番外編 その頃のウィザーさんち②
今回も番外編ということで、メタ的ネタ、発言などを多分に含む内容となっております。
苦手な方はご注意ください。
「――この世界は、間違っているっ!!」
ウィザーは激怒した。
以下略。
「ドリィよ! 俺はこの世界の致命的な間違いに気付いてしまったぞっ!!」
「はいはい、今度はなんですか、ウィザー様?」
ドリィは『まったく、仕方のない人ですね』といった感じでウィザーに応える
ここで相手をするからウィザーが調子に乗る――その事にドリィは気付いていた。
しかしながらドリィにとって、ウィザーを無下に扱うという選択肢は端から存在しないのだ。
ゆえに彼女は、今日も今日とてウィザーの相手を勤めあげる。
義務感や使命感からではなく、それが彼女の喜びでもあるのだから。
二人はプリキュ――いや、良きパートナーであった。
「いいか、ドリィ! この物語のタイトルは『ダンジョン作ったけど誰も来ないんだが』――つまりはダンジョンで俺たちが悪戦苦闘する展開がメインとなる物語のはずなのだ!」
ついにタイトルとか言い出すウィザー。
メタいことこのうえないが、やはり前回と同じく『番外編だから』ということで何卒ご容赦願いたい。
「しかし、最近はダンジョンのダの字も出てこないではないか! これではタイトル詐欺も同然! そう、やはりこの世界は間違っていたのだっ!!」
ドヤァと決め顔を作り、ビシィと決めポーズまで取るウィザー。
これがマンガであれば、彼のバックに『どーーーん!』という効果音が描かれていたに違いない。
対してドリィは、あくまで冷静に、粛々とした様子で微笑む。
その微笑みはまさに、天使のような魔族の笑顔であった。
「いいえ、ウィザー様。この世界は何も間違ってなどいません。むしろ今の状況こそが、まさにタイトル通りの状況だと言えましょう」
「な、なにぃっ!? どういうことだ、ドリィ!?」
「いいですか、ウィザー様? タイトルを再度復唱なさってみてください」
「む……『ダンジョン作ったけど誰も来ないんだが』だが……それがどうかしたか?」
「ええ、タゴサクさんたちが頑張っているお蔭でダンジョンには誰も来ない――ほら、今がまさにタイトル通りの状況ではありませんか」
「なん……だと……っ!?」
言われてみれば確かにその通り。
決して後付けなどではなく計算されつくした展開に、ウィザーはただただ閉口するしかなかった。
「で、ではっ、ダンジョンに冒険者を呼び込むのはっ!?」
「残念ながら、現在のタイトルである限りは無理ではないかと……」
「バ、バカなあああーーーっ!?」
唐突なネタバレが、ウィザーと読者を襲う。
「そ、そうだ! 今からでも遅くはない、タイトルを変えてしまえば……!」
「そうすると、ウィザー様が主人公ではなくなってしまう可能性が出てきますが」
「それはイヤだあああーーーっ!?」
そう、いつだって現実は非情なのであったとさ。
あったとさで締め括ると、なんとなくオチがついたような感じがするので、それで締め括るのであったとさ。




