最終話
「これが制服……!」
「おぉ、似合ってる、ミミかわいい!」
「えへへ、ありがとう、お姉ちゃん」
あれから数年の月日は流れ、この日はミミの中学校入学式だ。
初めて制服に袖を通したミミは、これから始まる学校生活を連想し、心躍らせていた。
実は、彼女はこれが初の学校である。
数年前の出来事だ。
ミミの身体年齢は検査した結果、推定七歳だと判断された。そのためノア、そして異能局はミミに小学一年生レベルの教養を身に着けさせる必要があるとし、異能局所属の教師などによって彼女は確かに知識や思考力を身に着けた。
しかし。
『い、いや。やめて……!』
『ミミ!』
同時にミミは、その期間でノアの元を安心できる環境だと認識した。結果、麻痺していた感覚が、緊張が一気にほどけ、ミミは研究施設での出来事が、トラウマ化しPTSDになってしまった。
常時何かに怯え、酷い時は倒れるなど、彼女はまともに勉強、生活すらできなくなった。
そんな状態で小学校に通えるわけが無い、そのためノア達はミミのそれを治療することに専念することにした、のだが。
その症状が緩やかになったのは三年程経った後。その後も彼女は時折泣き出したり、叫び出したり、暴れたりと、完全に治った訳でもなかったため、小学校は諦め、中学に向けて色々と準備をする、ということに落ち着いた。
ちなみにミミが暴れると大変である。エレック達の実験により並外れた身体能力を持っているからだ。
閑話休題。
結局、ミミのPTSDはまだ完治とはなっていないが、その症状は大幅に抑えられている。
流石に中学は行かせたい、そして何より、学校に行ってみたいというミミの要望を叶えたい。ノアはそう思ったため、病院や異能局と連携し、こうしてミミは初の学校、中学校へと通えることになったのだ。
「クソ、変な人に捕まらないようにな。あぁ心配で仕方が無い、やっぱり仕事を放棄して最初から出るべきか?」
「大丈夫だって!」
この日はミミの入学式だが、ノアは急遽仕事が入ったため、これから仕事に向かわなければならない。
仕事をすぐに終わらせ、入学式開始までに学校へ行くつもりだが、彼女はその間ミミが無事でいられるか心配のようだ。
大げさだと思うかもしれない、だがミミは絶世の美少女である。悪い輩に付け狙われないかと心配になるのは当然だ。
ミミの身長や、男性がよく見るであろう胸は、栄養失調状態であったり、数々の薬を打たれたためあまり成長せず小さいが。溢れ出る小動物感、綺麗な白い髪、何より顔の良さがあるため、むしろ庇護欲を掻き立てる要因になっている。
ナンワン曰く、その様は天から舞い降りた天使のようであるとか。これにはノアも同意見らしいが。
流石、人工的に作られただけあるのだ。現在そのことを知るものは誰一人として居ないが……。
「……そろそろ時間だな、気を付けて行くんだぞ」
時計を確認したノアはそう告げる。
「うん、行ってきます!」
そうしてミミはいつも通りの控えめの声で、しかし元気よく、扉を開け中学校へと向かって行った。
もはや別人同然だが、"彼"的にも、これで良かったのかもしれない。
【あとがき】
ぬい葉です。
完結ですね! 書いていた時は自分ですごい面白いって思ってたんですが、見返したら全体的にそこそこでした。オチとかもっと強くしたかった。
でも初めてのTS作品にしては良くやれてると思ってますがどうでしょうか?
この後ミミは、学校で男女関係なくモテたり、異能局の仕事のお手伝いをしたりしていきます。
続きを書くつもりはありませんが、そんな想像をしていただけたらなと。
あと、続きと言えばノアがどこかで死ぬ妄想が止まらないです。いや、これはハッピーエンドで終わらせるって決めてるんでそんなことは、したいけどしたくないですね。
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