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65 束の間の寛ぎ時間の筈が

 皆はお腹が余り空いていないせいか食は進まないようだけど、普段の食事と同じで口に合うのだろうか、和やかに食事をしている。


 自分はエイラさんとイヴァンネ、スサン様とワインを嗜みながら舌鼓を打っていた。


「あ、そうだ。渡す物があるんだ。みんなそれほど体格が違わないから同じ物だけど、今日の着替え。普段着用も入っているから確認してね。

 グレーの上下はパジャマ、寝間着だね。風呂上がりに着替えちゃっていいよ。それからグレー下着上下。明日のメイド服と下に着る半袖Tシャツとブルマに靴下。スカートの下ショーツだけだと寒いでしょ。お腹冷やすといけないからね。あと白ブラウスに焦げ茶のガウチョパンツは、休みの日にでも着て。それと、紺色の上下グンマーではジャージって言うんだけどこれは自由に着ていいよ。」

 アイテムボックスから袋を取り出し、1人ずつ配る。

「これ、奴隷用の服だから、エイラさんのは無いからね。」と、ボソッと言ったらエイラさんちょっと涙目


「食事が終わった人から、お風呂に入っちゃって。それから、みんな同じ服だから、自分の物には名前を書いておいてね。今日の服も洗濯籠に入れる前に名前書いて。分からなくなっちゃうからね。他の人の下着を着るのは嫌でしょ。」と、アイテムボックスから、なまえペンパワフル○ーム黒(多分グンマー産)を人数分出してそれぞれの袋に入れる。

「あ、そのペンにも名前書いておいてね。 書くペンは隣の人に借りてね。」


 皆、紙袋をのぞき込みながら、ワイワイ言っている。


 そのうち、1人、2人と席を立ち、風呂場に向かって行った。

 そして、食堂には自分とエイラさん、イヴァンネ、スサン様の4人が残り、まったりワインを傾けていた。




「あの、ご主人様今更のことなんですが、私性奴隷なんですよね。」と、スサン様が呟く。


「そうだよ。」


「奴隷なのに、ご主人様と同じテーブルで同じ食事を摂って、同じワインを飲んでいていいんですか。」


「なにか不都合でも?」


「いえ、私は嬉しいのですが、奴隷って粗末な食事と粗末な衣服で、物扱いで惨いことされるのが相場と決まっているのに、こんなに幸せでいいのかなと。」


「いいの。僕の奴隷だから。ちゃんとした物を食べていないと、お客様に美味しい物が提供出来ないし、きちんと身支度して清潔を保ってもらわないと、食べ物に触らせられないじゃない。それに幸せでないとお客様に笑顔で接する事ができないでしょ。だから、気にしない。」


「でも、お酒は・・・ いいんですか。」


「独りだけ飲むより多い方がいいでしょ。僕だけ飲んで「周りの皆は素面で見てるだけ」って罰ゲームでしょ。」


「罰ゲームが何かわかりませんが、気持ちのいいものではないですよね。」


「そう、だからいいんだよ。」


「そうよ、ご主人様がいいって言って下さるのだから、甘えましょ。その分、ちゃんと仕事をしてお客様に喜んでもらい、ご主人様にはご奉仕すればいいのよ。心身共にご奉仕。」とイヴァンネが口を挟む。悪戯な笑顔が怖い。


「その、ご奉仕少し怖いんだけど。」


「今日は、私とスサンの二人で、お風呂から明日朝までご奉仕させて頂きます。ご主人様第一ですから、二人で誠心誠意お世話させていただきます。反論は認めません。いいわよねスサン。 なので、エイラさんのお手数は掛けませんので、ご安心下さい。」


「え、ええ。ご主人様、不束者ですが、誠心誠意お世話させて頂きます。」と、スサン様が小悪魔的な笑顔で微笑む。


「あ、はい。お手数掛けさせてもらいたかったんだけど・・・。」エイラさんが消えそうな声で呟く。


 彼女達が風呂から出たあと、やっぱりバスタオルを巻いたエディットが食堂に呼びに来た。

「ご主人様、使い方が分かりません。 これ如何したらいいのですか。」あ、ブラの付け方教えていなかったね。

「あ、そうだね。風呂場に行くよ。」と、席を立ちエディットとお風呂場に行く。


 脱衣所では、マルギット、エヴェリーナ、テレーサがタオルを巻いた状態で待っていた。


「じゃ、ブラの付け方だよね。 これはブラジャーという僕の国の女性用の下着のスポーツブラという分類のものだよ。他にもいくつか種類があるんだけど、一番汎用性が高いものかな。」と、広げて見せる。


 テレーサに後ろを向いてもらい実際に着けて見せる。

「肩から掛けて、おっぱいを包むようにして後ろでホックを留める。こんな感じ。 そうすると、動いてもおっぱいがあまり揺れないのさ。あと、外枠ができるから生々しさがなくなるので、僕の視線が行かなくなる。」という感じかな。


「着けると、ご主人様が視線を向けてくれなくなるのですか。」


「そういう事じゃ無く、不用意に視線が行かなくなると言うこと。と考えて。」


「分かりました。」


「他の子にも教えてあげてね。」と言い残し、食堂に戻る。


 着替えが終わった子達は、食堂に顔を出し「おやすみなさい」の挨拶をして自室に戻っていった。先の見えない奴隷商会で不安と疑念で緊張していたろうし、彼女達も疲れているよね。

