表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そして ハジマル 物語  作者: vlinder-蝶-
第一章 ~始まりの日~
9/12

過去編 ~動き出す現実 4 ~

ーーーー話すと長くなるんだけど良いかなーー?


 この言葉から始まった月影つきかげさんの過去の事。今現在に至るまでの話。聞いてはいけない様な……。そんな気持ちになりながらも、私は聞いた。


「あれは僕がまだ幼い頃だった……」

それから月影つきかげは、昔を思い出す様に空を見上げた。


「ある日幼い頃の僕は、僕の両親と車に乗って旅行をしていたんだ。勿論、その時の事はあまり覚えていない。だけど、これだけは今でもよく覚えている。旅行から帰る時、僕とその両親の乗った車は"何か"によって爆発された。いや、正確には"撃たれた"かな」

「“撃たれた”とは?」

新城しんじょうの質問に対し、再び月影つきかげ新城しんじょうを見る。

「あくまでも推測だけど"ロケットランチャー"とやらに撃たれたと思う」

「ろけっとらんちゃー……、ですか」

 初めて聞く名前。そして困った顔をする新城しんじょう、そんな表情に月影つきかげはくすっと笑う。

「まぁ、この世界じゃそんな物は存在しないからね。そんな顔をするのも無理ないよ」

「そうですか……。ではその"ろけっとらんちゃー"という物は一体どういった物なのでしょうか?」


 そんな質問に月影つきかげは真剣な顔になり、新城しんじょうを見つめる。

「難しくて理解出来ないかもしれないけど、よく聞いてね」

「……分かりました。」



「まず、その"ロケットランチャー"という物はロケット弾という物を発射する兵器の事で、ロケット弾は爆発する物で、車一つ簡単に吹き飛ばせられる程、とても危ない武器なんだ」

「なんて恐ろしい物なんでしょう……」

「そして、その兵器を何故か持っているのが"ターゲット"だ」

「"ターゲット"ですか……」

そこで二人の会話に少しの間が空いた。少しの間が空いた後、月影つきかげは話を戻す様に口を開く。


「話がズレちゃったけど、その時に何故か僕は生き残っていたんだ。その僕をたまたま見付けて、助けてくれて、そして育ててくれた。そして今に至るって訳だよ」

「助けてくれて、育ててくれた。というのは月影つきかげさんが居る所がですか……?」

「その通り。名は"輝箱舟アーク・シャイン"だ!」

「アーク……、シャイン……」

「だから、僕はそこのお手伝いをしているって訳さ」

「なるほど……」


 そこで新城しんじょうはつい先程、桐生きりゅうを連れて行った長い髪の男の事を思い出す。

「そうだ、月影つきかげさーー」

新城しんじょうが言い掛けた瞬間、月影つきかげは”何か”に気付き新城しんじょうの口を人差し指で押させる。

「しっ、静かに」


〈こっちには居たか!?〉

〈いえ、居ませんでした〉

〈えぇい、探せ探せ!何としても見付け出すんだ!!〉

〈了解!〉


「まだ"ターゲット"が居たのか……。今は新城しんじょうが居るからこのままやり過ごすしかなさそうかな……」

「あの……、月影つきかげさん。先程から"ターゲット"と呼ばれているあの人達は一体何者なんでしょうか? そして、髪の長い男の人が桐生きりゅうさんを連れて行ってしまったのですが……」


 月影つきかげは呆れた様な顔をして、ため息をついた。

「その人は多分"樹島きしま"さんだね。そして、僕らが呼んでいる"ターゲット"の事なんだけど、実は正体が分からないからただこう呼んでいるだけなんだ」


 桐生きりゅうさんを連れていったのが樹島きしまさん。そして、正体不明の……敵……? 樹島きしまさんは月影つきかげさんの知り合いなのは分かったけど、正体不明の敵って……。


そして新城しんじょうは何かに気付き、月影つきかげの顔を見つめる。

月影つきかげさん、それって……」


 新城つきかげはいつになく真剣な顔で月影つきかげに何かを言おうとする。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