100 正夫人会議
「これから正夫人会議を始めます。」ミミリィが開始を宣告する。
なにか物々しいものになってるぞ。
出席者は、正夫人フェリシア、ミミリィ、ベルタ、スヴェア(仮)の4人と自分、それにエレオノーラ様だけの筈が、何故か、エイラさん、マルディダ王女、アンナリーナ様、テレーシア様に加えエディット、マルギット、エヴェリーナ、テレーサ、ディオーナ、ソフィーア、マルティナ、アレクシス、グンネル、スサン、イヴァンネといった僕の性奴隷まで全員が出席している。ってか王女様関係無くないかい?。
「先ず、今回の趣旨について説明いたします。我が夫である太郎様は案件に対して自分で結論を出さず夫人に丸投げを常としており、そのような事案に対応するため、今回の席を設けさせていただきました。進行に当たっては、正夫人中年長者である私が行わせていただきます。なお、今会議においては、太郎様の正夫人としては同列であるため、敬称は省略し票数も同票とします。 よろしいですか。」
「「「「「「「「「「「「異議なし」」」」」」」」」」」」 って、奴隷の君達には関係ないでしょ。
「では、第一議案に入ります。第一議案 スヴェア第四夫人(仮)の夫人昇格について。
ですが、これについて、異議のある方はいますか。」
「異議なし。」フェリシア、ベルタ共に即答する。
「では、第一議案は承認され、ただいまからスヴェアを第四夫人とすることに決しました。
スヴェア一言。」
「ありがとうございます。ミミリィありがとう。これからも太郎様だけを唯一の思い人として生きて行きます。」
「では続きまして、第二議案、エレオノーラを第五夫人とする件について。」
「提案者、エレオノーラ説明を。」
「私は、太郎様に性奴隷として買っていただきましたが、「役に立たない」と言われ売り払われました。たとえ平民となったとしても「役に立たないと言われた元性奴隷」など、どこも相手にしてもらう事はできず、このまま一生独身で肩身の狭い思いをしなくてはなりません。これは、「役に立たない」としてと売り払った方に責任を取っていただくのが当然であり、権利行使を要求するものです。」
「ちょと、待ってこれ何かの糾弾会か何かなの?、権利行使ってなんの権利なのさ。」
「太郎様の発言は許しておりません。」
「あ、はい。」うーんヘタれた。
「それはおかしいです。タロー様はエレオノーラ様が当家にとっては勿体ない方で、当家よりも他家で実力を発揮すべきと仰ってました。ですから、タロー様を貶める様な発言は認められません。エレオノーラ様を夫人とすることに異論はありませんが、そのような仰り様は夫人として相応しくありません。私は否認します。」
「私は、エレオノーラ様であれば構わない。ただ、まだ第四夫人だから人の事は言えないが、太郎様が困らないのであれば承認する。夫人が多ければ太郎様のお子を孕む者も多くなるからな。太郎様の血筋が絶えることの方が怖い。」
「私も賛同します。エレオノーラ様と太郎様のお子なら優秀なお子でしょうから。私の子と差がつくのはちょっと困るけど。」いいのか第一夫人。
「では、決を採ります。第五夫人とすることを承認してよろしいか。」
「承諾」とフェリシアとスヴェアが答え、「私も承諾する」とミミリィが告げ、自分に自分の意思は汲まれること無く第五夫人が誕生した。 なんでだ!
