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99 第一師団

 玄関前をミミリィに任せ、正門まで出迎える。


「おはようございます、お迎えご苦労様です。」


「おう、朝から騒がせてすまんな。我々は第一師団である。朝の見回りのついでに、団長を起こそうと思ってな。」


「この屋敷の主、間橋太郎です。」


「お、貴殿が太郎殿か。」と、言うや否や下馬し満面の笑顔で近づいてきた。


「申し遅れたが、俺は第一師団第1分団長をやってるヨルゲン=ヘーグストランドだ。」と右手を差し出し、握手を求められた。

 痛いからあまり強く握らないでね。


「このたびの事、感謝に耐えぬ。団長をありがとう。我が第一師団、全団員からの感謝を貴殿に。」


「そんな、大げさなこと。義父ですから出来ることをするのは当然ですよ。特別な事ではありません。」


「ふふ。本当に謙虚な男だな。我ら第一師団は我が国の精鋭であり。例え団長が不在であって2倍程度の敵なら蹴散らせる実力はある。ま、そのように団長が鍛え上げているからな。だがな、団長がいれば3倍など軽く殲滅できるのだ。気合いが違うのだよ。個々の分団が当千であっても団長がいれば当万になる、そのくらい我らに取って必要なお方なのだ。 その団長が病に倒れた事で、我らの気合いが目に見えて落ちていたのが、貴殿のお陰で復活した。これを感謝と言わずなんと言うのだ。」


「あ、ありがとうございます。」


「それに、我が分団の事であれば、エヴェリーナ=オーストレームを保護してもらっている。これも感謝の念に耐えん。」


「エヴェリーナですか。」


「彼女は、今年度の騎士登用試験第一位で我が分団配属の予定だったのだ。それをあのバカ王子が・・・・。あ、今のは聞かなかったことにしてくれ。一応不敬だからな。」と、苦笑い。


「その点でしたら、ご心配には及びません。毎朝欠かさず私達と訓練していますから、力が落ちていることはありません。スヴェアも相手をしていますから。」


「そうか、スヴェア殿が相手してくれているのか、頼もしいなこれからもよろしく頼む。 それとな、甘太郎か。旨かったぞ。今度、巡回中にでも寄らせてもらうからな。」


「はい、よろしくお願いします。」


「で、つかぬ事を伺いますが、巡回は順調でしたか。」


「うん? なんのことだ。」


「朝巡回というよりも夜通しの感じがするので、頭の黒いネズミ10匹は駆除されたのかなと思いまして。」


「ほほ~。我らは第一師団の巡回だからな、ネズミの駆除なぞせんぞ。まあ夜間巡回中、第3師団と、近衛騎士団とはすれ違ったがな。頭の黒いネズミなど見ておらんし、そんなものは、北墓地ででも寝ているのではないか。土の下で。」


「そうですか、僕の思い過ごしですね。 お騒がせしました。 では、そろそろお客様もお帰りの様です。閣下も出ていらっしゃると思いますので、どうぞ中の方へ。」と促すと、いかにも精鋭と感じる50騎が隊列を整え、両脇に整列した。


「では、僕はお客様のお見送りがありますので、玄関に行かせていただきます。」と、第1分団から離れ玄関に向かう。




 玄関まで来ると、僕のメイド達はキチンと整列し、お客様をお見送りしているところだった。ミミリィちゃんとやってるね。


 流れる様に10組のお客様方がお帰りなっていった。馬車に乗るまでの未練たらたらで口惜しそうに自分の娘を見ていたが、馬車に乗ると吹っ切れた様に走り去って行った。


 後は、第一王子、第二王子夫妻とアンドレアソン公爵、閣下のみになったので、丁度食事を終えて出て来たフェリシアに、エヴァリーナと一緒に第一分団長に挨拶に行って来るよう様指示したら、マルディダ様までついて行った。フットワーク軽いな王女様。


 暫くして、フェリシア達が戻ると時を同じくして、第一王子、第二王子夫妻とアンドレアソン公爵、閣下が出て来た。

 あれ、テレーシア様達は如何したんだろうと思ったが、来るときも別便だったことを思い出し自己完結した。あれ、でもいつ帰るつもりなんだろう?


 自分、フェリシア、ミミリィ、マルディダ様、奴隷達全員、エイラさん、それに後から出て来たエレオノーラ様やテレーシア様アンナリーナ様と勢揃いして第一王子、第二王子夫妻を見送り。無事、王子夫妻・閣下達は第一師団を伴い笑顔で去って行った。

 護衛担当者もスヴェア・ベルタの2名を残し、閣下と伴に帰って行った。あれ、2人は行かなくていいのか? まあいいや。



「はい、ご苦労様。これで今回のパーティーは全て終了。皆ご苦労様。あとは、僕たちも朝食を食べてしまうよ。その後は片付けがあるからね。ちゃっちゃと片付けて、午後から甘太郎を始めるよ。」と、自分の言葉を遮るように。


「では、片付け終了後午前10時から正夫人会議を開催しますので、本館食堂に集合すること。」と、ミミリィが告げると、

「「「「「「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」」」」」」 と、今までに無いような元気な返事が返ってきた。


「うん、なんだ?」

疑念を抱きながらも、朝食のため食堂に向かう。



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