁で見張りをしてもらっている。

 小鬼達がやってくるかもしれないから、その警戒のために。

 二人も疲れてるだろうから、ある程度休んだら交代しなければならない。

 それまではトオルも少しばかり休むつもりだった。



 適当な所に腰を下ろして頭を使っていく。

 休みたいとは思ったが、それよりも今後をどうするかが気になってしまう。

 それだけ今朝の襲撃による衝撃は大きかった。

 朝一番の襲撃は、成功とは言い難い。

 完全に失敗してるわけではないが、より大きな戦果を上げる前に敵に反撃された。

 相手に魔術を使う者がいたのが大きい。

 それがなければ、闇を発生させて小鬼達を分断出来ただろう。

 その闇を取り払われてはどうしようもない。

 幾ら弱いといっても、数多い小鬼達の中に突っ込んでいるのだ。

 だから撤退した。

(あれをどうにかしないと)

 対策を考えないことにはどうしようもない。

 できれば魔術を封じたい。

 そんな虫の良い手段など全く思いつかないが。



(何にしろ、人数がなあ)

 タカユキとシンザブロウを伝令に出している。

 戦力を考えれば厳しい選択だが、モンスターとの遭遇を考えると解体組にやらせるわけにはいかない。

 もし二人がいれば、もう少しやれる事に幅が出来たのだが。

 狼煙よりも正確な情報の伝達を考えれば、二人を送るしかなかった。

 上手く村にたどり着いてる事を祈るしかない。

 ただ、急いでも三日はかかる道のりである。

 はたして無事でいてくれるかどうか。

(小鬼の連中が遅いから、多少は時間に余裕が出来るだろうけど)

 小鬼達の移動速度では、トオル達の二倍くらいの時間はかかりそうだった。

 とすれば、村にたどり着くまで七日くらいはかかる事になる。

 その時間差がどれだけ影響するか。

(明日…………は無理か。

 でも明後日くらいに到着して、村の連中が準備をして…………)

 ついでにトモノリへの連絡もして。

 十数人の兵士達と、武装してるであろう村人達を入れて、おそらく百人くらいは戦闘が出来る体制になってるだろうか。

 そこまで上手くはいってないかもしれないが、何の準備もしてないとは思えなかった。

 手が回らない部分が出て来てるにしても。

 他の領地からの増援などがあれば、更に余裕が出るが。

 これはさすがに期待出来ないので除外する。

 やるとしたら、上手く村と連携をとっての挟撃だろう。

 だが、それをどうやってやるのか?

 上手く行動を合わせないと意味がない。

 そもそも、出来る限り村の方に損害を出したくない。

 田畑の近くで戦闘なんて論外だった。

(となると……)

 出て来る考えは一つしかなかった。

 気は進まないがそれをやるしかない。

(こっちの方に連中を引き寄せるか)

 どうやってやるのかはまた別として、村に損害を出ないようにするならそれしかない。

 トオルに思いつく限りでは。

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