37 湯上りはやっぱり浴衣だよね
辺りが暗くなってきたころ、「そろそろ夕飯の用意しましょうかね。」とミミリィを起こす。
「はい、お手伝いすることはありますか。」
「そうですね、お鍋を洗って、取り皿を用意してください。」
アイテムボックスから鍋と取り皿、竹トングなどを出して準備を頼む。
浴室に行き、お湯を湯船に満たす。お湯は屋上の水タンクの隣に温水タンクを設置してある。熱源は太陽熱と魔道具によるハイブリッド。入浴剤が欲しいかも。グンマーといえば、草津温泉湯ノ花だよね。純正は入手しにくいから、もどきでもいいや。スマホでポチッって、入れておく。あ、蓋無いんだよね、この風呂。火魔法で保温の機能は一応作ったけど、魔法が使えないと出来ないから、今後の課題としておこう。
厨房に戻り「じゃ、始めますかね。 まず肉ですよね。」
上州牛の塊を出して、スライサーでカット。 電動式だけど、太陽光発電を充電しておいたから夜でも丈夫なのさ。あまりバッテリー容量はないけど。
それから、街で買った牛肉らしき1kgをスライスして、計2kg程を漆塗重箱に小分けしてアイテムボックスにしまう。
特選グンマー産野菜を洗い、適当な大きさに切ってせいろに移し水を切る。焼き豆腐も切ってせいろで水切り。
生いもシラタキは、湯がいてアクを抜いて、せいろで水切り。 適当に水が切れたらアイテムボックスにしまう。
ひもかわも〆で食べるよう。袋入りでいいや。
あとは、醤油、砂糖、料理酒をを混ぜて割り下を作る。
やっぱり、ポチっとから漏れてたものが出て来きたのでスマホでポチる。
当然、清酒も必要だよね。グンマーには美味しい地酒が色々あるけど、今日は「尾瀬の雪解○」。それに デザートはやっぱり、グンマー産ハーゲン○ッツだよね。
あ、火を忘れてた。マーベラスコンロじゃ味気ないから、ここは七輪だよね。
七輪と練炭をポチる。でも、七輪をこのテーブルの上にに置くには無理があるか。
よし、加工。机をコピーして、七輪が入るくらいの穴を、精錬魔法で真ん中に開け底を平らにした鉄の網籠を作り穴の下にセット、万が一のために受け皿も付ける。周りには火傷しないように、格子の木箱を作り周りを覆う。
一通り用意ができたので、食堂にセットして置く。食材はアイテムボックスに入れたまま。こうして置けば、劣化しないからね。
「さ、ではお風呂に入ってきますかね。」
「あ、はい。」
「今日は二人だけですから、バスタオルはなしで。」
「あ、はい。」はにかむミミリィが可愛い。
「お風呂上がりは、リラックスする服装でいいですか。
「あ、はい。リラックスする服装ってなんですか。」
「グンマーの温泉宿では、湯上がりは浴衣に丹前とか羽織を着るんですよ。」
「なんですか、それは。」
「お風呂上がったら着せてあげますよ。」
「楽しみにします。」
二人で浴室に移動する。直ぐそこなのでお姫様だっこはなし。
タオル類は改装時に脱衣所にタオル置き場を作ってタオルとバスタオルはセットしておいた。
お互い後ろ向きになって、服を脱いで浴室に入る。
湯船は厨房に入る前に入れた、湯ノ花の香りが充満していて気分は温泉気分。
「変わった匂いがしますね。」と、ミミリィがタオルで前を隠しながら入って来た。
「そうでしょう、グンマーで一番有名な温泉の成分と匂いの素「湯ノ花」を入れて見ました。厳密には温泉ではありませんが、気分は温泉ですよ。疑似体験ぐらいはできます。」
「そうなんですか。ちょっと鼻につきますが我慢します。」まあ、日常で硫黄の匂いを感じることなんてないものね。卵をゆですぎた時ぐらいかな。
「では、とっとと身体洗って、まったり湯船で温泉気分を満喫しましょう。」
今回は、お互い隠すということを前提としないので、ミミリィの全身と髪をとっとと洗う。一部は念入りに、手で不要なマッサージを兼ねて洗ったことは秘密。心臓バクバクだけど冷静を装い作業完了。早々に自分の管理下から離れた一部をミミリィにジーっと見られてた。
自分は、ミミリィに目を合わせないようにして任せた。自分の管理下から離れた部分はなんか他より丁寧に洗ってくれていた。
ちなみに、湯桶はグンマー産の黄色いプラ桶を用意したよ。この世界の人はケ○リンの文字が読めないから模様としてしか認識されないけどね。勿論片手桶も椅子もセットだよ。ミミリィは半透明の湯桶を不思議そうに見ていた。この世界だと半透明の物はないみたい。
お互いを洗い終わったら、湯船に浸かる。ミミリィは前回と違い最初から隣に座った。
