64 夕食準備
「買えて良かったですね。」なんかイヴァンネ様の時と口調がちがうんだけど、ちょっと怖いかも。
「うん、これで仕入れをしていることが分かればいいからね。不足分はネット通販で買っても説明が付く。」
「大麦は何に使うんですか。」
「大麦は麦芽糖を作るの。この世界では砂糖はまだ高いでしょ。だから麦芽糖で代用。」
「ビールでも造るのかと思いました。」
「ビールいいね。作ってみようか。」
「ご主人様よろしくお願いします。」イヴァンネが頭を下げる。もしかしてイヴァンネって酒好き?飲んべえ?
「夕食の材料を買って帰らなきゃね。 今日は何にしようか。」
「多分、今晩のご飯はいらないと思いますよ。」
「え、なんで?」
「お昼をお代わりしていましたし、甘太郎の練習で失敗品を食べ過ぎてお腹いっぱいになってますよ、きっと。」
「あ、あはは・・・。そうだね、スープだけでいいか。 あと、明日の朝ご飯のおかず用の食材は買わないとね。」
「そうですね。」
「イヴァンネはパンを焼けるかな。」
「設備はありましたよ。ただ、酵母とかが無いですから、直ぐには作れません。」
「酵母はネット通販で用意すれば大丈夫かな。」
「大丈夫ですよ。ばっちりです。」
「じゃあ、帰ったらパンの仕込みをお願い。スサンも使って。」
「スサンは家事一般が出来る能力は残してもらえてるみたいですから、十分戦力になります。貴族のお嬢さん方はちょっと鍛えないと難しいですね。」
「その辺はエイラさんに頑張ってもらおう。」
そんな事を話ながら、商店街を通り食材を物色しながら別邸に戻る。
「ただいま帰りました。」玄関を開けると、まぁ開ける前からなんだけど甘くていい匂いが充満していた。 エイラさんが、駆け寄ってきてお帰りなさいを言う。他は、付いて来ていない。エイラさんちゃんと教育してね。
店舗に行くと、大量の甘太郎と大量の失敗作品が山積みになっていた。
「どう、練習は出来た。 実践に移れるかな。」
「はい、大丈夫です。」と声を揃えて返事が帰ってきたが、メイド服の上からでも分かる位お腹がパンパンになっている。 良く食べたな・・・。
「夕飯は要らなそうだね。落ち着いたら、後片付けとお風呂の用意をして。 夕飯は・・そうだな。僕とイヴァンネ分は作って食べるからいいよ。
終わったら、レポートを書いて置いてね。食後に読むからそれまでにまとめて置くこと。」
「私も食べたいです。」エイラさんがボソと呟く。
振り返ったら、エイラさんは上から下まで一直線のままだった。つまみ食いしなかったのね。
「分かったよ、3人分は作るから。イヴァンネが。」
「え、私ですか。」
「そう、簡単でしょ。 エイラさんはこの子達のこれからの役割分担と仕方を説明してあげて。」
「あ、はい。」
買って来た物を冷蔵庫にしまい、調理をイヴァンネ達に任せて私室に戻る。
私室に戻り、おもむろにノートPCを取り出す。
使用人達には、まだ下着とメイド服しかあげて無いから、普段着や寝間着がないんだよ。
どうしよう。一応奴隷だから着飾る服は与えないとしても、メイド服と下着1着だけでは無理だよね。流石に、元貴族令嬢が前に用意したグレー一色だけじゃ可哀想だから、ミミリィに怒られない程度はそろえよう。
ノートPCを起動してネット通販を開く。さて先ずは普段着だよね。寝間着は前買ったパジャマの色違いでいいだろうけど、普段着はどうしよう。女の子の普段着なんて意識したこと無いから全然分からないぞ。中学生みたいに学校指定ジャージか?