 そもそも、彼女達があそこに売られること自体がおかしいのだから。


「では、ご主人様はここでお待ち頂けますか。後片付けが終わったらお風呂にご案内いたします。」イヴァンネが白々しく言う。


「いや、いいよ。レポートを部屋に置いたら、独りで入るから大丈夫。ゆっくり後片付けをお願い。」と、無下に答えて私室に戻る。


「後片付けが済む前に、お風呂に入っちゃおう。」


 着替えを持ち浴室に向かうと、最後の組と思われるソフィーアとマルティナにすれ違う。


「みんな上がったかな。」


「はい、先に食事が終わった組は私達が最後です。」


「じゃ、おやすみ。 ソフィーアは当番だから朝早いよね。慣れないから大変かも知れないけど頑張って起きてね。」


「はい、大丈夫です。毎日早朝練習は欠かしませんでしたから、早起きは得意です。」


「了解。じゃおやすみ。」 


「はい、おやすみなさいませご主人様。」


 早朝練習かスヴェアみたいだね。剣士はそうやって鍛えているんだな。




 浴室はやはり独りだと広く感じる。まあ、二人でも広いのだけれど。

 桶も椅子もちゃんと整理されて置いてある。感心感心。ソフィーア達の気遣いかな。

 貴族とはいえ一般的な躾はされているみたい、これなら大丈夫そうだね。


 身体を洗い、湯船に浸かって、足を伸ばしぼーっとする。

 この世界に来て、独りで入るお風呂は初めてだ~な。と、考えていると気配感知が反応した。イヴァンネとスサン様だね。貴重な時間が終わる、か。


「「お待たせいたしました、ご主人様。これから二人でお世話をさせて頂きます。」」


「あ、もう身体も洗ったから、後は出るだけだよ。僕のことは気にしないで。」




「では、せめて私達が身体を洗うまでお待ちください。」と言い、二人並んで身体を洗い始めた。


 浴槽の縁に頭を置き半分浮いているので、何をしているか見えないけど動きが速いのは音で感じる。気にしないように気配感知を切った。


「終わりました」と、左右から湯船に入って来て、両方から腕をとり身体を寄せてくる。


「リラックスしてるところだから、出来れば放っておいて欲しいのだけど。」


「「ご主人様とお話がしたいのです。」」


「僕はリラックスしたいのだけど・・・。二人の胸が腕に当たってるので、離してくれると嬉しい。」


「こういうの嫌いですか。」イヴァンネとスサン様二人して上目づかいでうるうるしてる。

 いえ、とっても好きです。けど、そんなことしたら水面から出ちゃうじゃない。


「ほら、嫌いじゃ無いって言ってますよ。身体は正直ですね。」イヴァンネ触るな。スサン様が真っ赤になっているじゃない。って、スサン様までなにしているの。


「嫌いじゃ無い。多分好きだけど、今日はいいや。君たちに不満があるわけではないけど。」 と冷静を装う。一部暴走するな、制御下に戻れ。


「やっぱり、胸なんですね。」頭の上の方で声がした。


「え?」って上を向いたら、エイラさんが立っていた。

 エイラさんタオル短すぎて下からだど見えてますけど。気づいてお願い。 と、思ったが、自分の姿を想像してみた。湯船に浮いて両腕が左右の美人の胸に挟まれ、一部を二人の手でしっかり握られている。ってどんな罰ゲームだよ。「彼女」だったら、そのまま平手打ちして駆けだしているシチュエーションだよ。


「やっぱり、私みたいな洗濯板だと相手にしてくれないんですね。ミミリィやスヴェア、奴隷のイヴァンネやスサンは良くても私じゃだめなんですね。」


「え、えぇ?」

 確かにイヴァンネもスサン様も女神様だけどミロのヴィーナスよりも大きくて谷間がしっかり出来る位はあって、エイラさんは詐欺ブラ(失礼な言い方ですみません。)しても谷間はないけど・・ってそうじゃない。


「今は、独りでリラックスしたい気分だから放っておいてって言ってるだけだよ。胸にかかわらずイヴァンネもスサンも魅力てきな女性だと思うよ。特にそのしれっと二人で動かしている手をどかしてくれるともっと。」


「全然会話が繋がらないですね。やっぱり胸が無い女じゃ太郎様は相手にしないんですね。」


「私達がダメなら、ご主人様にしてもらおうかしら」って、手をとって何処に持って行こうとするんだ二人して。


「ええい、やめい。 ったく。 今はそういう気分じゃないの。」腕を振り解こうとするが、しっかり掴まれていてほどけない。まともに力をいれると怪我させちゃうから、力任せができないところを、見透かされているようで悔しい。


「太郎様はやっぱりダメなんですね。」と言いながら湯船の縁に頭を預けている僕の顔に、上から無い胸を押しつけてくる。 肋骨が当たって痛い。でも言えない。言ったら人生終わっちゃいそう。


「だから、いまそういうのじゃなくて、リラックスしたいからって言ってるの、聞いてる?」


「聞いてます。」泣きそうな顔でエイラさんが答える。


「それに、エイラさんは奴隷でもない未婚の女性なのに、男の前に裸で出てきちゃダメでしょ。それに、顔に裸の胸を押しつけるなんてダメですよ。将来の旦那さんが怒りますよ。」


「私、太郎様以外の男と結婚する気はありませんから、いいんです。」と、キツく頭を押さえ始めた。


 鼻が潰れるぅ。首が折れるぞ、声に出せないのが辛い。

ミロのヴィーナスの比喩は、昔美術の先生が「ミロのヴィーナスは美しいが、バランスが・・、もっと胸が大きい方がいい。」みたいな事を塑像デッサンかなにかの”授業中”に言っていたことを思い出して書きました。今だとセクハラになるんでしょうね、共学だと。

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