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三人と一匹
今日の商売は、マツタケをかついでいたのだが、これはいつものように街をながすことはせず、はじめから、はなしをとおしておいた相手にだけ売ることにした。
その、最後が、知り合いの『西堀の隠居』こと、セイベイをとおして知り合った、『蓮池』の屋敷に住むダイキチのところだったのだが、そこでそのまま、売り物のマツタケをいっしょに食べましょうと、誘われたのだ。
どうもこの、ダイキチがあいてだと断りにくい。
嫌ではなく、遠慮が通らないというか、―― ここにくると、けっきょくいつも長居してしまうのだ。
今日も、買ってもらったマツタケを、小鍋に仕立ててたべようということになり、七輪の上にすぐ出汁のはられた鍋がきて、まずは、さっと煮たてて一本たべた。
そこからまた野菜をたして、三人と一匹で、煮立つのを待ってるあいだ、ふいに思い出した『キノコ』についてのはなしを、ヒコイチがしていたのだ。




