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98 10日目朝

 目が覚めると、やはり両肩に頭があり足を絡まれ、両側から抱きつかれていた。

 毎朝こんな感じだな。でも今日はパジャマ美少女二人だからちょっと新鮮かも。


 首を動かすと、ディオーナが気づいた様で、肩から頭を降ろし、


「あ、おはようございますご主人様。」


「おはよう。よく眠れた」


「はい。とても安眠出来ました。」

とディオーナは言った後、じーっと自分を見つめて離さない。


「如何したの?」


「ご主人様の「おはようのキス」を待っています。」


「・・・・・・」


ジー・・・・「して下さらないのですか。」


「う。うん」


「イヴァンネやスサンは良くて私はダメなんですね。酷いです。

分かりました。では、私もホームポジションの領有権を主張し、そちらにおはようのキスをさせてもらいます。」

 と、言うやいなや布団の中に潜り込もうとするディオーナを押し留める。


「そういうこと誰に教わってきたの。」


「貴族の娘ですから閨房術は一通り勉強しています。実践は初めてですが・・・。イヴァンネとスサンに領有権の話は聞いたので、実行に移そうかと思いました。」


「そういうの今はいいから。戻って。おはようのキスをするから。」と、言うとはにかむ様にでも嬉しそうに布団から顔を出してきたので、おでこにキスをする。


「領有権を主張させていただきます。」と言い、また布団に潜ろうとするので仕方なく。「潜るの禁止・命令」と告げると泣きそうな顔で布団から首を出した。


「はいはい。」と、唇に軽いキスをしたつもりだったが、両手で顔を押さえられディープなものになっていた。

息が苦しくなって来たので、背中をトントンとすると、

「私初めてですけど、ご主人様分補給が出来ました。これで今日一日頑張れます。」と、満面の笑みで囁く。


 ディオーナの両手から解放されたと思ったら、違う手が領有権を主張している。

 振り向くと、グンネルがキラキラした瞳で訴えている。自分も!!って。


「おはようございますご主人様。「おはようのキス」をお願いします。」


「わかったら、その領有権を主張している右手をどけてくれるかな。」

 

「このままではいけませか。」


「だめです。命令するよ。」


「分かりました。」と言い手を離すが、やはり両手で顔を押さえられ、ディープな世界に入っていった。


 暫くなされるがままでいたが、息が苦しくなったので背中をトントンして離れてもらう。


「ご主人様分補給完了しました。私も今日一日頑張れます。私の初めては全部ご主人様にするんですからね。意地悪しないで下さいね。」


「はいはい」と、返事をしてから、しれっとグンネルの代わって領有権を主張するディオーナの手を引き抜き、「さあ、起きて、朝食の用意にゆくよ。」と、布団を剥いで二人を起こす。

 イヴァンネとスサンは何を皆に吹き込んでいるのだろう、あとで確認しておいた方がいいかな。



 2人には自室でメイド服に着替える様に言いつけ、寝室から追い出すと無意識にため息がでてしまった。ウチの奴隷達は如何してこんなに積極的なんだろう・・・。


 ストレッチして少し体をほぐしてから服を着替え、マップを起動して気配感知をしてみるが、屋敷の周りには赤点はなく、夕べの内に戻っていったみたいだ。

 別館内赤点は一室にまとまっていることと、詰め所は青に戻っていることを確認してから別館に向かう。






 別館の食堂に着くと、全員我が家のメイド服に着替え揃って待っていた。派遣メイドさん達も全員整列していて。流石プロメイドだな。寝る時間は有ったのだろうか。うん、気にしたら負けだから気にしない。勿論、ミミリィとエイラさんも目の下にクマを作ることもなくも無くスタンバっていたよ、やっぱり鍛え方が違うんだろうな。