「では、次ぎ第三議案に入ります。」第三議案ってなんだ、知らないぞ。
「提案者:エイラ説明を。」
「私は、このお屋敷に本邸からの新人メイドの教育係として派遣されて来ました。正確に言うと、太郎様の側にいたくて、アンナリーナ様にお願いして派遣させてもらいました。日々、太郎様の近くにいるのですが、私だけ夫人でも奴隷でもないからと太郎様にのけ者にされるます。皆さんの下着を選ぶ時も、ボディメイクをするときも私だけがよそ者扱いなんです。酷いです。私も皆さんと同じ様に扱って欲しいです。」
「エイラの要望は先ほどエイラが説明したとおりです、実際のところエイラは本邸のメイドであり、夫人でも奴隷でもないエイラに太郎様が何かするということは難しいというのは自明の理であり、太郎様の扱いにも頷けることではあります。が、そもそも、エイラは太郎様が好きでアンナリーナ様に無理を言いここに居るので、少しは気持ちを汲んでやる必要もあるかと思いますので、エイラを第一側室とすることを提案するものです。」
「第一側室? ミミリィ、夫人と側室ってどうに違うの。」スヴェアが尋ねる。
「現在の詳細な定義はしていませんが、1正夫人会議の議決権なし。2優先権は正夫人にある。3対外的には同居人となります。ただし、太郎様の授爵後は正式に側室として認められます。また、仕事はしてもらいます。側室といってもゴロゴロしているのは認めません。4正夫人会議が側室資格の付与剥奪権を有ます。ですから側室本人の意思とは関係なく正夫人会議が不適当であると認めた場合は、側室権を無条件で剥奪する権利を有します。 また、その場合は、即日屋敷からの退去を命じることになります。
なお、この件についてのみ太郎様の意見を斟酌する場合があります。」
「それ、今と変わらないですよね。」
「いいえ、今のエイラは私達と同等に扱われることはありません。ですから太郎様と入浴したり同衾したりすることすら出来ません。本人が望んでも太郎様がお認めにならないのです。これを正夫人会議の承諾の元これを拒絶させない為の制度です。」
「あ、そうなのですか分かりました。」
ちょっと待て、今さっき授爵後とか言わなかったか? 誰が授爵を承認するって言ったんだそんな事自分は一言も言ってないぞ。それに、自分の事なのに拒絶させないための制度ってなんだ。
「他に質問はありませんか。 無い様でしたら決を採ります。」
「待ってね。先ずそれはエイラさんの身分をハッキリさせてからにしてもらえるかな。エイラさんは、本邸からメイド指導係として派遣され、本邸から給料を貰っているんだよ。 もし、僕の側室になったら、自分の家の事をするのは当たりまえで本邸から給料を貰うことはおかしいよね。それについて、アンナリーナ様達の許可は得たのかな。」
「え、 いいえ得ていません。アンナリーナ様許して下さいますでしょうか。」
「そうね。そういう話はもっと早く言うべきよね。レンナルトにも確認してないからなんとも言えないけど、太郎ちゃんが言っていることが正論よね。」
「そうですか。私無職になっちゃうんですね。でも、太郎様、専業主婦ではだめですか。」
「まあ、私が旧本館に引っ越してくることにして、その管理を頼もうかしら。そうすればお給料は払えるわよね。」
ちょっと待て、今なんって言った。引っ越してくるなんて聞いてないぞ。
「では、問題は無いようですから決を採ります。」
「異議なし」全員即決だった。
「ミミリィ様、宜しいでしょうか。」とディオーナが手を上げる。
「ディオーナ、発言を許します。」
おい!、奴隷に発言権を与えていいのか? 正夫人会議なんだろ? と、声に出して言えないヘタレであった。と日記に書きたくない。
「ありがとうございます。側室になるためには資格が何か必要でしょうか。」
「資格? そうですね、特に定めていませんが、太郎様の奴隷ではないことは必要ですね。 あと、太郎様を愛していること、太郎様が嫌っていないこと。唯一の男性とすることでしょうか。後は、正婦人会議で承認される必要がありますね。」
その資格って変じゃないのか。僕を愛さなきゃいけないけど、僕からは嫌われて無ければいいって、僕が「嫌いなヤツ」以外で一方的に愛されていれば全部受け入れろってことか。
「では、第四議案、動議を提出したいです、お願いします。」
おいおい、奴隷達に議案提出権があるのかい、どういう会議だ。正夫人の会議じゃないのか。
「認めます。では、ディオーナ説明を。」
「私、ディオーナはご主人様が大好きです。愛しています、ご主人様以外の男はゴミです。ご主人様に買っていただき、バーリストレーム子爵家から守っていただき、今も守られています。私にはご主人様以外はおりません。昨日の実家から自分を買い戻すだけのお金を貰いましたので、自分を買い戻しご主人様のお側で過ごしたいです。」
