final chapter 思い出として・・・
「どうしましたです、マサトさん?」
おれはミサキを呼び出した。俺の結論を伝えるためだ。前置きは抜きでな。
「単刀直入に言おう。・・・帰って欲しいんだ。」
こんなあっさり終わらせていいのかって?・・・いいのさ。人間、何事も諦めが肝心だからな。
「・・ふぇっ!?どどっど、どうしたんですかいきなり?」
そりゃま戸惑うわな。今まで受け入れてもらってたんだから。俺はありのままを伝えることにした。
「・・・それはわかってました。だから実はこの観測も期間限定だったんです。」
それは聞いたと思うが、いつまでなんだ?
「・・・もう終わりです。だから心配しなくていいですよ。もう・・・帰りますから。」
おい、そんなあっさり言うなよ。俺はこれでも寂しいんだぞ?退屈な日常をぶっ壊してくれたからな。
「聞いたと思いますけど・・・いつまでも幸せな時間なんて続かないもんですよ。多分辛いと感じる時間の方が長いと思います。でも幸せだった時間は思い出として残せるじゃないですか。だから私が帰ってしまっても、あなたは大丈夫ですよ。思い出として残せる手段はいくらでもありますよ。」
今までのは何だったのだろうか。気がつくと、俺はパソコンの前で眠っていた。日付はミサキがやってきた日をさしている。・・・つまり、今までのは夢?
俺は自分に都合のいい、楽しい夢をみていたということなのか?パソコンに入っているギャルゲを起動すると、ツクヨミさんがタイトルに表示されていた。・・・やはり夢であったのだろうか?
ふと身体を起こすと、脇から手紙が落ちてきた。
「・・・ミサキより」
・・・夢ではなかったようだ。だが、既にあった現実としてはなくなったらしいな。だが、俺は今までの体験を思い出として残さなければならない。だから俺は書き始めた。タイトルは・・・
「『嗚呼素晴らしき我が日常』・・・こんなところでいいか。」
初めての自作小説なので矛盾してる部分があるでしょうが、なんなりとご指摘ください