自分とお揃いの赤備六文銭ぐんまちゃんジャージでもいいな。特注で作れるかな。
メイド服も夏冬それぞれ3着は欲しいようね。ジャージ上下、半袖Tシャツとショートパン・・ブルマ3組、パジャマ上下3組、下着も5セット位は欲しいよね。お出かけ着は給料から自分たちで買ってもらおう。
「下着どうしようか。今日はグレーの上下一式は渡すとして、物販用も揃える必要がるからな・・・。そのあとモニター兼ねて彼女達にも着てもらって、レポート提出させるってところかな。 でも、正夫人にすら選ばせてないんだよね。性奴隷が先はマズイよな多分。ミミリィに相談してからにしよう。」
熟慮の末、今日はグレーパジャマ(3セット)、グレー下着上下(5セット)、半袖Tシャツとブルマ、靴下をそれぞれ5セット、何の編綴も無い紺ジャージ上下を1セットにあと白ブラウスに焦げ茶のガウチョパンツを配ることにした。下着はスポブラだからサイズはあまり考えてない。(鑑定しているから知っているけど、知らないことにする。ちょっと苦しい娘もいるけど、伸縮性があるから良しとしてもらおう。 明日測ろう。)
歯ブラシ等の日用品と明日用のメイド服を足して、1人分づつ手提げ袋にセットして人数分作り、アイテムボックスに収納する。一応予備として数は倍量用意しておく。
夕食の出来具合の確認を兼ね、食堂に降りるともう夕食の用意ができていた。
「太郎様もうすぐ用意が終わります。座ってお待ちください。」
「ありがとう。 他の子達は?」
「片付け終わったあと、4階リビングでトドになってます。一応、レポートは出来たみたいですよ。」
「あ、そう。夕飯は如何するのかな。」
「一応スープを作ってありますので、スープだけは食べるそうです。」
「では、ここで待つね。あ、誰かレポートを預かってきてくれるかな。」
「私が行ってきます。」とスサン様が4階に取りに行ってくれた。あれ、スサン様はトドにならず自制出来たんだ。失敗作がないからあまり食べなかったんだな。
しばらくするとスサン様がレポートを持って来てくれたので目を通す。
レポートを要約すると(自分は字が読めないからね、スサン様に代読してもらったよ)、粒あんは良いが食べ慣れていないので、ジャム太郎の方が受けがいいようだ。 色物は受けがいいようだが、甘さよりも素材の味で出した白あんと紫イモは物足らないらしい。カスタードとココアは絶賛されている。こっちの方が紅茶に合うのかな。
うん、初めは甘太郎とジャム太郎半々かな。少し落ち着いたらカス(タード)太郎とココ(ア)太郎、抹茶太郎、ごま太郎の逐次投入といこうか。戦力の逐次投入で個別撃破全滅ってことにならない様にタイミングが大事だよね。
「太郎様用意ができましたので、4階のトド達を連れてきます。」
「はいはい。」
階段を大勢が下りる音がして、少しはすっきりしたお腹でトドズが下りてきたが、あまり食欲はなさそう。
「一応、スープは用意してあるけど、無理しなくていいよ。」と皆を座らせてから、
「では、いただきます。」
「はい、いただきます。」全員理解してもらえたみたい。
今日の夕食は、
ボイルソーセージとジャガイモ、ブラウンシチューと黒パン。それにサラダのシンプルな夕飯となった。
「すみません、あり合わせで作ったのでこんな物しかできなくて。」イヴァンネ殊勝なこと言ってる。さっき帰りにあれこれ物色して買い込んできているじゃない。
「あ、構わないよ。ワイン飲みながらゆっくり食べるから。 人数も多いからもっと食品のストックが必要だね。明日は、買い込んでおこうね。」
『もっと買ってくるのね。 帰りにちゃんと買って来たじゃない。』
『如何してそういうこと言うのよ。あり合わせでもこれだけ作れるって所を見せているのに。ネタばらしはしないの。』
「はい、よろしくお願いします。」
「エイラさん、明日の朝食当番は?」
「マルギットとソフィーアです。」
「では、二人で朝食お願い。エイラさんも監督お願いします。」
「はい、そのつもりです。これに負けない様がんばって指導・監督します。」
エイラさんがイヴァンネをチラって見たのは気にしないでおこう。
誤字の再確認してたら、元のデミグラスソースが無いと、ブラウンシチューってそんなに簡単にできる物ではない事に気付きました。 が、これは主人公が他の調味料と一緒にグンマー産ぶる犬印の業務用デミグラスソースをポチって、食材保管室に保管していたから短時間でできたものです。