「それで、側室になりたいということですね。」
「はい、「ご主人様」では無くて「太郎様」とお呼びしたいです。」
「だが、奴隷を減らし側室を増やしすぎると働き手が無くなってしまわないか。」
「側室と言っても、我々正室である夫人達が働いているのですから、側室になったとしてもそのまま働いてもらえばいいのではないですか。タロー様ご自身が働き者ですから皆ついて行くでしょう。」
「では、決を採ります。ディオーナを側室とする事に賛同を求めます。」
「異議なし」と3夫人が言い終わる前に奴隷達から手が上がる。
「緊急動議をお願いします。私も側室になりたいです。」
「静粛に、『異議なし』と認め第四議案は承認されました。」
「ちょっと待て、今の議決は保留にして。」
「太郎様といえど、正夫人会議の議決に口を挟む事は出来ません。」
「いや、僕の事でもあるのだから、言わせてもらうよ。」
「先ず、1 エイラさんは両親の確認を取りなさい。話はそれからです。2 ディオーナ、君はまだ僕の奴隷だから、買い戻しは予約だけだからね。もちろん買い戻す事は了承するし妨害する気はない。
だけど、側室については、両親の許可を取ってからにして欲しい。確かに僕は君を自分の奴隷である君を守ると言った。もし、側室になったとしても僕は自分の妻を当然守る。
君たちを側室にすることについては、多少引っかかることがあるが拒絶はしない。ただ、今はダメだ。君達には僕の性奴隷でいて欲しい。」
「如何して今はダメなんですか。」ディオーナが涙目で訴える。
「今君達を取り巻く状況が悪い。君たちは僕の性奴隷ということでターゲットになっていないだけで、君たちが幸せであればあるほどターゲットになってゆく。だから、落ち着くまで僕の性奴隷で居て欲しい。そうしないと君たちを守り切れないかもしれない。」
「太郎様の仰るとおりですわ。いま、我が国はちょっと危険な状況にあります。対外戦争もありますが、バカ兄の様な者を担ぎ、王室の屋台骨を揺るがそうとしている輩が暗躍しています。そのとばっちりを食って貴方方が奴隷となっているのです。その者達は、バカ兄の周りから、優秀な者、美しい者を排除し現婚約者が一番である状況を無理矢理作り出しているのです。この国が必要とする優秀な人材を排してまでも、バカ兄と現婚約者の結婚を邪魔しない様に画策しているのです。
今ここで貴方方が太郎様の側室として幸せに暮らすとなると、「バカ兄が目を向けるのではないか」と邪推して、彼らが新たに何か画策して来る可能性が高いのです。太郎様は今は平民ですが、婚姻により貴族扱いとなります、貴族の側室となり、排除の対象となる可能性が高いのです。
バカ兄の取り巻きを排除しない限り、貴方方は対外的に不幸な状態でなくてはいけないのです。例え笑顔をみせていても、それは作り笑いを強制させられていると見せなくてはいけないのです。ですから、太郎様が貴方方を棄てることは決して無いでしょうから、もう少し我慢してください。」と、静かにマルディダ王女が弱々しく告げる。
「君達のご両親が、断腸の思いで身分剥奪を受け入れ、奴隷商人に売ったかも考えてあげて欲しい。」
「太郎様それならばなぜ、エレオノーラ様は正夫人にしても大丈夫なのですか。」
「一応王族だからね、一度婚約破棄した相手と再度婚約することは対外的に問題があるから対象外なんだよ。それと、例え僕がエステルグリーン伯爵家の縁者として、公爵家を継いでからの正夫人になったと言っても、彼らにとって僕は身分は貴族扱いでも所詮ただの平民。嘲笑の対象であっても羨望はされないよ。彼等にとって現婚約者の敵以外はどうでもいいのさ。」
「あ、はい。 分かりました。でもその”ケリ”がつけば側室にしていただけるのですか。」
「さっきの定義だと、僕に決定権は与えられていないようだから、正夫人会議で承認されれば、僕は拒むことが出来ないみたいだね。自分のことなのに。ねえ、ミミリィこれ、動議してはダメかな。正夫人会議の決定は第一に僕の意見を尊重してこれを決するとか。拒否権を与えてくれないかな。」
「ディオーナ、正夫人会議は承認しましたので、時期を待つことでよいですか。」
ねえ、ミミリィ僕の質問の答えは無いの。
「ありがとうございます。」って、ディオーナ。僕の話聞いてる?
「では、第四議案については、承認されましたが、実施時期については未定とします。」
だから、僕の話は聞いてくれないの。ねえ。ミミリィ議長!!
「はい、私も側室にして欲しいです。予約をお願いします。」グンネルを筆頭に次々と手を上げるので、ミミリィも少し呆れながらも、「申し出は受けます。審議は次回会議とします。」と告げる。
グンネル達も何か言いたそうだったが、それ以上は言わなかった。
ミミリィが「本日の会議はこれで終了。」と告げようとすると、予定外の発言があった。




