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とある青年のレベル上げ ~グラド・サーガ~  作者: あいうえおさん
第2章 各々の条件 《フィドゥーティア・ジゴケルビム》
21/110

レベル19 成長期間 《フリーダムタイム》

(私にとっての『トリガー』・・・か。結構時間かかりそうだなぁ。)


レイが一週間の自由時間を全員に与えたので、ミオンはスキル習得のための修行を始めようと考えた。

これから一週間はこのレントヴィンの宿屋過ごしになるわけだが・・・・


~~~~~


「それよりこの宿代とかは大丈夫なの?お金ある?」


「あ?あぁ、そこは心配しなくていい。俺が稼いでくる。」


「レイさん私も行きましょうか?」


「お前はまず装備を新調しろ。」


~~~~~


(まぁ生活費の方はレイくんにお世話になろうかな。)


(でもせっかく時間くれたんだから!)



「やるぞーッ!!」



えッ・・・?(ザワザワ)

ど、どうしたんだろ・・・(ザワザワ)

何かあったのかな・・・(ザワザワ)



「あ、あれ・・・?」


「みお姉どうしたんだよ?広場で思いっきり『やるぞーッ!!』って。」


「えッ、聞こえてた・・・?////」


「あぁ、バッチリな。」


「・・・////」カァァ





(でも私の『トリガー』ってどうやったら分かるモノなんだろう。)




「ねぇアリナちゃん。」


「はい、どうしましたかお姉さま?」


「アリナちゃんはどうやってその『トリガー』を見つけたの?」


「私、ですか?」


「うん。」


「私の場合ですと、やはり周りの環境に影響を受けたことが大きいですかね?」


「周りの環境?」


「はい。私の場合ですと、あまり人に期待されることに恐怖を感じていた身だったので、お二人の待遇でそのトリガーが開けた・・・みたいな感じでした。」


「へぇ~」


「お姉さまの場合、普段何か思ってることを材料にしてみてはいかがでしょうか?」


「思ってること、ねぇ・・・」





(とりあえず大聖堂に行ってみよう。もしかしたら何か分かるかもしれないしね。)




ペルカトレ大聖堂にて。


「おやおやこれは、あのクエストで活躍された一味の方ではないですか!どうぞどうぞおあがりください!」


「あ、ありがとうございます・・・」


どうやらミオン達のクエストでの活躍は、この町全体に広まっているようだ。大聖堂はあまり外の情報を得にくい場所なのだが、その聖堂の司祭様も知っているということはつまりそういうことなのだ。


ここペルカトレ大聖堂の歴史は古く、その長さは1000年以上だという。主にここでは教徒(職業的にはプリースト)が、自分の行動を報告したり、時には懺悔したり、時には司祭様にお悩みを相談したりなど、多くのことが出来るのだ。ちなみにアリナと二人で来た時にはこの報告のみで終わった。


「あの、司祭様?」


「ん?はい、何でございましょうか?」


「私のお悩みを聞いていただけないでしょうか?」


「えぇ、ではこちらのお悩み相談ルームへご案内いたします。」


「あ、はい。お願いします。」


(お悩み相談ルームって・・・)



「・・・では、あなたの悩みをお聞かせください。」


「はい、スキル習得のため、自分自身の『トリガー』を見つけ出したいのです。」


「ほう・・・それはどうしてですか?」


「私達は3人パーティーです。しかし私だけがスキルを覚えずにいます。」


「・・・他の者に遅れは取りたくない、ですかな?」


「う~ん・・・」


「・・・?」


「遅れを取り戻すためではないと思うのです。ただ、私は・・・」


「・・・」


「私は、えっと・・・」


「・・・」


「・・・あは、すみません。あまり言葉に出来なくて・・・」


「別に謝る必要などありません。まだ言葉に出来ないその悩みは、まだイメージが薄いのと同意。つまり、悩みではなく、『壁』なのでしょう。」


「『壁』・・・ですか?」


「はい。あなたはまだ見えていない、それは『見えない』のではなく『見られない』のでしょう。」


「あなたの悩みは何かに隠されているかもしれません。それは実体のあるもの、もしくは実体のない固定概念のようなもの・・・しかしそこまで私にはわかりません。」


「な、なるほど・・・」


「しかしその壁は、とある小さなきっかけで崩れ去ることでしょう。それが『トリガー』というものです。」


「・・・」


「そしてその『トリガー』に最もなりうるものは、つまりあなたの意志です。」


「・・・意志、ですか・・・」


「私としては、もう少し自分自身と向き合うことを薦めます。もし自覚できたのなら、またここへ来なさい。」


「・・・」


「そういたしましたら、私がその手段をお教えしましょう。」





(結局スキルの『トリガー』は分らないままかぁ・・・)




一方そのころ、レイとアリナ。


「おい、魔法ってこんなに打ちにくいモノなのかァ!?」


「違いますよ!レイさんが不器用なだけです!」


「くそッ!上級職転職に必要じゃなかったら魔導士なんてやんねーぞックソ!」


現在レイは、『魔導士』に転職し、魔導士レベル10を目指している。


「慣れないとダメです!そもそもレイさんがなりたい『魔法戦士』は呪文必須なんですよ!?」


『魔法戦士』とは上級職の一つで、ソルジャーレベル10、魔導士レベル10になることで初め解放される職である。

ちなみにアリナの今の職、『賢者』はプリーストレベル10と魔導士レベル10で解放される職の一つである。


「あぁ、クソッ!『フレイ』ッ!!」


レイは炎の呪文を唱えたッ!!

しかし目の前のバーサークモンキーはそれをいとも簡単に避けてしまう!!


ヒョイッ


「あ~あ、またはずれですねぇ~」モグモグ


「ッ・・・!」


(あんのロリガキッ・・・!呑気に木の下でサンドイッチ食いやがって・・・!!一応それ俺の飯なんだぞッ!)


「レイさん来ますよ~」パクッ!


「はぁ!?」


バーサークモンキーが襲い掛かってくるッ!!


「くそッ」


レイは腰の剣を抜くと、バーサークモンキーを一瞬で切り裂いたッ!!


ズバッ!!!


「よしッ」

「ああああ~!!!武器で倒しちゃ意味ないですよ!?」ババッ!


急に木陰からアリナが立ちあがる。


「うるせッ!レベルアップすればいいんだよッ!」


「あ~そういうこと言うのでしたら・・・このおにぎりも食べちゃいますよ~?」ヒョイヒョイ


「あ、お前!?それ俺のポッケにあったやつ!なんでお前がッ・・・!!」


「食べられたくないのでしたらはやく“魔法で”倒してくださいよ~?」


「~~~~!!!!クソッ!分かったよ!」







この日、レイは合計で20体のバーサークモンキーを倒したが、そのうちの19体は竜閃の剣で斬った結果となった。

もちろんあのおにぎりは全てアリナに食われてしまったとさ。



「あんのロリガキぃ~~~!!!!」


次回投稿日;4月15日

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