58 イヴァンネ様
「さってと、エレオノーラを転売したから動きがあるかな。10人全員をぞろぞろ連れ歩くのは止めた方がいいのか、でも早く手を打った方がいいよな、多分。」奴隷商会への道すがら考える。
転移魔法使えるかな。
「イヴァンネ様・・・・・・え、イヴァンネ様?」返事がない。
あ、マズイ。売られちゃったかも。急ごう。大通りから人気の無い路地に入る。
練習もしてないけど大丈夫かな。空間把握:マップ起動、奴隷商会前のマップ把握。
お、誰もいない、今なら大丈夫だろう。多分。
空間魔法起動:転移。奴隷商会前。
目の前がゆがんだと思ったら、奴隷商会前に立っていた。
「やればできるじゃん。自分はやればできる子。」
奴隷商会のドアを開け、受付で昨日と同じ受付の女性に「受け取りに来た。」旨を伝えると、昨日と同じ様に奥に案内された。
「あ、太郎様おはようございます。本日は引き取りですね。いくつお持ち帰りになりますか。」
店主のモリソンが出て来て和やかに話しかけてきたので、「今日、全員引き取ります。」
と伝える。
「あ、左様でございますか。では準備をしますので、こちらの応接でお待ち頂けますか。」
と驚いた様に答え、応接室の扉を開ける。
「あ、その前に新しく入った奴隷はいませんか。」
「性奴隷ですか。 本日入荷したばかりの物があります。麗しい娘ですよ太郎様もきっとご満足頂けるかと思いますよ。」
「では、そちらを先に見せて頂けますか。」
「承りました。少々お待ちください。」と、モリソンは部屋を出て行った。
ソファに座り待って居ると、ドアをノックしモリソンが入ってきた。
「お待たせいたしました、本日入荷の性奴隷です。本日の入荷はこれだけで、この先暫くは性奴隷の入荷予定はありません。」
モリソンの後ろから貫頭衣を来た女性、イヴァンネ様が顔を出す。
『何しているんですか。』
『ゴメン、突然だったので連絡する間も無かったのよ。顕現したら貴方のナビ役も解かれちゃって繋がれなくなちゃったの。良かったわ貴方が来てくれて。もう少しで娼館に売られるところだったのよ。』
『しょうが無いな。』半分諦め顔で、鑑定してみる。
氏名:イヴァンネ 種族:人間 平民 18歳 女 スキル:家事 lv2
隠蔽:神
隠蔽済有効化スキル:聖魔法lv9 家事 lv9
隠蔽済無効化スキル:上記以外 無効解除権限:間橋太郎
何だ、立場を逆にされちゃったのね。
『スサン様程ではないけど、笑っちゃいますね。』
『笑わないでね。すごく恥ずかしいのだから。』
「モリソンさん。この娘も頂きます。お幾らですか。」
「さすが太郎様、性奴隷10人に更に追加とは豪毅でいらっしゃる。この物も上玉で、大金貨5枚と言うところですが、御贔屓いただいておりますから、大金貨3枚でいかがでしょうか。」
「あ、わかりました。」
バックパックから出す振りしてアイテムボックスから巾着袋をだし、大金貨3枚を取り出し渡す。
「毎度、ありがとうございます。それではこの物も含めまして、奴隷紋で所有者登録を行います。準備をして参りますので少々お待ちください。」と言い、イヴァンネ様を連れて外へ出て行った。
創造神様もやることがエグいな。神の記憶をもったまま性奴隷にするなんて、スサン様の対応よりもっと惨いぞ。自分が今日来なかったら、あ、来ることになっているのは見越していたか。でも、もっと前に購入者がいたかも知れないじゃないか。思慮が浅いぞ。
そんなことを考えていたら、準備ができたとモリソンが呼びに来たので、そのままちょっと狭いが応接に入ってもらう。美女が11人って壮観だわ。ただ、みんな魚が死んだ目をしているのがちょっと怖い。
全員に右肩の奴隷紋を出してもらい、針で刺した指先の血を一滴ずつ垂らしてゆく。
「これで、手続きは終わりました。昨日の物と同じ様に、この物達は所有者に絶対服従、所有者に危害を加えない、所有者を貶めない。所有者を拒絶しない、所有者を第一とする等の制限が掛かっております。もちろん感情鈍磨もあります。必要に応じて解除することができますので、ご用がありましたら当商会にお声がけください。」