無言で、温泉気分に浸っていると、
「なにか分かりませんが、肌がすべすべする気がするのですが。これが温泉なんですか。」
「これは、グンマーが誇る草津温泉を模したものです。本物はもっとすごいですよ。」
「ちょっと匂いが気になりますが、すべすべします。気持ちいいですね。」
ミミリィが上気していてほんのり赤い。可愛い。
肩にもたれていたが、徐に姿勢を元に戻したので、如何したのかなと振り向いたら、ミミリィが唇を重ねてきた。
「このまま、幸せでいさせてくださいね。」とミミリィが呟き、抱きついてきたので、「そうだね」と頭を頭をなでた。
「そろそろ上がろうか。」
「このまま、だっこして下さい。」
「はいはい。」湯船から出て、上がり湯を掛ける。
温泉は上がり湯をしないのが普通なんだけど、本物でないし、硫黄の匂いが身体からしつづけるのは温泉初体験のミミリィにはキツいと思い、上がり湯で掛け流した。
ミミリィと自分の身体をタオルでさっと拭き、お姫様だっこで脱衣所に行く。棚からバスタオルを取り出し丁寧に身体を拭く。目の前にすべすべぷにゅぷにゅのミミリィさんがちょっと恥ずかしそうに胸とか隠して立っている。このまま押し倒しそうになる衝動を押さえる。
「さてと、ではこれから温泉に入ったあとのグンマーの正装になりましょう。浴衣と羽織です。丹前や褞袍でもいいのですけど、それほど寒くはないと思うので羽織にしました。」
「浴衣? 羽織? なんですか。」
「浴衣はこれですよ。花柄でかわいいでしょ。 先ず両手を上げてもらえますか。」
「あ、はい。」
「袖を通します。前で合わせます。帯で締めて、蝶々結び。 はいできあがり。グンマーではもっと色々な帯の結び方があるのですが、僕はこれしか知らないので、諦めて。」
「あ、綺麗な服ですね。」
「ミミリィは背が高くて手が長いからちょっと袖が短いかもね。次は羽織です。」
「この上に着るのですか。」
「そう、浴衣に重ねる様に着ます。また両手を上げてね。」
「袖を通します。前で合わせて蝶々結び。はいできあがり。」
「浴衣?の綺麗な柄が下から見えるのですね。」
「夏だと、浴衣だけで良いんでけどね、今の季節はちょっと浴衣一枚では寒いので、羽織とか丹前とか褞袍とか綿入れといった上に羽織るものを着るんですよ。」
ミミリィは鏡の前でくるくる回りながら、ご機嫌で鏡に姿を写して楽しんでいた。
「僕も着ますからちょと待っててね。」と男性用の浴衣と羽織を着る。そして、
火魔法と風魔法でミミリィの髪を丹念に乾かす。そしてポニーテールにして纏め、自分の髪も乾かして手ぐしで整えておく。
「寒くないですか。大丈夫ならご飯にしましょう。」
「お風呂の所為でしょうか、身体がぽかぽかしている気がします。」
「では、っと、お姫様だっこで行きますか。短い距離だけど。」
「はい、お願いします。」
「それから、浴衣は動いたり、時間が経つと着崩れることがあるので、ずれてきたらここから手を入れて引っ張ると調整できますよ。」
「ここですか。あ、本当に反対側の襟がつかめますね。分かりました。」
ミミリィの後ろにそっと回り「それから内緒ですが、ここから手を入れるとモミモミ出来るんですよ。ちなみに男用にはありません。」
「何しているんですか。そんなことしなくても触らせてあげますよ。」
「いや、こういうことも出来るということで・・・。」
「他の女にしては駄目ですよ。」
「はい、注意します。」
食堂に戻り、七輪に火を付ける。
本物の草津湯ノ花は年間数千個位しか採取されていない貴重品です。主人公が入れているのは工業製品のあくまでも湯ノ花もどきです。
草津の湯は入浴剤もいいですけど、やっぱり直接草津に行った方がいいですよね。
昔、スキーに行ってペンションに泊まり、朝風呂入ってからスキーして、汗をかいたら体中から硫黄の匂いがして、匂いには閉口しましたが、こんなに体の中に染み渡っていたんだ~と思いました。
ちなみに、草津の源泉は(万代鉱は90℃)なので、そのままでは熱すぎるので加温じゃではなく減温してます。
なお、主人公は着付けとか分かりません。遠い昔に町内会の盆踊りに浴衣を着ていった記憶があるだけですので、温泉宿の男性用浴衣のそのままです。
女性用は、ミミリィを膝枕している間に、ようつべみて勉強しました。
(温泉宿の浴衣の着方と違って、着物みたいにヒモを使うことを初めて認識しました。主人公の姉はしま○らのセパレート浴衣だったので、着方を知りませんでした。)




