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デコピンと書いて舐めプと読む

流石に骨は折れなかったが、バテて倒れようが、襟首掴んで無理やり立たせて殴られる。


ただ、剣を振るのに力みは無くなったのだろう、楽に振れるようになった気がする。心なしか動きも無駄が少なくなった気もする。


殴られたり、蹴られたりの回数はもう100回は越えていると思う。それでも、何とか一矢報いたいのだが、蓄積されたダメージが到底それを許してはくれないだろう。


先に柑奈が完全に気を失った。

死んでは居ないと、姉ちゃんは言うがその確信は僕には無い。

ただ、そんな会話をしている最中も姉ちゃんの拳は僕の身体を捉えてくる。


僕は理不尽過ぎるほどの圧倒的な暴力に晒されている。

見えなければ避けようが無い。

斬りかかろうにも、そこには何も居ない。

じゃあ、手数で相手に何もさせないように手を出し続けると、その全てをニヤつきながら避けてしまう。


とうとう、姉ちゃんの攻撃がデコピンになった。

もう狙ってくる場所は額のみだ。

それでも避けられない。

だが、必ず額を狙ってくるのなら、そこに剣を振れば良いはず。


そう思って振り出した剣は、無情にもデコピンしに来た手の甲で軽く受け流され、最後の仕上げとばかりに僕の左のこめかみにハイキックが飛んで来た。



目を開けると、空が見えた。

ああ、僕は気を失っていたのだな。


柑奈は先に目覚めていたようだ。

だが、到底立てる様子では無い。

手や足は傷だらけだし、残念ながら見ることのできない太腿はきっと内出血で明日あたり真っ黒になっていそうだ。


流石にこれ以上訓練は続けられないだろう。

僕も戦うどころか立てそうにも無い。

まだ、蹴られた頭がガンガンする。


あの時点でデコピンに来る腕を狙うのは正解の一つだったと思う。と言うよりそれ以外に何も選択肢は無かった。


結局のところ、戦闘の瞬間において工夫や知恵でひっくり返せるのはごく僅かな差なのだろう。

だとしたら、その工夫や知恵は基本的な力を底上げするために使うべきかもしれない。

人よりも効率良く強くなるために。


もし、僕が姉ちゃんを足止めする手段を持っていたら。

もし、僕が姉ちゃんに絶対当たる攻撃手段を持っていたら。


無い物ねだりは見苦しい。

でも、その見苦しいことを僕は考えないといけないんだ。

今欲しいものをはっきりさせることが、強くなるための第一歩なのだから。


多分、それを考えさせる為の訓練だったんだろう。


姉ちゃんは、アントニオ殿下と模擬戦をしている。見取り稽古のつもりでもあるのか、多少スピードを落としているように見える。

それでも、二人とも僕らには不可能なスピードで動いている。


アントニオ殿下がいつ来たのかわからないが、彼の汗の量を見る限り結構な時間ああして模擬戦をしているのだとわかる。


相当な時間、僕は気を失っていたんだな。


アントニオ殿下は例によって莫大な魔力を循環させている。

実は、僕もこの魔力を循環させることに挑戦してみた。

見えるというのは便利なもので、それほど時間も掛けずに魔力の体内循環に成功した。

これをすることによって、MPが少しだけ上がるのは既に確認済みだ。

現に僕の現在のMPは6から8に上がっている。


ただ、まだ相当に意識しないとできない。とてもじゃないがアントニオ殿下のように戦いながらはできることじゃない。

多分アントニオ殿下は、半分無意識でやれるようになっているのだろうな。


魔術かな。

僕の戦力の底上げのために、僕が欲しいのは魔術だ。

足止めも、絶対当たる攻撃手段も、魔術なら実現できそうな気がする。



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