「おはようございます。これから朝食の用意をしてお客様をおもてなしします。料理は昨日のウチに作ってありますから、基本はあと並べることです。

 イヴァンネとスサンはパンを仕上げて。

 料理班1は、パンケーキとグラタンの用意をお願い。

 料理班2は、鮭の香草蒸しを仕上げて。

 片付班は、テーブルの準備。

 給仕班は料理を並べるテーブルを用意して。お茶がいつでも出せる様にしておいて。

 7時には食堂を開けるので、10分前には出せる様に用意して。

 食堂を開けたら、給仕班と片付班はお客様のお世話をしてください。料理班は料理が無くならない様に確認して無くなって仕舞わないように調整をお願い。食事が終わった食器は片付班が速やかに回収してね。指揮はミミリィとエイラさんにお願いするね。よろしく。」


「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」


 未完成品をアイテムボックスから出し、仕上げを頼む。

 皆テキパキと動く、数日前は何も出来なかったのが嘘みたいに、皆頑張ってるだな。いい傾向。 


「ちょっと、庭に出てくるからね。」と告げて、詰め所まで出かける。





 詰め所は静まっていて落ち着いているみたい。結界を解除してドアを開けると、何事も無かった様に警備担当達は軽鎧に着替え仕事の準備をしているところだった。


「おはようございます。どうでしたか、ぐっすり眠れましたか。」


「おう、美味しい料理と美味しい酒を堪能したからな、久しぶりにぐっすり眠れたぞ。」


「それはよかったです。そろそろ、お客様方が起きて来ますので、外回りの警備をよろしくお願いします。」


「了解した。あくまでも、そのために此所に来たのだからな。料理のためじゃないからな。」


「そうですよね。よろしくお願いします。」と、1人1人と握手して挨拶をする。

 挨拶をする間に鑑定すると、暗示という表示がある。仕方ないので挨拶を兼ね握手する振りをして暗示をレジストし、別館に戻る。


 ふー。暗示か・・・。なんだろう、近衛騎士団とは戦うなとか、警護班を無効化しろとかなのかな。分からないが、まあいいや。






 食堂に戻ると、もう準備はできあがっていたが、あれ料理がなんか少ない。 って、あ、完成品はアイテムボックスの中だっけ。


「じゃあ、アイテムボックスから出すから並べていってくれるかな。」と、厨房に移動し何事も無いようにアイテムボックスから昨晩のうちに作った料理を出してゆく。


 気配感知で見ると、お客様方はもう起きて動き始めているみたい。


「そろそろいらっしゃるから、食堂のドアを開けて匂いを広げるよ。皆準備はいいかな?」


「「「「「「「「「「はい。」」」」」」」」」」」







 食堂のドアを開けると、匂いにつられる様にお客様方がぞろぞろと入ってきた。


「おはようございます。本日は、カフェテリア形式とさせていただきますので、お好きな料理をお取りください。」


「この年になってか」といった表情では有ったけど、学園時代を思い出した感じで、笑いながら皆さん順番に並んで、料理を取り、テーブルに進んでいった。


 皆さん貴族の当主と夫人だから、カフェテリア形式で自分で料理を取ることはしてないからね。普段はメイド達が「上げ膳・据え膳」で座って食べるだけだろうからちょっと趣向を変えてみたのだけど受けはいいみたい。


「あ、王子様達のことは考えていなかったけど、学園時代は普通に並んでいたと思うから大丈夫だよね。うん、気にしない閣下がうまくやってくれる。だろう。多分。」と、ミミリィに聞いてみたが返事はなかった。





 穏やかな感じで朝食は進み、大きな問題はなく経過している。

 王子様達も笑いながら並んでいたし、いい感じだった。






 苦情もなく、皆さん満足したみたいで三々五々部屋に戻っていった。


 入れ替わる様に、フェリシアとマルディダ様が眠そうな顔を笑顔に変えて入って来た。

 食堂を出て行く人たちとすれ違う時は和やかだけど通り過ぎると素がでてる。昨晩はいつまで女子会していたんだろうか。



 これでお客様は最後だな。



 さて、今から食べるとお客様の見送りには間に合わないから、給仕と後片付けは派遣メイドさんに任せて、全員で玄関にお見送りをするため玄関に出る。



 付き人さん達は既に馬車のスタンバイさせていて、後は主人を待つだけの状態となっていた。流石に貴族の付き人さん達は仕事が早いな。



 玄関に並びお客様達を待ってると、気配感知に整然とした集団が引っかかった。

あ、閣下をお迎えに来た第一師団か。


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