「分かりました。では、着替えさせたいので、ちょっと席を外してもらえますか。」
「かしこまりました。」モリソンは廊下に出て行った。
「あ、では自己紹介するね。僕は間橋太郎。君たちを買った主人です。いいかな? 良かったら反応して。」
「はい」と声に出せる者、頷くだけの者、色々だね。
「じゃ、最初の命令。後ろ向いて全部脱いで、裸になってくれるかな。」ちょっとザワッてした感じがしたけど素直にみんな後ろを向いて脱ぎ始めた。みんなスタイルがいい。
「クリーンを掛けるからそのままいて。」全員の後ろから生活魔法:クリーンを掛けてみたが、前後でそれほど変わらないのは、身綺麗にされていたってことだよね。
一番端のイヴァンネ様に、ショーツとTシャツを渡して一つずつ取って回してもらう。早く隠してもらって正面から話したいからね。
「後ろ向いているから着て。着たら順番に僕の所に来て。」と言うと、緩慢な動きでそれぞれ着始める。
最初に来たのはイヴァンネ様だった。
『裸のままでも良かったのよ。』
『後が怖いです。』
『そうかしら、尽くしてあげるわよ。』
『また後で、脳内会話は他の者に不審がられますからね。それから、ここでは僕の方が年上で主人ですからそのつもりで。』
『そうね』
イヴァンネ様の前に屈み、足のサイズを測ってから、メイド服と靴・靴下を手渡し着るように言うと、他の奴隷に見えない様に笑ってウインクして離れて行った。
次々と着替えた娘達が来たので同様に靴・靴下・メイド服を手渡し着てもらう。
「着替え終わった娘から、こっちに来て、髪を梳かすから。」と、言うと直ぐにイヴァンネ様が来た。やっぱり神様、感情鈍麻なんて全然効いてないんだよね。
順番に皆の髪を梳かしてみると、さっきのうらぶれた感じとは全然違う、美人の集団となっていた。目は魚が死んだようなままだけど。
「みんな準備ができたかな、僕の屋敷に行きます。いいですか。」
「「「はい」」」あ、さっきより声が多くなって、声質も明るい気がする。
モリソンを呼び、帰る事とまた性奴隷の入荷があったら教えて欲しいことを告げて性奴隷達を引き連れ店の外に出る。
マップを起動して、赤点を確認する。近くには居なかったが遠くから数名が近づいて来るのが分かった。人通りも無いので店のちょっと先を曲がり横道に入る。
「ちょっと固まってくれるかな。」と、彼女達を集める。
「隣の人と手を繋いでくれるかな。」
「できた? できたら目を瞑って。」空間魔法起動:転移 目標:別邸中庭。
「はい、着いたよ。目を開けて。」
みんな信じられない様にぽかんとした表情をしている。鈍磨しているから違いが分からないけど、それでもさっきとは違う驚きの表情をしている。
「はい、今此所にくるまでの事は忘れてね。君達は普通に歩いてここまで来ました。いい?これは命令。絶対に他言無用。言おうとすると奴隷紋から死んだ方がまし位の激痛が走るからね。
これから屋敷に入ってもらうけど、我が家は2階以上は土足厳禁です。一階玄関で靴を脱いであがってね。部屋用の靴があるからそっちに履き替えること。これは厳守してね。 返事は?」
「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」
「じゃ、行くよ。2階に上がってそのままお風呂に入ってもらうからね。」
「・・・・・」
「あ、これから襲う訳じゃ無いよ。裸にはなってもらうけど、お風呂に入って綺麗になってから体調を確認させてもらうからね。」
「・・・・・」なんか雰囲気が重くなった気がする。
「じゃ、命令。これから2階に上がって風呂に入ります。玄関で靴を履き替え、僕の後に付いて来ること。脱衣所で全裸になること。僕が一緒に入って洗い方を説明したりするから拒まないこと。風呂から上がったら自分で身体を拭いてからバスタオルを巻いて待つこと。順番に体調を確認するから拒まないこと。終わったら服を着て隣のリビングで待つこと。いい?」
「・・・・・・」
「はい」イヴァンネ様だけ元気に答えてくれた。




