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26 後継問題

 ドアが、ゆっくりと開いてアンナリーナ様がノックもせず入って来た。まぁ、気配感知で誰か聞き耳を立ててる感じはしていたんだけどね。


「フェリシア、後は私が話すわ。太郎ちゃん、このエステルグリーン家はどの様な家か知っている。」


「武門の家で武勲をたて、先代と当代で伯爵家となってという事は先ほど聞きました。あと、フェリシア様に求婚するのは当代に勝たないと認められないということも。」


「そう、そこまでは正しいわ。でも続きがあるのよ。この伯爵家は武官なのに法衣貴族なの。武門の家で死が隣り合わせであることもあって、絶えても良いように領地は持っていないのよね。今は第一師団長で領地が有っても管理出来ないから、それは一向に構わないのだけれどね。

 夫と私との間にはフェリシア一人だけ。第二夫人のエルサには男子マティアスがいるけど、武門というより内政専門といった線の細い優男で、とても武門の家エステルグリーンを継げるような子ではないのよ。

 それで、レンナルトは自分の代で爵位を返上しようとしていたの。

 その話を始めた途端に病に倒れて、今は起き上がることができなくて、返上の話を進めることもでき無い状態。病気も一向に良くならなくて困っているの。 だから、今夜、太郎ちゃんにダメ出しをすることは無いわ。」

 イヤイヤ、ダメ出しぐらいできるでしょう。


「では、もしこのまま伯爵様が治らなかったらどうなるのですか。」


「フェリシアに騎士は無理だから、爵位を返上出来ないままマティアスがエステルグリーン家を継ぐことになるわね。ただ、エステルグリーン家は武勇のみで爵位を得ていることになっているから、マティアスも授爵後は直ぐに騎士にならなければならないの。

 心優しくて穏やかなマティアスでは、「初陣で戦死」か「恐怖に駆られて敵前逃亡で極刑」が目に見えているのよね。だから、太郎ちゃんがフェリシアの婿になってエステルグリーン家を継いでくれるのが誰も不幸にならないのよ。そうすれば、爵位の返上もしなくて済むし。」

 チラッという視線がないのはやはり貴族の奥様なんだろうか。


「僕は騎士にならないですよ。平民で商売人をする予定ですから。」


「いいのよ、それでも。フェリシアの子がエステルグリーンの血と貴方の血を受け継ぐならそれなりに武門の家として成り立つでしょう。フェリシアは騎士に成れないけど、孫に期待すると言うことで、エステルグリーン家を維持することも可能でしょ。」


「種馬状態ですね。」


「これは大人の思惑。フェシリアは純粋に太郎ちゃんを好きになったみたいだから、副産物って感じかしら。もともと今回のフェシリアの旅は、爵位返上後の私達の居所を叔父に頼みに行くのが目的で、その途中で太郎ちゃんに命を救われたということね。

 だから、フェリシアには太郎ちゃんは白馬の王子様で、フェリシアが太郎ちゃんを選び望んだこと。エステルグリーン家は関係ないわ。私が利用しようとしているだけよ。」


「はぁ。分かりました。でもそんな大事なこと何処の馬の骨とも分からぬヤツに話していいのですか。」


「息子に話すのに何を憚るというの。」


「まだ、息子ではないのですが。」


「何か不満があるの?フェリシアに。」


「有りませんが、女性に好かれた経験がないので、自分の事では無いような気がしているのも事実ですね。」


「何処までも謙虚なのね。自分の子供だけどフェリシアはしっかりした子よ、何処に出しても恥ずかしくは無いわ。そのフェリシアに選ばれたことを誇っても良い位なのよ。」


「あ、ありがとうございます。」

 ふと、過去彼女居ない歴のことを考える。こんなのが、元世界でも有ればリア充だった筈なのに・・・・。 デジャビュか。今更言ってもどうにもならないか。


「ところで、伯爵様にお目通りは叶いますでしょうか。できれば一度お目に掛かりたいのですが。」


「そうね、では、これからどう? 夕食まで時間があるし、貴方の「つみっこ」も食べてもらいたいわね。」


「よろしくお願いします。」


「フェリシアもついて来なさい。」





 アンナリーナ様に連れられて、屋敷の奥に進む。フェリシアちゃんとミミリィさんも一緒について行く。奥まった所のドアの前でアンナリーナ様が止まりドアをノックする。

返事も待たず、ドアを開けて入って行くと、ベッドに横たわる男性がいた。

 


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